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第46回

骨格筋の収縮について正しいのはどれか。(第103回)

①筋収縮のエネルギー源はADPである。
②収縮力は関節が伸展した状態で最大となる。
③骨格筋は副交感神経の指令を受けて収縮する。
④アクチンがミオシン上を滑走して筋収縮が起こる。

  1. 筋収縮のエネルギー源はADPである。
    筋収縮のエネルギー源はADP(アデノシン二リン酸)ではなくATP(アデノシン三リン酸)で、ATPが分解されるときに生じるエネルギーが利用される。
  2. 収縮力は関節が伸展した状態で最大となる。
    収縮力は関節が可動域内で中間の位置にあるとき最大で、それよりも屈曲しても伸展しても小さくなる。
  3. 骨格筋は副交感神経の指令を受けて収縮する。
    骨格筋の収縮は、大脳皮質運動野からの指令を体性神経の運動神経に伝えられて行われる。
  4. アクチンがミオシン上を滑走して筋収縮が起こる。
    筋収縮はアクチンがミオシンの間に滑り込むようにして起こり、このような収縮を滑走説という。

骨格筋の収縮は筋原線維の収縮によって起こる。筋原線維にはアクチンとミオシンという2種類の線維(フィラメント)が長軸に沿って規則正しく並んでいる。筋収縮に必要なエネルギーは、細胞質中にあるATPが分解されるときに生じる。

平滑筋はどれか。(第103回追試)

①心 筋
②三角筋
③瞳孔散大筋
④胸鎖乳突筋
⑤大腿四頭筋

  1. 心 筋
    心筋は、自律神経に支配される不随意筋だが、その形態は横紋をもっており平滑筋には含まれない。
  2. 三角筋
    三角筋は、肩関節の外転に働く骨格筋で、横紋筋であり、随意筋である。
  3. 瞳孔散大筋
    瞳孔散大筋は、暗所に移った際に瞳孔を拡大(散大・散瞳)する筋で、交感神経(自律神経)に支配される不随意筋で平滑筋である。
  4. 胸鎖乳突筋
    胸鎖乳突筋は頭部顔面を動かす骨格筋で、横紋筋であり、随意筋である。
  5. 大腿四頭筋
    大腿四頭筋は膝関節の伸展に働く骨格筋で、横紋筋であり、随意筋である。

筋組織は、形態的に筋線維(筋細胞)の中に横紋(縞模様)をもつ横紋筋と、もたない平滑筋に分類される。横紋筋には、関節運動で骨格を動かす骨格筋と、心臓壁をつくる心筋とがある。一方、平滑筋は内臓の壁となるので内臓筋ともいう。

また、骨格筋は体性神経によって支配され、自分の意思通り(随意的)に収縮できるので随意筋と呼ばれるが、心筋および内臓筋(平滑筋)の収縮は自律神経の支配を受けるため意思通りではなく(不随意的)、反射的に収縮するので不随意筋とも呼ばれる。

近くの物を見るときの反応で正しいのはどれか。(第97回)

①両眼球の外転
②瞳孔の収縮
③水晶体の厚さの減少
④眼圧の上昇

  1. 両眼球の外転
    両眼球は、それぞれ内転する。
  2. 瞳孔の収縮
    瞳孔括約筋が働いて瞳孔を収縮させる。
  3. 水晶体の厚さの減少
    近くのものに焦点を合わせるために、水晶体を厚くして屈折力を大きくする。つまり水晶体の厚さは増加する。
  4. 眼圧の上昇
    眼圧は、眼の遠近調節には関与しない。

近くのものを見るときに、両眼球は内側に寄って(内転)、瞳孔を小さくし(収縮)、水晶体を厚くする。

耳の感覚器と刺激との組合せで正しいのはどれか。(第105回)

①蝸牛管 ― 頭部の回転
②球形囊 ― 頭部の傾き
③半規管 ― 鼓膜の振動
④卵形囊 ― 骨の振動

  1. 蝸牛管 ― 頭部の回転
    蝸牛管には基底板にラセン器(コルチ器)があり、音を感知する装置である。頭部の回転は、半規管が関与する。
  2. 球形囊 ― 頭部の傾き
    球形囊には平衡斑という感覚装置があり、頭部の傾きを感知する。また、運動時には上下垂直方向の直線加速度を感受する。
  3. 半規管 ― 鼓膜の振動
    半規管は回転運動の加速度を感知する器官である。鼓膜の振動は、最終的に蝸牛管に送られて音として感知される。
  4. 卵形囊 ― 骨の振動
    卵形囊は、球形囊と同様に平衡斑という感覚装置があり、頭部の傾きを感知する。また、運動時には前後水平方向の直線加速度を感受する。選択肢の「骨の振動」は耳小骨の振動と思われるが、これは最終的に蝸牛管に送られて音として感知される。

