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第57回

成人患者への薬剤の投与方法で正しいのはどれか。(第108回)

①筋肉内注射は大殿筋に行う。
②点眼薬は結膜囊に滴下する。
③皮下注射は前腕内側に行う。
④食間の指示の経口薬は食事中に服用させる。

  1. 筋肉内注射は大殿筋に行う。
    筋肉注射は、筋肉が厚く大血管や神経の分布が比較的少ない三角筋や中殿筋を選択する。
  2. 点眼薬は結膜囊に滴下する。
    点眼薬は容器先端が睫毛・眼瞼結膜に触れないようにしながら、下眼瞼の結膜囊内に滴下する。
  3. 皮下注射は前腕内側に行う。
    上肢に皮下注射する場合、肩峰と肘頭を結んだ線の下1/3に穿刺する。
  4. 食間の指示の経口薬は食事中に服用させる。
    食間の服薬指示では食後約2~3時間後に服用する。食事中に服用することではない。

薬剤投与はその目的に応じて適切な部位や方法を選択する。

58歳の男性。下腹部痛と下血とで来院した。Hb4.8g/dLで緊急入院し輸血を行うこととなった。輸血時の看護で正しいのはどれか。(第99回)

①小児用点滴セットを用いる。
②交差試験の結果は医師や看護師が複数で確認する。
③アレルギー反応を観察するために開始後3分間は側にいる。
④輸血後3日以内は輸血後移植片対宿主病発症に注意する。

  1. 小児用点滴セットを用いる。
    輸血を行う場合には輸血専用の輸液セット(輸血セット)を用いる。成人用や小児用点滴セットは使用してはいけない。
  2. 交差試験の結果は医師や看護師が複数で確認する。
    人為的ミスによるABO不適合輸血を防止するため、輸血では徹底したダブルチェックを実施する。交差試験の結果も医師や看護師が複数で確認する。
  3. アレルギー反応を観察するために開始後3分間は側にいる。
    輸血開始直後は特に重篤な副作用が生じやすいため、少なくとも輸血開始後約5分間は患者の観察を十分に行い、約15分経過した時点で再度観察する。
  4. 輸血後3日以内は輸血後移植片対宿主病発症に注意する。
    移植片対宿主病(GVHD)は輸血後1~2週間で発熱や発疹、肝障害、下痢が生じ、最終的に多臓器不全により致死的な経過をたどる。よって輸血後1~2週間は移植片対宿主病に注意する必要がある。

患者は、下血によってHbが低下しており、輸血の中でも赤血球製剤を輸血すると考えられる。

20℃から24℃で保存するのはどれか。(第108回)

①全血製剤
②血漿製剤
③赤血球液
④血小板製剤

  1. 全血製剤
    全血製剤の保存温度は2~6℃である。
  2. 血漿製剤
    血漿製剤の保存温度は-20℃以下である。
  3. 赤血球液
    赤血球液の保存温度は2~6℃である。
  4. 血小板製剤
    血小板製剤の保存温度は20~24℃である。

血液製剤は変性してしまうためそれぞれ保存温度が異なる。そのため、適切な温度で保管する必要がある。

成人に自動体外式除細動器〈AED〉を使用する際の電極パッドの貼付で正しいのはどれか。(第109回)

①小児用電極パッドが代用できる。
②右前胸部に縦に並べて貼付する。
③貼付部の発汗は貼付前に拭き取る。
④経皮吸収型テープ剤の上に貼付する。

  1. 小児用電極パッドが代用できる。
    小児用電極パッドを使用することによって電気ショックのエネルギー量を少なく調整しているので、小児用電極パッドで成人の除細動を行っても効果が得られない可能性がある。なお、小児の傷病者に対して小児用のパッドがない場合にやむを得ず大人用のパッドを使用することは認められている(熱傷の恐れはある)。また、成人にも小児にも使える電極パッドを採用しAED側でスイッチによってモードを切り替えるタイプも普及している。
  2. 右前胸部に縦に並べて貼付する。
    電極パッドは心臓をはさむように斜めに貼る。標準的な貼り方は右前胸部と左側胸部である。右前胸部に縦に貼付するのでは有効な除細動が得られない可能性がある。
  3. 貼付部の発汗は貼付前に拭き取る。
    体表面が濡れている場合には必ず拭き取ってからパッドを貼付する。皮膚が濡れていると電気ショックの電流が体表面に流れ、有効な除細動が得られない可能性がある。
  4. 経皮吸収型テープ剤の上に貼付する。
    経皮吸収型テープ剤の上からパッドを貼ると、電気ショックが正しく身体に伝わらない可能性がある。また、アルミ素材などテープ剤の種類によっては熱傷の可能性があるため、貼付剤は必ずはがし、救急隊員に渡すことが望ましい。

