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第50回

訪問看護の利用者の特徴として正しいのはどれか。(第102回)

①年齢は65~69歳が最も多い。
②要介護度は要支援2が最も多い。
③脳血管疾患を含む循環器系疾患が最も多い。
④介護保険よりも医療保険によるサービス受給者が多い。

  1. 年齢は65~69歳が最も多い。
    訪問看護ステーション利用者数をみると、80~89歳が最も多い。
  2. 要介護度は要支援2が最も多い。
    前述したとおり、要介護2が最も多い。次いで要介護1である。
  3. 脳血管疾患を含む循環器系疾患が最も多い。
    脳血管疾患を含む循環器系疾患が最も多い。次いでパーキンソン病などの神経系の疾患が多い。
  4. 介護保険よりも医療保険によるサービス受給者が多い。
    訪問看護ステーションの介護保険・医療保険の種別利用者は介護保険が約70%で、医療保険が約30%である。

「平成28年介護サービス施設・事業所調査」によると、訪問看護利用者数は年々増加している。要介護度別では要介護2・要介護1の認定者が多く、年齢別では65歳以上の高齢者が8割以上を占めている。

在宅看護の原則として正しいのはどれか。(第101回)

①療養者の自己決定を尊重する。
②日常のケアは看護師が中心に行う。
③居室の環境整備は医療者の意向を優先する。
④介護保険の導入は介護支援専門員が決定する。

  1. 療養者の自己決定を尊重する。
    在宅看護においては、特に自己決定を支援する能力が看護師に求められる。最も大切にすべきである。
  2. 日常のケアは看護師が中心に行う。
    日常のケアは家族が中心になる。
  3. 居室の環境整備は医療者の意向を優先する。
    居室は、療養者の生活の場である。療養者および家族の意向が優先される。
  4. 介護保険の導入は介護支援専門員が決定する。
    介護保険を導入するか否かは療養者および家族が決定する。

在宅看護は療養者および家族のQOL向上をめざして行うことを忘れないようにしたい。

保健行動を促す援助はどれか。(第96回)

①知識の程度を点数化する。
②情報は一括して提示する。
③本人の自己決定を支援する。
④目標の達成度を集団で競わせる。

  1. 知識の程度を点数化する。
    一時的な動機づけにはなっても、長く続かない。
  2. 情報は一括して提示する。
    情報は必要時に必要なものを提示するのが効果的である。
  3. 本人の自己決定を支援する。
    本人がその必要性を理解して行動につなげるために自己決定支援が大切である。
  4. 目標の達成度を集団で競わせる。
    競争心は一時的なもので、外的な動機づけに位置づけられる。

保健行動を促すには、自らがその必要性を理解して行動につなげられる内的動機づけが大切で、外的動機づけ(賞罰など周りの刺激による動機づけ)より効果的である。

脳梗塞の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者。家族への食事介助の指導で適切なのはどれか。(第99回)

①嚥下食に寒天は用いない。
②食塊は左側の口腔内へ入れる。
③嚥下の際にむせがなければ誤嚥はない。
④ベッドの頭側挙上の角度は20度とする。

  1. 嚥下食に寒天は用いない。
    寒天はゼラチンと違い凝固力が強く、かまずにそのまま飲み込むと溶けないので、食道を通過できないこともある。嚥下障害がある場合は避ける。
  2. 食塊は左側の口腔内へ入れる。
    食事介助は健側から口に入れるとよい。左片麻痺なので右側からがよい。
  3. 嚥下の際にむせがなければ誤嚥はない。
    むせていなくても誤嚥している場合もある(不顕性誤嚥)。むせがないからといって誤嚥がないと判断するのは適切でない。
  4. ベッドの頭側挙上の角度は20度とする。
    嚥下困難の患者の食事介助は嚥下しやすい90度坐位、ファウラー位で介助する。

左片麻痺と嚥下障害のある患者の食事指導を家族に行う。

意識レベルが低下した片麻痺の患者の口腔ケアを在宅で実施する家族への説明で正しいのはどれか。(第101回)

①「舌苔には触れないでください」
②「口腔ケアは肺炎の予防になります」
③「入れ歯は装着したままでいいですよ」
④「麻痺側を下にした横向きでケアをしましょう」

  1. 「舌苔には触れないでください」
    舌苔には細菌などが多く含まれるため、誤嚥性肺炎を防ぐためにもケアが必要である。スポンジブラシなどを使用して少しずつでも舌苔を除去したい。
  2. 「口腔ケアは肺炎の予防になります」
    誤嚥性肺炎は、口腔内の雑菌などを寝ている間に自覚のないままに誤嚥してしまうことで起こる。したがって口腔ケアは重要である。
  3. 「入れ歯は装着したままでいいですよ」
    意識障害のある患者では入れ歯は外すことも検討したい。同時に口腔ケア時は、外せる入れ歯があれば、取り外して行う。
  4. 「麻痺側を下にした横向きでケアをしましょう」
    麻痺側は上にしてケアをする。