耳の感覚受容器は、側頭骨の錐体内にある。その受容器は平衡覚に関係する前庭と半規管、聴覚に関係する蝸牛管からなる。また、前庭には卵形囊と球形囊という袋状に膨らんだ器官がある。

健常な成人の心臓について、右心室と左心室で等しいのはどれか。2つ選べ。(第107回)

①単位時間当たりの収縮の回数
②拡張時の内圧
③収縮時の内圧
④心室壁の厚さ
⑤1回拍出量

  1. 単位時間当たりの収縮の回数
    単位時間当たりの収縮の回数とは心拍数のことである。洞房結節からの興奮は、ヒス束が心室へ入ると右脚と左脚に分かれ、右心室壁、左心室壁へそれぞれ分布している。そのため、興奮は左右の心室の心筋へ同時に伝えられて収縮するため、等しい。
  2. 拡張時の内圧
    心室内圧は拡張時に右心室0mmHg程度、左心室は5mmHg程度であり異なっている。
  3. 収縮時の内圧
    心室内圧は収縮時に右心室25mmHg程度、左心室は120mmHg程度であり異なっている。
  4. 心室壁の厚さ
    左心室壁は、大動脈の弾性低下による収縮期血圧上昇、心室収縮に対する抵抗の増大により負荷がかかるため、肥厚しやすくなる。
  5. 1回拍出量
    左心室から拍出された血液は体循環後に右心房に戻る。右心房内の血液は右心室に移動し右心室から肺動脈へと拍出される。つまり、左心室からの拍出量と右心室からの拍出量は同じである。

心臓の右心室からは肺循環における肺動脈が出ており、左心室からは体循環における大動脈が出ている。

収縮期血圧の上昇をきたす要因はどれか。(第102回)

①副交感神経の興奮
②循環血液量の減少
③末梢血管抵抗の増大
④血液の粘稠度の低下
⑤動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇

  1. 副交感神経の興奮
    副交感神経の興奮は心拍数を減少させ、心拍出量を減少させるため、血圧の上昇は起こらない。
  2. 循環血液量の減少
    循環血液量の減少は心拍出量の減少につながり、血圧は上昇しない。
  3. 末梢血管抵抗の増大
    末梢血管抵抗の増大は、例えば寒冷刺激によって皮膚血管が収縮したときに起こり、この場合に血圧は上昇する。
  4. 血液の粘稠度の低下
    血液の粘稠度の低下は、血管内の血液の流れをよくして血管への抵抗が減少するので、血圧は上昇しない。
  5. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇
    PaO2の上昇は血圧が変動する要因には成り得ず、上昇の要因ではない。

血圧は血管内の血液による圧力で、心室が収縮して心臓内から血液が血管、動脈内に拍出されると上昇する。血圧は心拍出量と収縮状態の血管の抵抗(総末梢抵抗)との掛け算で決まり、上昇する要因には精神的緊張、運動、寒冷刺激などがある。

心臓の模型図を示す。通常のペースメーカーはどれか。(第100回)

  1. 右心房下部の中隔付近にある房室結節で、洞房結節からの興奮を受け取り房室束へ発する。
  2. 心房中隔であり、通常のペースメーカーではない。
  3. 心筋であり、通常のペースメーカーではない。
  4. 右心室であり、通常のペースメーカーではない。
  5. 右心房で上大静脈が開口する部位である洞房結節を指しており、この洞房結節が通常のペースメーカーとなる。

通常のペースメーカー(歩調取り)は、洞房結節である。

体表からの触診で最も触れにくいのはどれか。(第99回)