AEDについての踏み込んだ知識を問う問題である。身につけた知識は緊急時に役立てることができ、非常に有益なので積極的に学習しておこう。

測定中に波形が変わった心電図を示す。考えられるのはどれか。(第99回)

①心臓ペースメーカーの作動不全
②交流波の混入
③体位変換
④心房細動

  1. 心臓ペースメーカーの作動不全
    心臓ペースメーカーの作動不全の場合、RR間隔が不規則になると考えられるが、波形が変化した後もRR間隔はほぼ一定である。心臓ペースメーカーの作動不全は考えにくい。
  2. 交流波の混入
    基線が小刻みに上下し、上下の振れ幅はほぼ一定であることから、交流波が混入していると考えられる。
  3. 体位変換
    体位変換では体の動きに合わせて基線が上下に大きく揺れる変化が生じると考えられる。基線が小刻みに上下するこの波形は体位変換によるものではないと考えられる。
  4. 心房細動
    心房細動(AF)は、RR間隔が不整で、P波がなく、基線が細かく動揺した波形となる。RR間隔はほぼ一定で基線の特徴が大きく異なるため、心房細動とは考えにくい。

設問の心電図は、5つ目のR波出現後から、基線が小刻みに上下し、上下の振れ幅はほぼ一定である。

ヨード制限食が提供されるのはどれか。(第106回)

①甲状腺シンチグラフィ
②慢性腎不全の治療
③肝臓の庇護
④貧血の治療

  1. 甲状腺シンチグラフィ
    甲状腺シンチグラフィは放射性ヨードのカプセルを飲み、一定時間の後、甲状腺に取り込まれた放射性物質を測定し、甲状腺の機能を評価する検査である。食べ物や薬の影響を除くために検査前は1週間程度のヨード制限が必要になるため、ヨード制限食が提供される。
  2. 慢性腎不全の治療
    慢性腎不全の治療では、カリウムや塩分、蛋白質の制限がされる場合があるが、ヨード制限は不要である。
  3. 肝臓の庇護
    肝臓の庇護は、慢性肝炎による肝臓の機能低下を改善し、肝炎や肝癌への進行を防ぐ治療である。肝庇護療法では薬物療法を行うが、ヨード制限は行わない。
  4. 貧血の治療
    貧血の治療ではヨード制限は行わない。

ヨードはヨウ素とも呼ばれ、微量ミネラルの一種である。ヨウ素の70~80%は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成する。

生体検査はどれか。(第110回)

①喀痰検査
②脳波検査
③便潜血検査
④血液培養検査

  1. 喀痰検査
    喀痰検査は、患者の喀痰を検体として検査する検体検査である。
  2. 脳波検査
    脳波検査は患者の頭部に電極を装着し、脳の微弱な電流を波形として描出する生理機能検査で、生体検査のひとつである。
  3. 便潜血検査
    便潜血検査は、患者の便を検体として検査する検体検査である。
  4. 血液培養検査
    血液培養検査は、患者の血液を検体として検査する検体検査である。

臨床検査には、患者から得られた血液や痰などの検体で検査する検体検査と、患者の身体を直接検査する生体検査がある。

壮年期の特徴はどれか。(第100回)

①味覚の感度の向上
②総合的判断力の向上
③早期覚醒による睡眠障害
④骨量増加による体重の増加

  1. 味覚の感度の向上
    壮年期では種々の身体機能が低下していくため、味覚の感度は向上しない。
  2. 総合的判断力の向上
    壮年期は、思考力や判断力が高まり、加えて経験を通じて総合的に判断する能力が向上する時期であるといえる。
  3. 早期覚醒による睡眠障害
    早期覚醒は高齢者に多くみられる特徴である。
  4. 骨量増加による体重の増加
    骨量は20歳ころまでに最大量となり、壮年期では徐々に減少していく。

壮年期の特徴は、社会人としての役割や責任を担っており、また家庭での役割も大きく心身が疲労しやすい時期である。身体機能は徐々に低下していき、女性では更年期症状が現れる時期である。

日本の最近10年の成人を取り巻く社会状況で正しいのはどれか。(第104回)

