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第62回

ホルモンとその作用の組合せで正しいのはどれか。(第100回)

①成長ホルモン ― 血糖値の上昇
②バソプレシン ― 尿量の増加
③コルチゾール ― 血中カリウム値の上昇
④アンジオテンシンⅡ ― 血管の拡張

  1. 成長ホルモン ― 血糖値の上昇
    成長ホルモンは身体全体の成長を促すとともに、血糖値上昇のはたらきをもつ。
  2. バソプレシン ― 尿量の増加
    バソプレシンは抗利尿ホルモンで、腎臓に作用して水の再吸収を促進するので、尿量の減少にはたらく。
  3. コルチゾール ― 血中カリウム値の上昇
    コルチゾールは副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイドで、抗炎症作用や糖新生促進にはたらく。血中カリウム値は、電解質コルチコイドのアルドステロンが関与している。
  4. アンジオテンシンⅡ ― 血管の拡張
    アンジオテンシンⅡは血管を収縮させて抵抗を増し、血圧上昇のはたらきをもつ。

成長ホルモンは下垂体前葉ホルモンの一種、バソプレシンは下垂体後葉ホルモンの一種である。

体の変化とそれによって増加するホルモンとの組合せで正しいのはどれか。(第96回)

①血糖値の上昇 ― グルカゴン
②血清カリウム値の低下 ― アルドステロン
③血清コレステロール値の上昇 ― 甲状腺ホルモン
④血清カルシウム値の低下 ― 副甲状腺ホルモン

  1. 血糖値の上昇 ― グルカゴン
    血糖値の上昇によって分泌されるのはインスリンである。グルカゴンは血糖値の低下によって増加する。
  2. 血清カリウム値の低下 ― アルドステロン
    血清カリウム値の低下は、アルドステロンの分泌を抑制する。
  3. 血清コレステロール値の上昇 ― 甲状腺ホルモン
    甲状腺ホルモンは物質代謝を亢進するためコレステロール値を低下させる働きをもつ。しかし、血清コレステロール値の上昇によって、甲状腺ホルモンの分泌が増加することはない。
  4. 血清カルシウム値の低下 ― 副甲状腺ホルモン
    副甲状腺ホルモンの分泌は血中カルシウム濃度によって調整される。血清カルシウム値が低下すると、それが刺激となって副甲状腺ホルモンの分泌が増加する。

副甲状腺は甲状腺の裏側にある小体で、上皮小体ともいわれる。甲状腺からのカルシトニンと副甲状腺からのパラソルモンとは、血中カルシウム濃度の調節に関して拮抗的な働きをする。

標的細胞の細胞膜に受容体があるのはどれか。(第108回)

①男性ホルモン
②甲状腺ホルモン
③糖質コルチコイド
④甲状腺刺激ホルモン

  1. 男性ホルモン
    男性ホルモンは脂溶性のステロイドホルモンで、細胞質内に入って、内部にある受容体と結合する。
  2. 甲状腺ホルモン
    甲状腺ホルモンは脂溶性ホルモンで、細胞質内に入って、内部にある受容体と結合する。
  3. 糖質コルチコイド
    糖質コルチコイドは副腎皮質から分泌される脂溶性ホルモンで、細胞内に入って核に作用し、蛋白質合成に関与する。
  4. 甲状腺刺激ホルモン
    甲状腺刺激ホルモンは下垂体前葉から分泌される水溶性ホルモンで、甲状腺濾胞上皮細胞の細胞膜にある受容体と結合して甲状腺ホルモンの分泌を促す。

ホルモンの受容体には、細胞内の核質または細胞質にあるものと、細胞膜上にあるものとがある。脂溶性ホルモンは細胞内の受容体と結合し、水溶性ホルモンは細胞膜上の受容体に結合する。

血圧を上昇させるのはどれか。2つ選べ。(第110回)

①セロトニン
②ヒスタミン
③バソプレシン
④ブラジキニン
⑤心房性ナトリウムペプチド

  1. セロトニン
    セロトニンには血管の収縮作用があり、血圧を上昇させる。
  2. ヒスタミン
    ヒスタミンは血管を拡張させるため血圧を低下させる。
  3. バソプレシン
    バソプレシンは血管平滑筋に作用して血管の収縮を引き起こし、血圧を上昇させる。
  4. ブラジキニン
    ブラジキニンは血管拡張作用があり血圧を低下させる。
  5. 心房性ナトリウムペプチド
    心房性ナトリウムペプチドは血管拡張作用を示し、血圧を低下させる。