①総頸動脈
②外腸骨動脈
③橈骨動脈
④大腿動脈
⑤足背動脈

  1. 総頸動脈
    総頸動脈は、胸鎖乳突筋と顎二腹筋後腹と肩甲舌骨筋上腹に囲まれた頸動脈三角で拍動が触れる。
  2. 外腸骨動脈
    第4腰椎の直前で左右の下肢へと二分した動脈は、仙腸関節の前で小骨盤腔に向かう内腸骨動脈と外腸骨動脈とに分かれる。外腸骨動脈は骨盤分界線に沿って鼠径靱帯の下まで走行するので体表からは触れない。
  3. 橈骨動脈
    橈骨動脈は前腕で腕橈骨筋と撓側手根屈筋の筋束に覆われるが、両筋は手首近くで腱となり、両腱の間を走行することになり脈拍を触れることになる。
  4. 大腿動脈
    大腿動脈は腿の付け根付近で鼠径靱帯と縫工筋と長内転筋に囲まれた三角形の領域(大腿三角)で、筋には覆われず拍動が触れる。
  5. 足背動脈
    足背動脈は下腿前面で前脛骨筋と長母指伸筋の筋束に覆われた深部を走行してきた前脛骨動脈が、足背に至り長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間を走り皮下に拍動を触れる。

動脈は、体腔内の深部や体幹から分かれている頸部や上下肢では筋に覆われて体表から触れにくいところを走行する。しかし、筋の走行によって覆いが外れ、体表近くを走行することがある。

無対の静脈はどれか。(第107回)

①鎖骨下静脈
②総腸骨静脈
③内頸静脈
④腕頭静脈
⑤門 脈

  1. 鎖骨下静脈
    鎖骨下静脈は左右上肢の静脈で、有対である。
  2. 総腸骨静脈
    総腸骨静脈は左右下肢の静脈で、有対である。
  3. 内頸静脈
    内頸静脈は頭蓋腔内の左右S状静脈洞に続く静脈で、頸部の左右を下行する有対の静脈である。
  4. 腕頭静脈
    腕頭静脈は、右内頸静脈と右鎖骨下静脈が合流する右腕頭静脈、左内頸静脈と左鎖骨下静脈が合流する左腕頭静脈があり、有対である。一方、腕頭動脈は右にしかなく、無対である。
  5. 門 脈
    門脈は、腹部内臓からの血液を集める静脈である。無対の脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈の3主根が集まって1本となっており、無対である。

体循環において、頭頸部・上肢・下肢および体幹に分布するほとんどの動脈・静脈は左右にあり、有対である。ただ、腹部内臓への臓側枝に、無対の血管がある。

( )の組織を還流した血液は心臓に戻る前に肝臓を通過する。( )に入るのはどれか。(第109回)

①舌
②食 道
③小 腸
④腎 臓
⑤下 肢


  1. 舌を還流する血液は舌静脈などを通り、内頸静脈、腕頭静脈、上大静脈を通過して心臓に戻る。
  2. 食 道
    食道を還流する血液は食道静脈、奇静脈、上大静脈を通過して心臓に戻る。
  3. 小 腸
    小腸を還流する血液は、上腸間膜静脈と下腸間膜静脈などを通り、そして門脈を通り肝臓に入る。
  4. 腎 臓
    腎臓を還流した血液は、腎門から出る腎静脈を通り、下大静脈を通って右心房に入る。
  5. 下 肢
    下肢から戻ってくる血液は、左右の総腸骨静脈を通り、下大静脈で合流して右心房に入る。

組織を還流した血液が通る血管は静脈であり、肝臓に入る静脈は門脈である。門脈は胃や腸などの消化管、膵臓および脾臓などからの血液を集めて肝臓に運ぶ。

胸管で正しいのはどれか。(第104回)

①弁がない。
②静脈角に合流する。
③癌細胞は流入しない。
④主に蛋白質を輸送する。

  1. 弁がない。
    リンパ管は毛細リンパ管から始まる求心性の管で、逆流防止の弁をもっている。胸管もリンパ管であり、弁をもつ。
  2. 静脈角に合流する。
    胸管は、内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部である静脈角のうち左静脈角に合流する。
  3. 癌細胞は流入しない。
    癌細胞はリンパの流れに乗って転移するので、リンパ管の本幹である胸管も癌細胞が流入する。
  4. 主に蛋白質を輸送する。
    リンパ管の始まりは乳び槽と呼ばれ、腹部内臓からの腸リンパ本幹が合流している。腸リンパ本幹は小腸壁の毛細リンパ管にて脂肪を吸収しており、胸管内には脂肪が含まれるが、小腸壁での蛋白質の吸収は毛細血管にて行われるので、胸管は蛋白質の輸送は行わない。

胸管は、左右の下半身と左上半身のリンパを集めるリンパ管の本幹で、小腸壁で吸収した脂肪滴で白濁した乳びを含む乳び槽から始まり左静脈角にて静脈に合流する。

鉄の摂取不足によって起こるのはどれか。(第96回)