意識障害がある対象の口腔ケアは誤嚥性肺炎予防のため重要性が高い。

訪問看護師が行う在宅療養者への清潔ケアで適切なのはどれか。(第103回追試)

①家族がいないときは、療養者のプライバシーへの配慮は不要である。
②療養者の清潔習慣を尊重しながら方法を検討する。
③使い捨てのタオルを新しく購入してもらう。
④訪問時は毎回全身の清潔ケアを行う。

  1. 家族がいないときは、療養者のプライバシーへの配慮は不要である。
    家族がいなくても療養者のプライバシー保護は大切である。
  2. 療養者の清潔習慣を尊重しながら方法を検討する。
    パーソナルケアであり、療養者の清潔習慣や意向を確認しながら実施することが大切である。
  3. 使い捨てのタオルを新しく購入してもらう。
    療養者の専用のタオルを使用すればよい。使い捨てタオルの購入は経済的な負担にもなる。
  4. 訪問時は毎回全身の清潔ケアを行う。
    療養者の状態に応じて、全身清拭か、部分清拭か、部分浴か選択する。

清潔ケアはパーソナルケアである。療養者の意向を尊重し、プライバシーに配慮しつつ、状態に合わせて実施する。

在宅で訪問看護師が行う要介護者の入浴に関する援助で適切なのはどれか。(第106回)

①入浴前後に水分摂取を促す。
②浴室の換気は入浴直前に行う。
③浴槽に入っている間に更衣の準備をする。
④入浴前の身体状態の観察を家族に依頼する。

  1. 入浴前後に水分摂取を促す。
    入浴は水分を喪失する。特に、高齢者は脱水を起こすリスクが高くなる。入浴前後の水分補給は重要である。
  2. 浴室の換気は入浴直前に行う。
    脱衣場と浴室の温度差は血圧上昇因子になる。冬期においては入浴直前に換気すると浴室の温度は下がる。急激な温度差が血圧の変動につながりヒートショックを起こす危険性がある。換気は早めにして、その後浴室は温めておくのがよい。
  3. 浴槽に入っている間に更衣の準備をする。
    浴槽に浸かっているときの循環動態の観察は大切であるので、その場を離れないようにする。更衣の準備は事前にしておくか、家族に依頼することもできる。
  4. 入浴前の身体状態の観察を家族に依頼する。
    看護師が入浴介助をする目的の1つでもある身体状態の観察は、家族に依頼してはいけない。

訪問看護師が在宅で入浴介助をするときの役割は、浴室内の安全管理と病態の変化の観察である。

自力で動けない人の他動運動の目的で適切なのはどれか。(第99回)

①心筋酸素消費量の抑制
②消化管運動の抑制
③関節の拘縮予防
④肥満の予防

  1. 心筋酸素消費量の抑制
    自分で運動していないので、心筋の酸素消費量はほとんど増加はしない。なお、心筋酸素消費量を抑制するには安静臥床が効果的である。
  2. 消化管運動の抑制
    自分で運動していないので、消化管運動が亢進する状況とはいえない。なお、消化管運動を抑制するには絶食などが効果的である。
  3. 関節の拘縮予防
    他動運動により関節を動かすことができるので、関節拘縮の予防につながる。
  4. 肥満の予防
    肥満の予防には消費カロリーを上げることが重要である。他動運動では消費カロリーをほとんど上げることはできない。

他動運動は、身体の部位を他者が用手的に、または器具などを使って動かすことである。関節拘縮予防、関節可動域の維持・拡大のために行う。

Aさん(65歳、女性)は、夫と実父との3人暮らしである。脊柱管狭窄症の術後、地域包括ケア病棟に入院中である。退院後は自宅に戻り室内で車椅子を利用する予定である。Aさんの障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-1である。看護師による家族への指導で最も適切なのはどれか。(第106回)

①家族の生活習慣を中心に屋内環境を整備する。
②夜間の車椅子によるトイレへの移動は制限する。
③退院後の生活の課題に応じて福祉用具を選定する。
④ベッドから車椅子への移動介助にリフトの導入を勧める。

