新卒・既卒看護師募集!当院で一緒に働きませんか?

見学・応募・資料請求
地図・アクセス
採用イベント
国家試験対策問題
トップページ

第47回

中途視覚障害者の歩行訓練で適切なのはどれか。

①白杖の先端は、つま先の直前になるように位置する。
②手引き歩行では、誘導者の肘の上を片手で軽く握る。
③壁に伝い歩きをする時は、肩を壁面にすべらせて歩く。
④顔の高さに障害物がある時は、手のひらで顔を覆って歩く。

  1. 白杖の先端は、つま先の直前になるように位置する。
    白杖は身体の約2歩前方に位置させ、肩幅よりやや広めに左右に振って歩くようにする。
  2. 手引き歩行では、誘導者の肘の上を片手で軽く握る。
    手引き歩行では、誘導者の肘の上を片手で軽く握ることが適切である。これにより、視覚障害者は誘導者の半歩後ろを歩くことになり安心できる。
  3. 壁に伝い歩きをする時は、肩を壁面にすべらせて歩く。
    壁に伝い歩きをするときは、片手で壁を触れながら歩く。
  4. 顔の高さに障害物がある時は、手のひらで顔を覆って歩く。
    顔の高さに障害物があるときは、防御するほうの肘を100〜120度に曲げて肩の高さまで上げ、指先が反対側の肩の延長線上にあるように内転させて防御する。

視覚障害者がストレスなく安全に歩行できる方法を考えると解答できる。

トータルペインで適切なのはどれか。(第96回)

①全人的苦痛としてとらえる。
②がん患者以外には適用しない。
③スピリチュアルペインは含まない。
④鎮痛薬でコントロールできるものが対象である。

  1. 全人的苦痛としてとらえる。
    トータルペインは、全人的苦痛としてとらえる。
  2.  がん患者以外には適用しない。
    トータルペインは、がん患者以外にも予後不良の患者などにも適用する。
  3. スピリチュアルペインは含まない。
    トータルペインには、スピリチュアルペインが含まれる。
  4. 鎮痛薬でコントロールできるものが対象である。
    トータルペインは、鎮痛薬でコントロールできるものが対象という定義ではない。

トータルペインとは、がんの末期患者や予後不良の患者などが体験する全人的苦痛のことである。身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインの要因を多方面でとらえる概念である。

終末期がん患者にみられる悪液質の徴候はどれか。2つ選べ。(第109回)

①末梢神経障害
②リンパ浮腫
③がん疼痛
④食欲不振
⑤体重減少

  1. 末梢神経障害
    終末期のがんの悪液質によって末梢神経障害は生じない。
  2. リンパ浮腫
    終末期のがん患者の悪液質で浮腫が生じることがあるが、リンパ性の浮腫ではなく低アルブミン血症などによるものである。
  3. がん疼痛
    がん疼痛は悪液質の症状ではない。
  4. 食欲不振
    がんが進行すると通常の栄養サポートを行っても回復せず、食欲不振、体重減少、筋肉の減少(脂肪組織も減少することが多い)、低アルブミン血症、貧血などをきたす。
  5. 体重減少
    解説[4]のとおり、食欲不振、体重減少をきたす。

がん悪液質とはがんが増殖を続け、食欲不振に加えて栄養ががんに取られてしまい、身体に栄養が回らなくなった状態である。飢餓(絶食)も体重の減少を伴うが、がん悪液質では骨格筋の分解が進み、安静時のエネルギー消費が亢進する点が異なる。

放射線療法について正しいのはどれか。(第106回)

①Gyは吸収線量を表す。
②主に非電離放射線を用いる。
③電子線は生体の深部まで到達する。
④多門照射によって正常組織への線量が増加する。

  1. Gyは吸収線量を表す。
    Gyは、人体や物体が単位質量当たりに放射線から受けるエネルギー量を示す単位であり、吸収線量と呼ばれる。
  2. 主に非電離放射線を用いる。
    放射線療法では主にX線やγ線などの電離放射線を用いる。
  3. 電子線は生体の深部まで到達する。
    電子線は粒子線なので浸透力には限界があり、皮膚表面に絞って高い線量を照射できることから、皮膚癌など治療に使用される。
  4. 多門照射によって正常組織への線量が増加する。
    多門照射は、1つの癌に対し二方向以上から線束を集中させて照射する方法のことをいい、正常組織への線量を減少させることができる。

