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第64回

Aさん(83歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、在宅療養中である。嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている。Aさんの口腔ケアについて、介護者への指導で適切なのはどれか。(第107回)

①義歯を装着したまま歯を磨く。
②経管栄養直後に実施する。
③ペースト状の歯磨剤を使用する。
④歯垢の除去には歯ブラシを用いる。

  1. 義歯を装着したまま歯を磨く。
    義歯は必ず外して口腔ケアを行う。
  2. 経管栄養直後に実施する。
    経管栄養でも口腔内の雑菌を除く目的で口腔ケアは必要であるが、経管栄養直後に口腔ケアをすると嘔吐を誘発する可能性もあるので、直後は避ける。
  3. ペースト状の歯磨剤を使用する。
    義歯にペースト状の歯磨剤を使用すると、キズが入り、後で汚れやすくなる。義歯専用の洗浄剤を使用するか、流水下で歯ブラシだけで洗うとよい。
  4. 歯垢の除去には歯ブラシを用いる。
    残った歯の歯垢を除去するのは歯ブラシが有効である。

Aさんは嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている、ということを踏まえて口腔ケアを考える。

災害派遣医療チーム〈DMAT〉の活動で最も適切なのはどれか。(第103回)

①被災地域内での傷病者の搬送を行う。
②外傷後ストレス障害〈PTSD〉に対応する。
③長期の継続的な医療を行う。
④被災地の復興を手助けする。

  1. 被災地域内での傷病者の搬送を行う。
    大地震や航空機・列車事故といった災害時に、被災地や現地に迅速に駆けつけ、被災地域内で傷病者の搬送を含めた救急治療を行うための専門的な訓練を受けた医療チームを災害派遣医療チーム(DMAT)という。本部活動のほか、地域・広域医療搬送・病院支援・現場活動などを主な活動とする。平時において都道府県と医療機関等の間で締結された協定のもとで活動し、派遣は原則として被災都道府県からの要請に基づく。
  2. 外傷後ストレス障害〈PTSD〉に対応する。
    災害派遣医療チーム(DMAT)の活動は、移動時間を除きおよそ48時間以内を基本とする。外傷後ストレス障害(PTSD)は災害から1か月以上経過してから発症するため、DMATの活動期間と重ならない。
  3. 長期の継続的な医療を行う。
    活動期間は移動時間を除きおよそ48時間以内が基本である。災害の規模に応じて、DMATの活動が長期間(1週間など)に及ぶ場合には、DMAT2次隊、3次隊など追加派遣での対応が考慮される。長期の継続的医療は行わない。
  4. 被災地の復興を手助けする。
    DMATは、長期の継続的医療は行わず、被災地の復興には関与しない。

災害派遣医療チーム(DMAT)の活動について、基本的な知識を問う問題である。

災害に関する記述で正しいのはどれか。(第108回)

①災害時の要配慮者には高齢者が含まれる。
②人為的災害の被災範囲は局地災害にとどまる。
③複合災害は同じ地域で複数回災害が発生することである。
④災害直後に被災者診療を行う場では医療の供給が需要を上回る。

  1. 災害時の要配慮者には高齢者が含まれる。
    災害対策基本法第8条に「高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下「要配慮者」という)」という条文があり、第49条で「地域防災計画の定めるところにより、避難行動要支援者について避難の支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命または身体を災害から保護するために必要な措置を実施するための基礎とする名簿(避難行動要支援者名簿)を作成しておかなければならない」と規定されている。要配慮者に高齢者は含まれる。
  2. 人為的災害の被災範囲は局地災害にとどまる。
    人為的災害で多いのは列車・船舶・航空機などの大型交通事故である。これらは自然災害に比較すると被害状況は局地的といえるが、人為的災害の中の化学工場の事故、原子力施設での事故などは局地災害におさまらない可能性が高い。そのため、人為的災害の被災範囲は局地災害にとどまる、と言い切ることはできない。
  3. 複合災害は同じ地域で複数回災害が発生することである。
    複合災害は自然災害と人為災害が混合したものをいう。同じ地域で複数回災害が発生することではない。
  4. 災害直後に被災者診療を行う場では医療の供給が需要を上回る。
    需要(あるものを必要とする人の数)と供給(あるものを必要とする人に届けられる数)の関係を考える。災害直後に被災者診療を行う場では人員や医療資源が限られ、医療の需要が供給を上回る状況となる。