  1. 家族の生活習慣を中心に屋内環境を整備する。
    Aさんは車椅子での生活になる。屋内環境は、家族の生活習慣中心ではなく、Aさんの車椅子での生活を考慮して、一部変化させる必要がある。
  2. 夜間の車椅子によるトイレへの移動は制限する。
    Aさんは日常生活自立度判定基準B-1であることから、車椅子からトイレへの移乗は自立している。夜間の安全面に配慮しつつ、ADLを縮小しないためにトイレ移動を行うほうがよい。
  3. 退院後の生活の課題に応じて福祉用具を選定する。
    車椅子での生活になり、Aさんの状態に合わせて、手すりやスロープ、入浴補助用具などの福祉用具を選定する必要がある。
  4. ベッドから車椅子への移動介助にリフトの導入を勧める。
    Aさんは日常生活自立度判定基準はB-1である。車椅子には移乗できるので、リフトの導入は不要である。

障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1は屋内の生活になんらかの介助を要し、車椅子に移乗し、食事・排泄はベッドから離れて行える状態である。この状態を理解して、家族指導を考えたい。

Aさん(55歳、男性)は、妻と2人暮らし。建築士として主にデスクワークの仕事を行っていた。脊髄損傷のため下半身の不完全麻痺となり、リハビリテーション専門の病院へ転院した。電動車椅子を用いて室内の動作は自立できるようになった。退院調整部門の看護師との面接でAさんから「元の職場に戻りたい」と話があった。Aさんの自己決定を支援する看護師の助言で適切なのはどれか。(第109回)

①「元の職場の仕事を在宅勤務に変更しましょう」
②「デスクワークなので職場復帰は可能と思います」
③「職場復帰にあたりAさんが課題と思うことを整理しましょう」
④「元の職場にこだわらずAさんの障害にあった職場を探しましょう」

  1. 「元の職場の仕事を在宅勤務に変更しましょう」
    勤務形態の変更は看護師が決めるものではない。
  2. 「デスクワークなので職場復帰は可能と思います」
    どのように職場復帰ができるかは、Aさん本人と会社側との相談次第である。
  3. 「職場復帰にあたりAさんが課題と思うことを整理しましょう」
    Aさんの職場復帰の課題をこの時点で整理する。その中で健康上の課題には看護師による具体的な支援が可能である。
  4. 「元の職場にこだわらずAさんの障害にあった職場を探しましょう」
    看護師の判断よりも、まずはAさん本人の希望を大切にする。

Aさんの気持ちを大切にするとともに看護師の役割はどこまでかを考えたい。

ターミナル期にある療養者の家族に対する予期的悲嘆への援助で適切なのはどれか。(第97回)

①混乱している時は積極的に励ます。
②予想される身体的変化は説明しない。
③感情を表出することがよいと伝える。
④最後の別れには触れないようにする。

  1. 混乱している時は積極的に励ます。
    混乱しているときには苦しい気持ちを傾聴し見守り、安心できる環境を整えるのがよい。積極的な励ましは、逆効果になることが多い。
  2. 予想される身体的変化は説明しない。
    死を受容する過程であるので、今後の現実を受け止められるように、身体的変化を説明するのは大切なことである。
  3. 感情を表出することがよいと伝える。
    不安、悲しみ、絶望などさまざまな感情が生じる。それを認めて表出できるようにするのが、予期的悲嘆へのケアになる。
  4. 最後の別れには触れないようにする。
    現実の受け止めを促すようなかかわりが大切で、現実に起こる死に向き合えるように支えることが重要である。

予期的悲嘆とは、本人あるいは家族の死を予期したときに生じる悲嘆反応のことをいう。予期される死に関する思考や感情、文化的・社会的反応で、本人とその家族が感じるものすべてを含む。

Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。(第108回)

①「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」
②「副作用が出てから対応を考えましょう」
③「会社の健康管理部門に相談しましょう」
④「有給休暇を使って治療を受けましょう」

  1. 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」
    部署変更を上司と相談する、という助言は、職場の役割や事情に関することで外来看護師の助言の範囲を超えている。
  2. 「副作用が出てから対応を考えましょう」
    副作用が出現してから考えるのではなく、おそらく出現するであろう副作用について、事前に対応を考えておく必要がある。
  3. 「会社の健康管理部門に相談しましょう」
    外来看護師が助言すべきことは健康上の相談をどこにするか、ということである。会社の健康管理部門は、職員の健康診断や健康相談を行う部門のため、適切な相談先である。
  4. 「有給休暇を使って治療を受けましょう」
    仕事を継続したいという相談である。適切な助言とはいえない。

Aさんの相談内容「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」に注目する。外来看護師としてできる助言の範囲を認識したい。

在宅人工呼吸療法中の患者の家族への指導内容で適切でないのはどれか。(第95回)