癌の放射線療法に使用されるのは、X線、γ線、電子線などである。X線、γ線は電離放射線である。電子線は粒子線なので浸透力には限界がある。

気管支鏡検査で正しいのはどれか。(第98回)

①検査の1時間前まで飲食できる。
②検査中、会話はできる。
③検査中、義歯は装着したままで良い。
④検査後、2時間は絶飲食とする。

  1. 検査の1時間前まで飲食できる。
    食事は検査前日の就寝時から禁食とし、飲水は2~3時間前までとされている。
  2. 検査中、会話はできる。
    気管支鏡検査は気管内にカメラを挿入するため会話はできない。
  3. 検査中、義歯は装着したままで良い。
    気管支鏡検査では、気管内にカメラを挿入するため、義歯が外れ気管内に落ちてしまう危険や、義歯を破損してしまう恐れがあるため検査中は外す。
  4. 検査後、2時間は絶飲食とする。
    検査後、咽頭部は局所麻酔が効いている状態であるため、麻酔が覚める約2時間は絶飲食とする。

気管支鏡検査の一連の流れを理解しておこう。

23歳の男性。突然の胸痛と呼吸困難のため受診し、自然気胸と診断された。1週間安静にして様子をみていたが改善しないため入院した。胸腔ドレーンが挿入され、水封式装置につないでドレナージが開始された。 胸腔ドレナージ施行中の看護で適切なのはどれか。(第98回)

①水封室の連続的気泡を観察する。
②吸引圧調節ボトル内の水は無菌的に取り扱う。
③排液ボトルは1日3回交換する。
④移動時は排液ボトルを挿入部よりも高く保つ。

  1. 水封室の連続的気泡を観察する。
    水封室にみられる連続的気泡はエアリークがあることを示している。エアリークは胸腔内に空気が漏れていることであるため、頻繁にエアリークがあるようであれば医師に報告する。
  2. 吸引圧調節ボトル内の水は無菌的に取り扱う。
    吸引圧調節ボトル内の水は清潔に扱うべきではあるが、無菌的に取り扱う必要はない。
  3. 排液ボトルは1日3回交換する。
    胸腔ドレナージは閉鎖式ドレーンであり、低圧で持続的に吸引もしていることから1日3回交換する必要はない。
  4. 移動時は排液ボトルを挿入部よりも高く保つ。
    移動時は排液ボトルを挿入部よりも高く保つと一度体外に排出された排液が体内に再度戻る危険がある。これは感染源となるため、移動時は排液ボトルを挿入部よりも低く保つ。

胸腔ドレーンの仕組みを理解しておこう。

23歳の男性。突然の胸痛と呼吸困難のため受診し、自然気胸と診断された。1週間安静にして様子をみていたが改善しないため入院した。胸腔ドレーンが挿入され、水封式装置につないでドレナージが開始された。
患者は「しばらく風呂に入っていないので気持ちが悪い」と言った。対応で最も適切なのはどれか。(第98回改変)

①全身清拭
②上半身のシャワー浴
③全身シャワー浴
④入 浴

  1. 全身清拭
    このなかでは最も適切である。ただし、胸腔ドレナージ実施中の患者でもドレーン挿入部に気をつければ、下半身のシャワー浴や手浴、足浴、洗髪は問題なくできることが多い。「しばらく風呂に入っていないので気持ちが悪い」という訴えがあることから、より爽快感を得られる下半身のシャワー浴や洗髪を適宜組み合わせて行うとよい。
  2. 上半身のシャワー浴
    上半身のシャワー浴は、ドレーン挿入部が濡れてしまうことで感染を引き起こすおそれがあり、適切ではない。
  3. 全身シャワー浴
    胸腔ドレナージ実施中の患者は感染予防の観点から全身シャワー浴は実施できない。
  4. 入 浴
    胸腔ドレナージ実施中の患者は感染予防の観点から入浴はできない。

胸腔ドレナージを挿入している患者の日常生活における注意を理解しておこう。

嚥下障害を評価する水飲みテストで正しいのはどれか。(第98回)