①酸素運搬量が減少する。
②赤血球の寿命が短縮する。
③核酸の合成酵素が不足する。
④白血球の分化が抑制される。

  1. 酸素運搬量が減少する。
    酸素は赤血球のヘモグロビンに結合されて運ばれる。ヘモグロビンの構成要素の鉄に酸素が結合するので、鉄の摂取不足では酸素運搬量が減少する。
  2. 赤血球の寿命が短縮する。
    赤血球の寿命は平均120日で、老化した赤血球は脾臓で破壊される。鉄の不足は赤血球の寿命に影響しない。
  3. 核酸の合成酵素が不足する。
    ビタミンB12や葉酸が核酸合成を促進するので、これらの不足は核酸の合成を阻害する。しかし、鉄の摂取不足によって核酸の合成酵素が不足することはない。
  4. 白血球の分化が抑制される。
    白血球の分化に鉄は関与しない。

酸素運搬を担う赤血球は、血色素(ヘモグロビン)を多量に含んでいる。ヘモグロビンはヘムという鉄を含む色素とグロビンから構成されている。

造血について正しいのはどれか。(第103回追試)

①造血幹細胞は脾臓にある。

②胎生期には肝臓で行われる。
③Bリンパ球は骨髄系幹細胞から分化する。
④造血能が低下すると末梢血中の網赤血球は増加する。

  1. 造血幹細胞は脾臓にある。
    造血幹細胞(多能性幹細胞)は、出生後は骨髄にある。造血に関与する赤色骨髄は胸骨、肋骨、椎骨、腸骨などにある。
  2. 胎生期には肝臓で行われる。
    造血は胎生初期には卵黄囊、中期には肝臓や脾臓で行われる。
  3. Bリンパ球は骨髄系幹細胞から分化する。
    造血幹細胞(多能性幹細胞)は骨髄において、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分化し、リンパ系幹細胞からTリンパ球(T細胞)とBリンパ球(B細胞)が分化する。
  4. 造血能が低下すると末梢血中の網赤血球は増加する。
    骨髄から放出されたばかりの網赤血球は、大出血などで造血能が盛んになると増加する。

血液は、骨の構造物である骨髄(赤色骨髄)にてつくられ、脾臓にて破壊される。

オプソニン効果を生じるのはどれか。(第98回)

①好中球
②好塩基球
③Tリンパ球
④Bリンパ球

  1. 好中球
    好中球やマクロファージなどの食細胞が細菌を貪食しやすくなる。
  2. 好塩基球
    好塩基球に食作用はない。
  3. Tリンパ球
    Tリンパ球に食作用はない。
  4. Bリンパ球
    Bリンパ球に食作用はない。

オプソニン効果とは、体内に侵入した細菌に抗体や補体が付着すると白血球による食作用が促進されることである。

血漿の電解質組成を陽イオンと陰イオンに分けたグラフを示す。矢印で示すのはどれか。(第108回)

①ナトリウムイオン
②カリウムイオン
③リン酸イオン
④塩化物イオン
⑤重炭酸イオン

  1. ナトリウムイオン
    ナトリウムイオンは、陽イオンである。
  2. カリウムイオン
    カリウムイオンは陽イオンである。
  3. リン酸イオン
    リン酸イオンは陰イオンであるが、血漿には少ない。
  4. 塩化物イオン
    塩化物イオンは陰イオンで一番多い。
  5. 重炭酸イオン
    重炭酸イオンは陰イオンで塩化物イオンに次いで多い。

血漿中には血漿蛋白質や電解質が含まれる。電解質は正の電荷をもった陽イオンと負の電解質をもった陰イオンに分けられる。陽イオンで一番多く含まれるのはナトリウムイオンで、陰イオンで一番多く含まれるのは塩化物イオンである。

アポクリン汗腺が多く分布する部位はどれか。2つ選べ。(第102回)

①顔 面
②腋 窩
③手 掌
④足 底
⑤外陰部

  1. 顔 面
    顔面にはエクリン汗腺が多く存在し、酸味や辛味などの味覚刺激によって起こる味覚性発汗が現れる。
  2. 腋 窩
    腋窩はアポクリン汗腺が分布しており、腋臭(わきが)のにおいはアポクリン汗腺からの汗が細菌に分解されて生じたものである。
  3. 手 掌
    手掌のエクリン汗腺からの汗は、手で物を握ったりする際に滑り止めの働きをするともいわれる。
  4. 足 底
    足底のエクリン汗腺からの汗は、歩行の際に足底と地面との間の滑り止めの働きをするともいわれる。
  5. 外陰部
    外陰部にはアポクリン汗腺が多く分布している。