①人工呼吸器の設定値変更の判断

②アンビューバッグの使用方法
③人工呼吸器の回路交換時期
④痰の吸引手技

  1. 人工呼吸器の設定値変更の判断
    人工呼吸器の設定値は医師の指示である。家族の判断で設定変更してはいけない。生命にかかわる事態も予測される。
  2. アンビューバッグの使用方法
    アンビューバッグはマスクを使って、患者の口・鼻から他動的に換気をするための医療機器である。緊急時の対応として、家族にも使用できるように指導する必要がある。
  3. 人工呼吸器の回路交換時期
    回路交換は定期的に交換する必要はない。目に見えた汚れや破損などで異常を示すアラームが鳴るような場合に交換する。そのことを家族にも伝えておくとよい。
  4. 痰の吸引手技
    人工呼吸器を使用する患者は自分で痰の喀出ができないと同時に喀痰が多くなる病態であり、吸引は必須のケアである。家族がその手技を習得しておくことが必要である。

在宅人工呼吸療法は、筋疾患や呼吸器疾患で自力で肺換気が行えない者が対象になり、家族の協力は不可欠である。したがって、家族でできることは指導しておく必要がある。

在宅酸素療法について正しいのはどれか。(第103回追試)

①酸素濃縮器は寝室に常設する。
②酸素を吸入しながら入浴できる。
③酸素流量は療養者が自覚症状に合わせて調整する。
④外出できない療養者には携帯型酸素ボンベは必要ない。

  1. 酸素濃縮器は寝室に常設する。
    屋内の移動を考えて、最も動きやすい場所に設置するのがよい。
  2. 酸素を吸入しながら入浴できる。
    酸素は火気厳禁であるが、酸素供給器から2m離れれば火気を使ってもよいとされている。酸素供給器からチューブを延ばして入浴するとよい。
  3. 酸素流量は療養者が自覚症状に合わせて調整する。
    在宅酸素療法を受ける対象はⅡ型呼吸不全の患者が多い。そのためCO2ナルコーシスに注意が必要である。酸素流量は医師の指示を厳守する。
  4. 外出できない療養者には携帯型酸素ボンベは必要ない。
    酸素ボンベは、外出時だけでなく、停電などで酸素供給器が使えない場合なども考えられるので必要である。

在宅酸素療法の管理に関する知識を確認しよう。

褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。(第95回)

①バーセル・インデックス
②ブレーデン・スケール
③グラスゴー・コーマ・スケール
④カッツ・インデックス

  1. バーセル・インデックス
    バーセル・インデックス(BI)は日常生活動作(ADL)の評価法で、介護度の軽減度合いを評価する指標として用いられる。
  2. ブレーデン・スケール
    ブレーデン・スケールは褥瘡発生の危険性を予測するもので、「知覚の認知」、「湿潤」、「活動性」、「可動性」、「栄養状態」、「摩擦とずれ」の6項目で評価する。
  3. グラスゴー・コーマ・スケール
    グラスゴー・コーマ・スケールは意識状態の評価に用いられる。「開眼」、「言語反応」、「運動反応」の3つの観察項目からなり、意識障害の重症度を判定する。
  4. カッツ・インデックス
    カッツ・インデックスは加齢や慢性疾患などにより障害を有する対象の日常生活動作の6つの項目(入浴・更衣・トイレ動作・移動・排泄コントロール・食事)について、「している― していない」に分けて評価する。

褥瘡は発生前の予測的スケールがブレーデンスケールとOHスケールで、発生後の褥瘡の状態をみるスケールがDESIGN-RやNPUAP(米国褥瘡諮問委員会)の分類である。

地域連携クリニカルパスについて正しいのはどれか。(第103回)

①診療報酬の評価の対象ではない。
②市町村を単位とした連携である。
③記載内容は医師の治療計画である。
④医療機関から在宅まで継続した医療を提供する。

  1. 診療報酬の評価の対象ではない。
    平成18年(2006年)度の診療報酬改定から、地域連携診療計画管理料、地域連携診療計画退院時指導料として評価されるようになった。
  2. 市町村を単位とした連携である。
    治療にあたる医療機関が連携共有する。
  3. 記載内容は医師の治療計画である。
    記載内容は医師の治療計画のみならず、リハビリテーション計画なども含むものである。
  4. 医療機関から在宅まで継続した医療を提供する。
    そのとおりである。

地域連携クリニカルパスは急性期から回復期、さらには在宅までの切れ目のない円滑な医療提供体制の実現を目指して、治療を受けるすべての医療機関で共有する治療計画である。