①嚥下第3期を評価する。
②100mLの白湯を飲みほすのに要する時間を測定する。
③むせずに飲水できた場合には誤嚥はない。
④口角からの流出の有無を観察する。

  1. 嚥下第3期を評価する。
    水飲みテストでは、嚥下の第3期(口腔期)〜第5期(食道期)に至る過程を評価する。
  2. 100mLの白湯を飲みほすのに要する時間を測定する。
    水飲みテスト(窪田の方法)では、30mLの冷水を嚥下させ、かかった時間のほか、飲む際のエピソードも合わせて評価する。飲みほす時間だけを測定するテストではない。
  3. むせずに飲水できた場合には誤嚥はない。
    水飲みテストは、むせずに飲水できた場合に誤嚥はないと判断するものではない。
  4. 口角からの流出の有無を観察する。
    水飲みテストでは、むせの有無などの飲む際のエピソードも合わせて観察・評価するため、口角からの水の流出の有無を観察することは正しい。

嚥下運動は、第1期(先行期)、第2期(準備期)、第3期(口腔期)、第4期(咽頭期)、第5期(食道期)に分かれている。水飲みテストは嚥下障害のスクリーニングのために行われる。

ベーチェット病にみられる症状はどれか。(第97回)

①真珠腫
②粘液水腫
③はばたき振戦
④口腔内アフタ性潰瘍

  1. 真珠腫
    真珠腫は中耳炎を引き起こす炎症性疾患である。
  2. 粘液水腫
    粘液水腫は眼瞼、鼻、頬、口唇、四肢の皮膚、手掌、足底等に浮腫、体毛の脱毛がみられるもので、甲状腺機能低下症に続発する疾患である。
  3. はばたき振戦
    はばたき振戦は、肝性脳症のときにみられる症状である。
  4. 口腔内アフタ性潰瘍
    口腔内アフタ性潰瘍はベーチェット病でみられる症状である。

ベーチェット病では口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、結節性紅斑、虹彩毛様体炎、網膜ぶどう膜炎、外陰部潰瘍などがある。

ビタミンB1の欠乏で生じるのはどれか。(第100回)

①夜盲症
②壊血病
③くる病
④脚 気

  1. 夜盲症
    夜盲症はビタミンAの欠乏で生じる。
  2. 壊血病
    壊血病はビタミンCの欠乏で生じる。
  3. くる病
    くる病はビタミンDの欠乏によって生じる。
  4. 脚 気
    脚気はビタミンB1の欠乏で生じる。

ビタミンB1の欠乏で生じるのは、主に、脚気、ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群である。

高尿酸血症で正しいのはどれか。(第103回追試)

①尿はアルカリ性になる。
②初期症状は痛風結節である。
③尿酸はプリン体の代謝産物である。
④リンの摂取を控えることで症状が軽減する。

  1. 尿はアルカリ性になる。
    高尿酸血症では、酸性尿を呈することが多い。
  2. 初期症状は痛風結節である。
    痛風結節とは、尿酸塩を中心とした肉芽細胞のことで慢性結節性痛風とも呼ぶ。初期症状ではない。
  3. 尿酸はプリン体の代謝産物である。
    尿酸はプリン体の代謝産物である。
  4. リンの摂取を控えることで症状が軽減する。
    プリン体の摂取を控えることで症状が軽減する。ただし、最近は外因性のプリン体の影響は少ないといわれており、食事療法、飲酒制限、運動の推奨などの生活指導が中心となってきている。

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が正常よりも高い状態をいう。尿酸値が高くなる原因には、腎臓からの排泄の低下、尿酸産生の増加、プリン体摂取量の増加がある。尿酸が増えると体内で結晶をつくり、足の親指の付け根に形成され、激烈な痛みや発赤、腫れなどの炎症反応を引き起こす。これが痛風と呼ばれる病態である。

体重増加をきたしやすいのはどれか。(第98回)

①褐色細胞腫
②アジソン病
③バセドウ病
④インスリノーマ

  1. 褐色細胞腫
    褐色細胞腫は副腎髄質から発生する腫瘍である。血圧が変動しやすくなり、頭痛、動悸、嘔気、発汗、体重減少などの症状がある。
  2. アジソン病
    アジソン病とは、慢性副腎皮質機能低下症といわれ、副腎皮質ホルモンの不足により、易疲労感、 全身倦怠感 、脱力感、筋力低下、体重減少、低血圧などがみられる疾患である。
  3. バセドウ病
    バセドウ病とは、甲状腺機能亢進症の一種である。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることにより、易疲労感、発汗、体重減少、下痢、動悸、頻脈、不眠、イライラするといった症状が出る。
  4. インスリノーマ
    インスリノーマでは、低血糖症状である、めまい、空腹、脱力、振戦、発汗などの症状が出現する。空腹時に症状が現れることから患者は予防的に頻繁に食べるようになり、その結果体重増加につながる。