血圧の調節は、ホルモンなどの液性因子で血管の収縮状態が調節されることによっても行われる。

胆石で胆囊摘出術後2日の78歳の女性。認知症はなかったが、昨夜から面会に来た家族の声かけに反応が鈍かったり、突然興奮して起き上がるなどの行動がみられる。対応で適切なのはどれか。2つ選べ。(第99回)

①家族に面会を控えるよう話す。
②起き上がらないように拘束する。
③ドレーン類は直接目にふれないようにする。
④意識レベルを把握できるよう鎮痛薬は使わない。
⑤手術のために入院していることを穏やかに説明する。

  1. 家族に面会を控えるよう話す。
    家族など親しい人たちに声をかけてもらい見当識にはたらきかけることで興奮が収まる場合もあるため、面会を控えることは不適切である。
  2. 起き上がらないように拘束する。
    危険を予防することは重要であるが、拘束を安易に選択することは虐待である。また、拘束を行うことでさらに混乱し、余計に興奮する可能性もある。
  3. ドレーン類は直接目にふれないようにする。
    ドレーン類を包帯で隠したり、袖の中を通したりすることで引き抜くリスクが軽減できる。
  4. 意識レベルを把握できるよう鎮痛薬は使わない。
    せん妄の発症に疼痛が原因となる場合があるので、状態を観察し、医師と相談しながら必要であれば薬物療法も選択していく。
  5. 手術のために入院していることを穏やかに説明する。
    リアリティオリエンテーションを使い、現実を認識できるような説明も必要となる。

認知症は急激に発症することはないため、設問のケースは術後せん妄と判断できる。安全を確保したうえで適切な援助を行うことが必要である。

臨死期に特徴的にみられるのはどれか。(第103回追試)

①流涎の増加
②尿量の増加
③下顎呼吸の出現
④肛門括約筋の収縮

  1. 流涎の増加
    臨死期に流涎の増加がみられることはない。
  2. 尿量の増加
    臨死期には尿量の増加ではなく、減少がみられる。
  3. 下顎呼吸の出現
    臨死期には呼吸状態が悪く、下顎呼吸や死前喘鳴の出現がみられる。
  4. 肛門括約筋の収縮
    臨死期には、肛門括約筋の弛緩がみられる。

臨死期には、呼吸状態の悪化・尿量の減少・意識レベルの低下などがみられる。聴覚は最後まであるため、かかわりが継続できるよう支援する。

高齢者の薬物動態の特徴で正しいのはどれか。(第107回)

①薬物の吸収の亢進
②薬物の代謝の亢進
③薬物の排泄の増加
④血中濃度の半減期の延長

  1. 薬物の吸収の亢進
    薬物の吸収は加齢による変化は少ないが、高齢による体温の低下や消化液の分泌低下などの影響により、薬の溶解や吸収が遅れる場合がある。
  2. 薬物の代謝の亢進
    加齢により肝臓容積が小さくなること、酵素活性が低下することなどにより薬物の代謝は低下する。
  3. 薬物の排泄の増加
    加齢により腎機能が低下するため、薬物の排泄は減少する。
  4. 血中濃度の半減期の延長
    薬物の代謝や排泄が遅れるため生体内に薬物が蓄積されやすく、血中濃度の半減期は延長することになる。

薬物動態が成人と異なる点を把握し、有害事象のアセスメントに役立てる。

高齢者のうつ病の特徴はどれか。(第99回)

①認知機能への影響はない。
②不安を訴えることはまれである。
③悲哀感を強く訴えることが多い。
④身体の不調を強く訴えることが多い。

  1. 認知機能への影響はない。
    高齢者のうつ病では、認知機能の低下があわせてみられることが多い。
  2. 不安を訴えることはまれである。
    高齢者のうつ病では、不安の訴えはむしろ多い。
  3. 悲哀感を強く訴えることが多い。
    高齢者のうつ病では、悲哀感など精神的な変調が目立たないことがある。
  4. 身体の不調を強く訴えることが多い。
    高齢者のうつ病では、精神的な変調が目立たないかわりに、痛みやだるさなどの身体の不調を訴えることが多い。

高齢者のうつでは、身体症状やそれに対する不安などの訴えが多く、認知機能低下や希死念慮を伴うことが多い。

高齢者に多くみられる疾患とその症状および所見の組合せで正しいのはどれか。(第101回)