①生産年齢人口の占める割合の増加
②単独世帯の占める割合の増加
③非正規雇用者の比率の低下
④平均初婚年齢の低下

  1. 生産年齢人口の占める割合の増加
    生産年齢人口は1990年代半ばには約70%、平成27年(2015年)には60.7%まで低下、令和元年(2019年)には59.5%となり、60%を下回っている。
  2. 単独世帯の占める割合の増加
    「国民生活基礎調査」(令和元年)によると、世帯総数に対する単身世帯の割合は、平成19年(2007年)では25.0%、平成27年(2015年)では26.8%、令和元年(2019年)では28.8%となっており微増傾向にある。
  3. 非正規雇用者の比率の低下
    「労働力調査」(令和元年平均)によると、非正規雇用者の人数は2009年では1727万人(33.7%)、令和元年(2019年)では2165万人(38.2%)であり、比率は増加している。
  4. 平均初婚年齢の低下
    「人口動態統計」によると、平成17年(2005年)の平均初婚年齢は、夫29.8歳、妻28.0歳であり、令和元年(2019年)では夫31.2歳、妻29.6歳となっていて晩婚化傾向にある。

国民生活基礎調査などの社会調査の結果から、社会の一般的な動向を理解しておくとよい。

輸液ポンプを使用する目的はどれか。(第103回追試)

①異物の除去
②感染の防止
③薬物の効果判定
④薬液の注入速度の調整

  1. 異物の除去
    輸液に対する異物の除去は専用のフィルターを正しく使うことによって可能である。輸液ポンプ使用の目的ではない。
  2. 感染の防止
    輸液の器具・環境などを清潔操作で扱い、医療者と患者が適切な管理をすることで感染が防止できる。輸液ポンプ使用の目的ではない。
  3. 薬物の効果判定
    輸液ポンプで薬物の効果は判定できない。患者の状態や検査値などから医師が判断する。
  4. 薬液の注入速度の調整
    薬液の注入速度の調整のために使用する。

輸液ポンプ・シリンジポンプは、薬剤を一定の量・速度で正確に投与するために用いる。時間流量と予定量を設定することで薬液の注入速度を調整することができる。シリンジポンプは微量でも大きな影響を与える薬剤の投与の際、より厳密な管理を行うことができる。

メタボリックシンドロームの判定項目に含まれるのはどれか。(第96回改変)

①体 重
②胸 囲
③腹 囲
④皮下脂肪厚

  1. 体 重
    体重はメタボリックシンドロームの判定項目に含まれていない。
  2. 胸 囲
    胸囲はメタボリックシンドロームの判定項目に含まれていない。
  3. 腹 囲
    腹囲はメタボリックシンドロームの判定項目である。
  4. 皮下脂肪厚
    皮下脂肪厚はメタボリックシンドロームの判定項目に含まれていない。

メタボリックシンドロームの判定項目には以下のものがある。必須項目:腹囲(ウエスト周囲径)、選択項目:①高トリグリセリド血症かつ/または低HDLコレステロール血症、②収縮期血圧≧130mmHgかつ/または拡張期血圧≧85mmHg、③空腹時高血糖。

心筋梗塞の危険因子となりにくいのはどれか。(第97回)

①喫 煙
②糖尿病
③脂質異常症(高脂血症)
④骨粗鬆症

  1. 喫 煙
    喫煙は動脈硬化を引き起こす原因となるため、心筋梗塞の危険因子であるといえる。
  2. 糖尿病
    糖尿病は動脈硬化を引き起こす原因となるため、心筋梗塞の危険因子であるといえる。
  3. 脂質異常症(高脂血症)
    脂質異常症は動脈硬化を引き起こす原因となるため、心筋梗塞の危険因子であるといえる。
  4. 骨粗鬆症
    骨粗鬆症は、心筋梗塞の危険因子にはなりにくい。

心筋梗塞の主な原因は動脈硬化である。動脈硬化を促進させる危険因子には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、加齢、肥満、ストレス、運動不足などがある。

平成30年(2018年)の国民健康・栄養調査における成人の生活習慣の特徴で正しいのはどれか。(第109回改変)

①朝食の欠食率は40歳代が最も多い。

②運動習慣のある人の割合は30歳代が最も多い。
③1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多い。
④習慣的に喫煙している人の割合は10年前に比べて増加している。