皮膚腺に含まれる汗を分泌する汗腺には、エクリン汗腺(小汗腺)とアポクリン汗腺(大汗腺)の2種類がある。エクリン汗腺は全身の皮膚に分布しているが、特に手掌と足底、顔面などの露出部ではよく発達している。分泌する汗は、水分に富み体温調節に関係する。アポクリン汗腺は腋窩や外陰部に多く存在し、脂肪や蛋白質に富む汗を分泌し、導管が毛包に開口している。

末梢血管抵抗が低下するのはどれか。(第95回)

①心筋梗塞に伴うショック
②アナフィラキシーショック
③出血性ショック
④肺動脈塞栓症に伴うショック

  1. 心筋梗塞に伴うショック
    心筋梗塞に伴うショックでは、心拍出量が減少する。末梢血管抵抗は低下しない。
  2. アナフィラキシーショック
    アナフィラキシーショックでは、血管拡張による血圧低下が起きる。
  3. 出血性ショック
    出血性ショックでは、循環血液量が減少する。末梢血管抵抗は低下しない。
  4. 肺動脈塞栓症に伴うショック
    肺動脈塞栓症に伴うショックでは、心拍出量が減少する。末梢血管抵抗は低下しない。

それぞれのショックの症状と経過を整理しておこう。

抗原がIgEと結合するのはどれか。(第98回)

①接触皮膚炎
②血液型不適合輸血
③全身性エリテマトーデス
④アナフィラキシーショック

  1. 接触皮膚炎
    化粧品・ニッケルなどの金属・ウルシなどによる接触皮膚炎はⅣ型アレルギーで、抗原によって感作されたT細胞によって引き起こされる。
  2. 血液型不適合輸血
    血液型不適合輸血はⅡ型アレルギーになり、IgG抗体とIgM抗体が関与する。
  3. 全身性エリテマトーデス
    全身性エリテマトーデス(SLE)はⅢ型アレルギーで、免疫複合体による全身・局所の傷害反応である。
  4. アナフィラキシーショック
    アナフィラキシーショックはⅠ型アレルギーである。化学伝達物質による即時型反応であり、抗原はIgEと結合する。

免疫反応のうち病的なものをアレルギーといい、Ⅰ型アレルギーからⅣ型アレルギーに分類される。抗原がIgE抗体と結合するのはⅠ型アレルギーである。

肺拡散能に影響を与えるのはどれか。(第95回)

①肺胞表面積
②気道抵抗
③死腔換気量
④残気量

  1. 肺胞表面積
    肺胞表面積が減ると毛細血管と接するガス交換の場が減り、肺拡散能は低下して影響を受ける。
  2. 気道抵抗
    気道抵抗は空気の流速に影響するが、肺拡散能には影響しない。
  3. 死腔換気量
    死腔換気量は肺胞換気量に影響を及ぼすが、肺拡散能には影響しない。
  4. 残気量
    残気量は最大限の呼息を行っても肺内に残っている空気量で、肺拡散能には影響しない。

肺拡散能とは、肺胞においてそれを取り巻く毛細血管内の血液との間でガスを移動させる能力をいう。

胸膜腔に存在するのはどれか。(第110回)

①滑 液
②空 気
③血 液
④漿 液
⑤粘 液

  1. 滑 液
    滑液は滑膜から分泌される。滑膜は関節腔などの内面を覆っており、関節腔内に存在する。
  2. 空 気
    空気が胸膜腔に入ると肺が縮み、気胸となる。
  3. 血 液
    血液は心臓や血管内にあり、胸膜腔には存在しない。
  4. 漿 液
    漿液は胸膜腔に胸膜液、心膜腔に心膜液、腹膜腔に腹膜液として存在する。
  5. 粘 液
    粘液は口腔粘膜や胃粘膜、腸粘膜といった粘膜を保護し、潤滑剤としてはたらくが、胸膜腔には存在しない。

胸膜は漿膜で、胸郭の内面を覆う壁側胸膜と肺の表面を覆う臓側胸膜(肺胸膜)がある。両者に挟まれた空間を胸膜腔といい、そのなかに胸膜から分泌された漿液(胸膜液)がある。

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