①頸椎症 ― 頸部腫脹
②白内障 ― 視野欠損
③萎縮性腟炎 ― 子宮脱出
④胃食道逆流症 ― 胸やけ

  1. 頸椎症 ― 頸部腫脹
    頸椎症は加齢に伴い頸椎の椎間板や椎骨が変性・変形し、脊柱管や椎間孔が狭くなる状態である。首の痛み肩こり、四肢のしびれなどの症状が出現するが外見上の変化はほとんどみられない。
  2. 白内障 ― 視野欠損
    白内障では羞明や霧視がみられるが、視野欠損はほとんどみられない。
  3. 萎縮性腟炎 ― 子宮脱出
    萎縮性腟炎では、腟分泌液の減少により外陰部瘙痒症や感染症が起きやすくなる。子宮脱は、加齢による子宮の萎縮により子宮が腟外に脱出するものである。
  4. 胃食道逆流症 ― 胸やけ
    加齢に伴い下部食道括約筋の機能が低下し胃食道逆流症が起きやすくなる。胃液の食道内への流出により胸やけを生じる。

疾患と症状の組合せは、臨床でも迅速なアセスメントのために重要であり、しっかり覚えておこう。

動脈硬化に最も関連のある危険因子はどれか。(第95回改変)

①胆石症
②尿管結石
③脂質異常症
④高尿酸血症

  1. 胆石症
    胆石症の危険因子の1つに高脂肪食があり、肥満の人が発症することが多いが、胆石症そのものが動脈硬化を促進するわけではない。
  2. 尿管結石
    尿管結石と動脈硬化の間に関連はない。
  3. 脂質異常症
    血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が多い、あるいはHDLコレステロール(不要になったコレステロールや血管内にたまったコレステロールを肝臓へ運搬する役割を持つ)が少なすぎる状態によって動脈硬化が進行する。血液中の余分なLDLコレステロールは血管壁の内皮に侵入して蓄積する。蓄積したLDLコレステロールは酸化を受け、炎症を引き起こしドロドロとした塊(粥腫、プラーク)を形成することで血管壁が盛り上がって硬くなり、血管内腔が狭くなる。これが動脈硬化である。
  4. 高尿酸血症
    高尿酸血症の患者は脂質異常症、肥満、高血圧の合併が多い。現在では血液中の尿酸が血管内皮細胞を損傷し、動脈硬化に関係するとされている。ただし、脂質異常症が選択肢にあるため、最も関連のある危険因子とはいえない。

「最も関連がある」ものを選ぶことに注意する。

男性介護者の現状で正しいのはどれか。(第95回改変)

①配偶者を介護する者が最も多い。
②80歳以上の者が最も多い。
③5割の者が終日介護している。
④同居の主な介護者のうち男性が占める割合は約6割である。

  1. 配偶者を介護する者が最も多い。
    令和元年(2019年)の国民生活基礎調査の結果によると、同居の家族で「ほとんど終日」介護をしている介護者と要介護者の続柄では、配偶者が一番多く、次いで子となっている。
  2. 80歳以上の者が最も多い。
    令和元年(2019年)の国民生活基礎調査の結果によると、男性の介護者の年齢階級を見ると60~69歳が28.5%と一番多く、次いで80歳以上22.8%となっている。
  3. 5割の者が終日介護している。
    令和元年(2019年)の国民生活基礎調査の結果によると、同居の介護者の介護時間では、男女総数でも「ほとんど終日」介護を行っているものは19.3%である。
  4. 同居の主な介護者のうち男性が占める割合は約6割である。
    令和元年(2019年)の国民生活基礎調査の結果によると、同居の主な介護者のうち男性が占める割合は35%である。

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査によると、主な介護者の男女比率は3.5:6.5程度である。近年男性介護者の割合が増加傾向にある。

小児慢性疾病の医療費助成制度で正しいのはどれか。(第97回改変)

①他の公的扶助は受けられない。
②入院通院とも公費で負担される。
③保護者家族から一律の費用が徴収される。
④継続申請は18歳未満が公費負担の対象である。

  1. 他の公的扶助は受けられない。
    他の公的扶助は受けられる。
  2. 入院通院とも公費で負担される。
    対象疾病に罹患する子ども側の申請が認められた場合、入院通院等の医療費の自己負担分が公費で補助される。
  3. 保護者家族から一律の費用が徴収される。
    所得に応じて自己負担の限度額が定められているため、その限度額の範囲内で費用が徴収される。
  4. 継続申請は18歳未満が公費負担の対象である。
    対象年齢は18歳未満であるが、引き続き治療が必要であると認められる場合は20歳までが対象となる。

子どもの慢性疾患では、治療期間が長く、医療費負担が高額となることが多くある。子どもの健全育成を目的として、疾病の治療方法の確立と普及、患者家庭の医療費の負担軽減につながるよう、小児慢性特定疾病対策が実施されている。