  1. 朝食の欠食率は40歳代が最も多い。
    朝食の欠食率は男性13.9%、女性8.6%で、最も多いのは男女ともに20歳代であった(男性29.9%、女性18.9%)。
  2. 運動習慣のある人の割合は30歳代が最も多い。
    運動習慣のある人の割合は男性31.8%、女性25.5%で、最も多いのは男女ともに70歳以上、最も低いのは男女ともに20歳代であった。
  3. 1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多い。
    1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多く、男性34.5%、女性34.7%であった。
  4. 習慣的に喫煙している人の割合は10年前に比べて増加している。
    習慣的に喫煙している人の割合は全体で17.8%で、男性29.0%、女性8.1%であった。直近10年間でみると有意に減少している。

朝食の欠食率といった1つのテーマの問題ではなく、「国民健康・栄養調査」の全体を問う問題なので、最新の結果も参照しておく必要がある。

緊急時の自動体外式除細動器(AED)の使用で正しいのはどれか。(第96回)

①服の上からでも実施可能である。
②医師の指示を得てから実施する。
③動かないよう肩を抑える。
④施行者に制限はない。

  1. 服の上からでも実施可能である。
    AEDの電極パッドは直接皮膚に貼る必要がある。服の上からでは実施できない。
  2. 医師の指示を得てから実施する。
    医師の指示がなくても実施することができる。
  3. 動かないよう肩を抑える。
    電気ショック中に電気ショックを受けている人に触れていると、触れている人も感電する危険がある。動かないように肩を抑えることは不適切である。
  4. 施行者に制限はない。
    AEDの施行者に制限はない。

自動体外式除細動器(AED)の使用にあたっては、医療従事者ではない一般市民が使用しても違法性は問われないことを理解していれば解答できる。

19歳の男性がスノーボードで転倒し、右下肢の激しい痛みを訴えている。スキー場の診療所で撮影した右下肢のエックス線写真を別に示す。病院へ搬送する際の副子による固定範囲として適切なのはどれか。(第100回)


  1. ①の固定では、2関節どころか骨折部位にもまったく副えられていない。

  2. ②の固定では、膝関節が固定されておらず、副子固定の基本である骨折部位の前後2関節を含めた固定になっていない。

  3. ③の固定は、骨折部位に副えられていない。

  4. ④の固定は、副子固定の基本である骨折部位の前後2関節(膝関節と足関節)が固定されていることから適切な固定といえる。

  5. ⑤の固定は、副子固定の基本である骨折部位の前後2関節(膝関節と足関節)が固定されているが、股関節までも固定する必要はない。

副子固定の基本は、骨折部位の前後2関節を含めることである。この基本をもとに設問の図をみて、骨折部位がどこであるかがわかれば解答できる。骨折部位は脛骨である。

胃洗浄を行うときの体位で最も適切なのはどれか。(第105回)

①仰臥位
②腹臥位
③左側臥位
④右側臥位

  1. 仰臥位
    仰臥位であると嘔吐したときに誤嚥する危険があるため適切ではない。
  2. 腹臥位
    腹臥位では胃洗浄のすべての手技が容易でなくなるだけでなく、患者の顔の観察ができなくなる。
  3. 左側臥位
    左側臥位では胃の大彎側に洗浄液が溜まるため、右側臥位に比べ効果的な胃洗浄の体位となる。
  4. 右側臥位
    右側臥位では胃の小彎側に洗浄液が溜まるため、左側臥位に比べ効果的な胃洗浄の体位とは言いがたい。

胃洗浄では、左側臥位で頭側を15度程度低くし、両下肢を屈曲位とする。これにより胃の幽門側が高くなり、胃の内容物の流出を妨ぎ、洗浄の効率を高め、腹壁の緊張もやわらぐ。嘔吐したときに誤嚥を防ぐことにもつながる。

大量の輸液が必要と考えられる救急患者はどれか。2つ選べ。(第109回)

①前額部の切創で出血している。
②オートバイ事故で両大腿が変形している。
③プールの飛び込み事故で四肢が動かない。
④デスクワーク中に胸が苦しいと言って倒れている。
⑤火事で顔面、胸腹部、背部および両上肢にⅡ度の熱傷を負っている。

  1. 前額部の切創で出血している。
    出血の状態について情報がないが前額部の切創の出血で大量の輸液が必要になるとは考えにくい。
  2. オートバイ事故で両大腿が変形している。
    大腿骨という長管骨が両側骨折して変形していることから内出血やショックの可能性が高く、大量輸液が必要であると考えられる。
  3. プールの飛び込み事故で四肢が動かない。
    プールの飛び込み事故で四肢が動かないのは脊髄損傷の可能性があるが、大量輸液が必要と判断する情報がない。
  4. デスクワーク中に胸が苦しいと言って倒れている。
    胸が苦しいという訴えだけで大量輸液が必要と判断することはできない。
  5. 火事で顔面、胸腹部、背部および両上肢にⅡ度の熱傷を負っている。
    顔面、胸腹部、背部、両上肢の熱傷は「9の法則」で少なめに計算しても54%以上の面積の熱傷となるので重症の熱傷であり、大量の輸液を必要とする。これは全身の血管壁の透過性が亢進し、血漿成分が血管外に漏出することによる循環血液量の減少が起こるためである。