インスリノーマとは、膵臓に発生する腫瘍であり、血糖値に関係なくインスリンを分泌する。患者は低血糖状態となる。

ネフローゼ症候群で必ずみられるのはどれか。(第99回)

①血 尿

②体重減少
③低蛋白血症
④低コレステロール血症

  1. 血 尿
    ネフローゼ症候群では血尿はみられない。
  2. 体重減少
    ネフローゼ症候群では、全身の浮腫により体重は増加する。
  3. 低蛋白血症
    ネフローゼ症候群では、糸球体の毛細血管に機能障害が起こり、蛋白質が尿中に漏出し、血中の蛋白質も減少してしまう。よって低蛋白血症が必ずみられる。
  4. 低コレステロール血症
    ネフローゼ症候群では低コレステロール血症はみられない。

ネフローゼ症候群とは、尿中に蛋白質が漏出し、血中の蛋白質が減少してしまうことで全身の浮腫が起こるという一連の症候をいう。糸球体の毛細血管に機能障害が起こり、蛋白質が尿中に漏出するようになる。

一次脱水でみられるのはどれか。(第105回)

①尿量の減少
②血漿浸透圧の低下
③バソプレシンの分泌の抑制
④血漿ナトリウムイオン濃度の低下

  1. 尿量の減少
    水欠乏により血漿浸透圧が上昇するため、バゾプレシンの分泌が亢進し、その結果尿量は減少する。
  2. 血漿浸透圧の低下
    一次脱水では血漿浸透圧は(見掛け上)上昇する。
  3. バソプレシンの分泌の抑制
    一次脱水ではバソプレシンの分泌が亢進する。
  4. 血漿ナトリウムイオン濃度の低下
    一次脱水ではナトリウムイオン濃度は(見掛け上)上昇する。

脱水は2つのタイプ(水欠乏性とナトリウム欠乏性)に分けられる。一次脱水は前者である。もうこれ以上の水喪失は困るのでバソプレシン分泌が亢進し水の再吸収に努める。当然尿量は減る。

低血糖時の症状はどれか。(第108回)

①発 疹
②徐 脈
③冷 汗
④多幸感

  1. 発 疹
    発疹は低血糖時の症状ではない。
  2. 徐 脈
    徐脈は低血糖時の症状ではない。
  3. 冷 汗
    冷汗は低血糖時には現れる症状の1つである。
  4. 多幸感
    多幸感は低血糖時の症状ではない。

低血糖症状は血糖値が低くなるときの症状で、50mg/dLを下回ると出現しやすくなる。低血糖症状には、冷汗や手指の振戦、動悸、不安感、顔面蒼白、頻脈、頭痛、空腹感、生あくび、目のかすみなどがある。血糖値が25mg/dLを下回ると傾眠や昏睡状態となる。

テタニーと関連するのはどれか。(第103回追試)

①低カリウム血症
②低アルブミン血症
③低ナトリウム血症
④低カルシウム血症

  1. 低カリウム血症
    低カリウム血症では、筋力低下、筋肉のけいれん、麻痺、不整脈を起こす。
  2. 低アルブミン血症
    低アルブミン血症では浮腫・腹水が起こる。
  3. 低ナトリウム血症
    低ナトリウム血症では、反応の鈍化、嗜眠、意識障害といった脳機能障害の症状が起こる。
  4. 低カルシウム血症
    低カルシウム血症はテタニーを引き起こす原因となる。

テタニー(硬直性けいれん)は血液中のカルシウムの減少が原因で起こる。副甲状腺ホルモンの分泌や作用が低下する、副甲状腺機能低下症が原因のこともある。

下垂体ホルモンの分泌低下により生じるのはどれか。2つ選べ。(第104回)