先天異常で正しいのはどれか。(第108回)

①軟骨無形成症は低身長になる。

②Turner〈ターナー〉症候群は高身長になる。
③Klinefelter〈クラインフェルター〉症候群は低身長になる。
④Pierre Robin〈ピエール・ロバン〉症候群は巨舌症がある。

  1. 軟骨無形成症は低身長になる。
    軟骨無形成症は、成長軟骨での軟骨細胞の増殖等が抑制されることによって、低身長や四肢の短さ、指の短さが起こる疾患である。
  2. Turner〈ターナー〉症候群は高身長になる。
    ターナー症候群は、2本のX染色体のうち1本の完全な欠失(45,X)、X 短腕の欠失、またはそのモザイクなどの核型によって引き起こされる先天異常である。低身長、性腺異形成、内臓奇形などの特徴がある。発生頻度は出生女児1,000に1人と推測されている。
  3. Klinefelter〈クラインフェルター〉症候群は低身長になる。
    クラインフェルター症候群は、1本または複数の余分なX染色体(47,XXY)(48,XXXY)などによって引き起こされる先天異常である。高身長、精子形成不全、無精子症などの性腺機能不全、言語発達遅延などが特徴である。発生頻度は出生男児500~1,000に1人とされている。
  4. Pierre Robin〈ピエール・ロバン〉症候群は巨舌症がある。
    ピエール・ロバン症候群は、先天性かつ複合的な疾患で、主な症状として小顎症、舌根沈下、気道閉塞(狭窄)がみられる。生後すぐに呼吸困難になる恐れがある。巨舌症はダウン症候群にみられる。

先天異常は、出生前の段階で生じる身体的な異常のことをいう。これらの異常は出生時、あるいは1歳までの間に明らかになるとされている。ほとんどの先天異常の原因は不明だが、感染性要因、遺伝的要因などが関連する。

病院で患児の死を看取る10歳の姉への対応で最も適切なのはどれか。(第97回)

①母親の支えになるよう伝える。
②患児に会わせないよう配慮する。
③姉が気持ちを表現することを助ける。
④両親に姉の前で動揺しないよう伝える。

  1. 母親の支えになるよう伝える。
    両親のサポートを患児のきょうだいに求めるのは、10歳の子どもにとって負担が大きい。
  2. 患児に会わせないよう配慮する。
    発達段階として、10歳ころにはすべての人がいつかは死ぬという普遍性について理解しはじめるといわれる。両親と相談のうえ面会を促していく。
  3. 姉が気持ちを表現することを助ける。
    患児の死を看取るきょうだいは、両親など周囲の人に感情表出ができないことがある。気持ちや感情を抑え込まないように、気持ちを表出できるような機会をつくることが重要である。
  4. 両親に姉の前で動揺しないよう伝える。
    子どもの死に対する動揺を隠すことは、両親にとってつらい状況である。両親ときょうだいが子どもを失った思いをともに表出できるよう援助することが重要である。両親に姉の前で動揺しないよう伝えることは、適切ではない。

ターミナル期の子どものきょうだいへのケアは、きょうだいの面会を家族とともに考え進めていくことが大切である。子どもの死に立ち会うときの両親の思い、子どもと両親、きょうだいとの関係などを踏まえる必要がある。

リンパ系について正しいのはどれか。(第100回)

①リンパ液の主成分は赤血球である。
②リンパ液に脂肪成分は含まれない。
③過剰な組織液はリンパ管に流入する。
④胸管のリンパ液は動脈系へ直接流入する。

  1. リンパ液の主成分は赤血球である。
    リンパ液は液体成分と細胞成分からなる。細胞成分は白血球の一種であるリンパ球である。
  2. リンパ液に脂肪成分は含まれない。
    リンパ液には小腸腸絨毛内の毛細リンパ管にて吸収された脂肪成分が含まれている。
  3. 過剰な組織液はリンパ管に流入する。
    組織液の大部分は、毛細血管から血液中に戻るが、一部過剰な組織液は毛細リンパ管にてリンパ管に流入する。
  4. 胸管のリンパ液は動脈系へ直接流入する。
    胸管のリンパ液は左静脈角から静脈系へと流入する。

リンパ液は、毛細血管から出た血漿の一部が組織液となり、その一部が毛細リンパ管に戻ったものである。

リンパ系で正しいのはどれか。(第98回)