循環血液量の減少をきたす状態を考える。

心原性ショックで現れる症状・徴候はどれか。(第110回)

①顔面の紅潮
②胸部不快感
③血圧の上昇
④尿量の増加

  1. 顔面の紅潮
    心原性ショックでは顔面の紅潮ではなく蒼白が生じる。
  2. 胸部不快感
    心原性ショックの初期では、心ポンプ機能の低下を自覚する症状として胸部不快感や胸痛などが生じる。
  3. 血圧の上昇
    心原性ショックでは心ポンプ機能の低下により血圧は低下する。
  4. 尿量の増加
    心原性ショックでは血圧低下により腎血流量も低下するため尿量は減少する。

心原性ショックとは、心ポンプ機能の低下により末梢循環不全に陥ったもので、急性心筋梗塞が主な原因である。

アナフィラキシーショックで正しいのはどれか。2つ選べ。(第108回)

①徐脈になる。
②重症例では死に至る。
③気道粘膜の浮腫を生じる。
④Ⅲ型アレルギー反応である。
⑤副腎皮質ステロイドは禁忌である。

  1. 徐脈になる。
    アナフィラキシーショックでは動悸や頻脈が出現する。
  2. 重症例では死に至る。
    循環不全が進行すると死に至る。
  3. 気道粘膜の浮腫を生じる。
    アナフィラキシーでは血管透過性が亢進して浮腫が生じる。同様の理由から気道粘膜にも浮腫が生じる。
  4. Ⅲ型アレルギー反応である。
    アナフィラキシーは主にIgEが関与するⅠ型アレルギー反応である。
  5. 副腎皮質ステロイドは禁忌である。
    アナフィラキシーショックの治療ではアドレナリンが第一選択である。重症の場合、抗ヒスタミン薬やβ2刺激薬、副腎皮質ステロイドも使用される。

アナフィラキシーは主にⅠ型アレルギーによって引き起こされ、アレルゲンに曝露してから数分で蕁麻疹や呼吸困難、動悸、喘鳴などが生じる反応である。重症例では血圧低下や意識消失などのショック症状も出現し、アナフィラキシーショックと呼ばれる。

Aさん(55歳、男性)、会社員。野球が趣味で、野球チームに所属し毎週日曜日に試合や練習を行っている。7月のある日曜日、気温32℃、湿度86%。Aさんは野球の試合で守備についていたとき、急激な下肢の痛みが出現し倒れこんだ。その試合を偶然観戦していた看護師がAさんの状態を観察した。ジャパン・コーマ・スケール<JCS>I-1。呼吸数30/分。脈拍120/分、整。身体は熱く、多量の発汗がみられた。この看護師の対応で優先順位が高いのはどれか。(第101回)

①Aさんに既往歴を尋ねる。
②Aさんの下肢のマッサージを行う。
③Aさんにスポーツドリンクを飲ませる。
④Aさんと同様の症状がある他の選手を把握する。

  1. Aさんに既往歴を尋ねる。
    既往歴を尋ねることも必要だが、設問では優先順位の高いものを問うているので不正解である。
  2. Aさんの下肢のマッサージを行う。
    設問では下肢の痛みがあったとあるが、熱中症で倒れこんだことを考えると下肢のマッサージは優先順位の高いものとはいえない。
  3. Aさんにスポーツドリンクを飲ませる。
    ジャパン・コーマ・スケール(JCS)はⅠ-1であるが、飲み物が飲める状態であればスポーツドリンクを飲ませることは優先順位の高い熱中症への対処法といえる。
  4. Aさんと同様の症状がある他の選手を把握する。
    同じ環境下にいる他者について、熱中症を起こさないように同じ症状がある選手を把握することは大切なことであるが、すでに熱中症で倒れ込んでいる人を前にして優先順位が高いことではない。

設問では、気温32℃、湿度86%の環境で、野球の守備についていたことから、日差しを遮るものもなかったと考えられる。また呼吸数30/分、脈拍120/分、身体が熱いことから熱中症を起こしたと考えると解答できる。

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