①性早熟症
②低身長症
③先端巨大症
④Sheehan〈シーハン〉症候群
⑤Cushing〈クッシング〉症候群

  1. 性早熟症
    性早熟症は、下垂体前葉からのゴナドトロピンの分泌増加によって起こる。
  2. 低身長症
    低身長症は下垂体前葉からの成長ホルモンの分泌低下によって起こる。
  3. 先端巨大症
    先端巨大症は下垂体前葉からの成長ホルモンの過剰分泌により起こる。
  4. Sheehan〈シーハン〉症候群
    シーハン症候群は下垂体の壊死により、一種以上の下垂体ホルモンの分泌低下、または欠失によって起こる。
  5. Cushing〈クッシング〉症候群
    下垂体前葉からのACTHホルモンは、副腎を刺激してコルチゾールなどのホルモンの産生を増加させるが、何らかの異常によってコルチゾールが過剰に分泌されてしまうとクッシング症候群が起こる。

下垂体前葉では、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン(ゴナドトロピン)、プロラクチンなどが分泌される。また下垂体後葉では、バソプレシン、オキシトシンが分泌される。

所見と病態の組合せで正しいのはどれか。(第102回)

①Raynaud〈レイノー〉現象 ― 四肢末端の虚血
②頸静脈の怒張 ― 左心系の循環障害
③全身性浮腫 ― リンパ管の還流障害
④チアノーゼ ― 還元ヘモグロビンの減少
⑤上室性期外収縮 ― 心室から発生する異所性興奮

  1. Raynaud〈レイノー〉現象 ― 四肢末端の虚血
    レイノー現象とは、何らかの原因で手足の指先の小動脈が収縮して、一過性に血流が悪くなることをいう。全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、シェーグレン症候群などでみられる。
  2. 頸静脈の怒張 ― 左心系の循環障害
    頸静脈の怒張がみられるのは右心系の循環障害である。
  3. 全身性浮腫 ― リンパ管の還流障害
    リンパ管の還流障害で生じるのは局所性浮腫である。
  4. チアノーゼ ― 還元ヘモグロビンの減少
    チアノーゼは酸素と結合していない還元ヘモグロビンの割合が増えることで生じる。
  5. 上室性期外収縮 ― 心室から発生する異所性興奮
    上室性期外収縮とは、心房から発生する異所性興奮をいう。

典型的な症状と、症状を起こす原因をしっかり組み合わせて覚えておく必要がある。

貧血で正しいのはどれか。(第99回)

①再生不良性貧血では易感染性がみられる。
②溶血性貧血では直接ビリルビンが増加する。
③鉄欠乏性貧血では血清フェリチンが増加する。
④悪性貧血では通常赤血球以外の血球系は保たれる。

  1. 再生不良性貧血では易感染性がみられる。
    再生不良性貧血では、好中球の減少が起こり、易感染性がみられる。
  2. 溶血性貧血では直接ビリルビンが増加する。
    ヘモグロビンをビリルビンに変換する肝臓の能力を超えたとき、高間接ビリルビン血症が起こる。
  3. 鉄欠乏性貧血では血清フェリチンが増加する。
    鉄欠乏性貧血では、貯蔵鉄である血清フェリチンが減少する。
  4. 悪性貧血では通常赤血球以外の血球系は保たれる。
    悪性貧血では、赤血球以外にも血小板、白血球も減少する。

再生不良性貧血では汎血球減少をきたすため、好中球の減少がみられる。好中球が減少すると感染しやすくなる。

アレルギー性接触皮膚炎で正しいのはどれか。(第96回)

①水疱はできない。
②金属によるものは冬に症状が強い。
③スクラッチテストで原因を検索する。
④原因物質に接触した部位に限局して起こる。

  1. 水疱はできない。
    水疱が生じることもある。
  2. 金属によるものは冬に症状が強い。
    金属によるものは季節に関係なく、アレルギー反応の強さで症状の強さが変わる。
  3. スクラッチテストで原因を検索する。
    スクラッチテストはⅠ型アレルギーの検査で用いられる。アレルギー性接触皮膚炎ではパッチテストが用いられる。
  4. 原因物質に接触した部位に限局して起こる。
    アレルギー性接触皮膚炎は原因物質との接触部位に限局して起こる。

アレルギー性接触皮膚炎は、Ⅳ型アレルギーによって引き起こされる。

PAGE TOP