①リンパ管には弁がない。
②胸管は鎖骨下動脈に注ぐ。
③吸収された脂肪の輸送に関与する。
④リンパの流れは動脈と同方向である。

  1. リンパ管には弁がない。
    リンパの走行は末端から求心性であるので、リンパ管には逆流防止の弁がある。
  2. 胸管は鎖骨下動脈に注ぐ。
    胸管は左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部である左静脈角で静脈に注ぐ。
  3. 吸収された脂肪の輸送に関与する。
    脂肪は小腸腸絨毛内の毛細リンパ管にて吸収されるので、リンパ系は脂肪の輸送に関与する。
  4. リンパの流れは動脈と同方向である。
    リンパの流れは動脈とは逆方向、静脈と同方向である。

リンパ系は末端の毛細リンパ管から始まり静脈に注ぐので、その流れは静脈同様に求心性の方向である。

健常な成人の血液中にみられる細胞のうち、核が無いのはどれか。(第107回)

①単 球
②好中球
③赤血球
④リンパ球

  1. 単 球
    単球は白血球で、核をもつ。
  2. 好中球
    好中球は白血球で、他と異なり分葉核だが、核をもつ。
  3. 赤血球
    赤血球は分化して成熟する過程で、赤芽球から脱核して核のない赤血球となり、末梢血中に入る。
  4. リンパ球
    リンパ球は白血球で、大きな核をもつ。

血液の細胞成分は赤血球・白血球・血小板からなる。白血球は、多能性幹細胞(造血幹細胞)から分化した際に、顆粒球・リンパ球・単球の3種類に大きく分けられ、顆粒球はさらに、好酸球・好中球・好塩基球に分けられている。

自発呼吸時の胸腔内圧を示す曲線はどれか。(第107回)


  1. 胸腔内は常に陰圧である。この曲線では吸息相が陽圧であるので異なる。

  2. 呼息相が陽圧であるので異なる。

  3. どちらも陰圧ではあるが、吸息時に上昇して呼息時に下降し、大きく陰圧になっている点が異なる。

  4. 吸息時に低下してより陰圧(-7cmH2O)になり、呼息時は上昇するが陰圧で-4cmH2Oになっている。これが正しい。

胸腔内は常に陰圧で、安静吸息時の胸腔内圧は-7~-6cmH2O、呼息時は-4~-2cmH2Oである。

「安静時呼吸」、「深呼吸」、「徐々に深くなっていく呼吸」に伴う肺容量の変化を図に示す。肺活量を示すのはどれか。(第109回)


  1. ①は最大努力して呼出してもなお肺胞内に残っている空気の量で、残気量という。

  2. ②は深呼吸で思いっきり吸息したときの空気の量で、最大吸気量という。

  3. 正常の呼息後、さらに努力して吐き出した空気の量を予備呼気量というが、それでも肺内には空気が残っており、それが①の残気量である。③は、残気量と予備呼気量を足した量で、機能的残気量という。

  4. ④は②最大吸気量と③機能的残気量を足した肺内に入る最大の空気の量で、全肺気量という。

  5. ⑤肺活量は、深呼吸で思いっきり吸息したときから、最大限の呼息を行い吐き出された空気の量をいう。②最大吸気量と予備呼気量を足した量である。または、1回換気量に予備吸気量と予備呼気量を足した量である。

1回の呼吸において、吸い込まれる(吸息)または吐き出される(呼息)空気の量を1回換気量といい、成人でおよそ500mLである。肺活量は、深呼吸で最大限吸息後に最大限呼息した空気の量をいう。

思春期の月経で正しいのはどれか。(第95回)

①基礎体温が二相性になると初経が発来する。
②BMIが低いほど初経発来が早い。
③続発(性)無月経の原因は視床下部性が多い。
④月経周期は初経後2年で整順化する。

  1. 基礎体温が二相性になると初経が発来する。
    初経直後は、無排卵や月経周期が一定にならないことが多く、初経後、数年を経て基礎体温は二相性となる。
  2. BMIが低いほど初経発来が早い。
    二次性徴は、乳房の発育から始まり、身長の伸びや体脂肪の急激な増加、陰毛の発生に続き初経が発来する。そのため、BMIが低いほど、初経初来は遅くなる。
  3. 続発(性)無月経の原因は視床下部性が多い。
    続発(性)無月経の原因は視床下部型が大半であり、原発(性)無月経の原因は卵巣型が最多である。
  4. 月経周期は初経後2年で整順化する。
    初経直後は、無排卵や月経周期が一定にならないことが多く、周期が整順化するまでには数年かかる。

思春期の内分泌環境の変化を理解しよう。

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