在宅療養中の終末期の患者を担当している介護支援専門員に対し、訪問看護師が提供する情報で最も優先度が高いのはどれか。(第101回)

①経済的問題
②家族の介護体制
③今までの治療経過
④今後予想されるADL低下

  1. 経済的問題
    介護支援専門員はケアプラン作成時に、経済的問題について情報を得ていると思われる。積極的な治療を行う時期ではないので、経済的問題について大きな変化は考えにくい。
  2. 家族の介護体制
    ケアプラン作成時に、家族の介護体制について必要な情報を得ていると考えられる。
  3. 今までの治療経過
    今までの治療経過などの情報はすでに得ていると考えられるので、あえて訪問看護師から情報提供する必要はない。
  4. 今後予想されるADL低下
    終末期の患者は少しずつ自分の生活が維持できなくなり、臨死前になれば意識障害も出てくる。ADLの変化により、導入すべき社会資源が異なるため、ADLの情報は看護師から伝える必要がある。

患者は終末期であり、積極的な治療は行わない状況である。ケアプランを作成する役割をもつ介護支援専門員に必要な情報を考える。

クリニカルパスで誤っているのはどれか。(第98回)

①典型的な経過を示す疾患に用いられる。
②医療者用と患者用との両方を作成する。
③個々の患者の状態に応じて作成する。
④標準的な治療・ケア計画を示す。

  1. 典型的な経過を示す疾患に用いられる。
    クリニカルパスは標準的な診療計画なので、典型的な経過を示す疾患で用いられることが多い。
  2. 医療者用と患者用との両方を作成する。
    目標や日々の予定などの情報を共有する、自己管理や患者指導に活かすなどの利点があることから医療者用と患者用の両方を作成するのが一般的である。
  3. 個々の患者の状態に応じて作成する。
    クリニカルパスは標準的な診療計画なので、個々の患者の状態に合わせて作成するものではない。誤りである。
  4. 標準的な治療・ケア計画を示す。
    クリニカルパスには疾患や治療法ごとに標準的な治療・ケア計画が示されている。

第95回午前61の問題よりも基本的な内容が問われている。近年出題が少なくなった、誤答肢を選ぶ問題である。

看護基準の目的で最も適切なのはどれか。(第105回)

①看護の質の保証
②個別的な看護の促進
③看護業務の負担の軽減
④高度な看護技術の提供

  1. 看護の質の保証
    医療施設が看護の標準的な手順などを定めるのは、看護師によるケアの質のばらつきをなくし、看護の質を保証するためである。
  2. 個別的な看護の促進
    個別的な看護の促進の前に、医療施設が看護の標準的な手順などを定めて一定の看護の質を保証する必要がある。
  3. 看護業務の負担の軽減
    医療施設が看護の標準的な手順などを定めることが看護業務の負担軽減につながることもあるかもしれないが、それが目的ではない。
  4. 高度な看護技術の提供
    医療施設が看護の標準的な手順などを定めることは、高度な看護技術の提供が目的ではなく、看護師によるケアの質のばらつきをなくし、一定以上の看護の質を保証するためである。

看護基準という語にはいくつかの意味がある。①看護職員の人員配置の基準、②医療施設が標準とする看護の手順を定めたもの、③(日本看護協会が定めた)保健師助産師看護師法で規定されたすべての看護職に共通の看護実践の要求レベルと看護職の責務を示した文書、である。看護の統合と実践の出題基準は「看護業務基準、看護手順」となっており、本問は②を指していると考えられる。

医療におけるチームアプローチで最も適切なのはどれか。(第103回追試)

①患者と家族はチームの一員である。
②チームリーダーの職種は規定されている。
③チームの方針はチームリーダーが決定する。
④リハビリテーションの方針は理学療法士が決定する。

  1. 患者と家族はチームの一員である。
    治療の主体である患者と、それを支える家族はチームの一員とする。
  2. チームリーダーの職種は規定されている。
    チームリーダーの職種は規定されていない。問題を解決したり援助したりするのに最も適切な職種がリーダーになるのがよい。
  3. チームの方針はチームリーダーが決定する。
    チームで情報を共有し、話し合いながら方針を決めるのがチームアプローチの利点である。チームリーダーが決定するのではない。
  4. リハビリテーションの方針は理学療法士が決定する。
    リハビリテーションの方針を理学療法士が決めるというようなルールはない。患者や病期などに合わせてチームで協議しながら決めていくのがチームアプローチである。

医療におけるチームアプローチとは、医師、看護師、薬剤師などの医療従事者や患者家族などが連携し、患者に対してよりよいケアの提供を目的に協働することである。

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