災害看護学を学ぶにあたり基本的な用語の意味を問う問題である。

国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。(第110回)

①国際労働機関〈ILO〉 <―> 難民の帰還支援
②世界保健機関〈WHO〉 <―> 保健分野における研究の促進
③国連人口基金〈UNFPA〉 <―> 平和維持活動
④国連世界食糧計画〈WFP〉 <―> 二国間の国際保健医療協力

  1. 国際労働機関〈ILO〉 <―> 難民の帰還支援
    国際労働機関は労働者の健康保護などの問題解決に取り組んでいる。難民の帰還支援は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が行う。
  2. 世界保健機関〈WHO〉 <―> 保健分野における研究の促進
    世界保健機関は保健分野における研究の促進、世界の保健課題に取り組んでいる。
  3. 国連人口基金〈UNFPA〉 <―> 平和維持活動
    国連人口基金は開発途上国などにおいて人口関連の支援、リプロダクティブ・ヘルスにおける支援を行う機関である。平和維持活動は国連平和維持活動(PKO)が行う。
  4. 国連世界食糧計画〈WFP〉 <―> 二国間の国際保健医療協力
    国連世界食糧計画は飢餓や貧困の撲滅を目的として、紛争や自然災害などの緊急時に食料支援を行っている。二国間の国際保健医療協力は政府開発援助(ODA)で行われている。

国際機関の基本的な事業内容、特に健康福祉に関連する機関について覚えておこう。

ホルモンと産生部位の組合せで正しいのはどれか。(第101回)

①エリスロポエチン ― 腎 臓
②アドレナリン ― 副腎皮質
③成長ホルモン ― 視床下部
④レニン ― 膵 臓

  1. エリスロポエチン ― 腎 臓
    エリスロポエチンは腎臓の皮質から分泌されるホルモンで、骨髄に働きかけて赤血球の産生を増加させる。
  2. アドレナリン ― 副腎皮質
    アドレナリンは副腎髄質から分泌されるホルモンである。副腎皮質からは電解質コルチコイドや糖質コルチコイドが分泌される。
  3. 成長ホルモン ― 視床下部
    成長ホルモンは下垂体前葉から分泌されるホルモンである。視床下部からは下垂体前葉に作用する成長ホルモン放出ホルモンや成長ホルモン抑制ホルモンなどのホルモンが分泌される。
  4. レニン ― 膵 臓
    レニンは腎臓から放出されアンジオテンシンをつくる。膵臓はランゲルハンス島より、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する。

ホルモンを分泌する内分泌腺としては、下垂体(前葉・後葉)、甲状腺、副甲状腺(上皮小体)、膵臓ランゲルハンス島(膵島)、副腎(皮質・髄質)、性腺(精巣・卵巣)および視床下部、腎臓、松果体などがある。

レニンが分泌される臓器はどれか。(第100回)

①下垂体
②心 房
③副 腎
④腎 臓
⑤肝 臓

  1. 下垂体
    下垂体からは、下垂体前葉ホルモンとして副腎皮質刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・成長ホルモン・プロラクチン・黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモンが、下垂体後葉ホルモンとしてバソプレシン・オキシトシンが分泌される。
  2. 心 房
    心房からは心房性ナトリウム利尿ペプチドが分泌される。
  3. 副 腎
    副腎からは、副腎皮質ホルモンとして糖質コルチコイドや電解質コルチコイドが、副腎髄質ホルモンとしてアドレナリンやノルアドレナリンが分泌される。
  4. 腎 臓
    腎臓からはレニンやエリスロポエチンが分泌される。
  5. 肝 臓
    肝臓は消化液である胆汁を分泌する外分泌腺でもある。

レニンは腎臓から放出される蛋白質分解酵素で、アンジオテンシノゲンを分解してアンジオテンシンⅠをつくる。アンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素によってアンジオテンシンⅡとなり血圧を上昇させるはたらきをもつ。

血圧を上げる作用を持つのはどれか。2つ選べ。(第103回)

①レニン
②インスリン
③カルシトニン
④ソマトスタチン
⑤ノルアドレナリン

  1. レニン
    レニンは腎臓から分泌されるホルモンで、アンジオテンシンⅠをつくる。アンジオテンシンⅠが活性型のアンジオテンシンⅡとなると、血管を収縮させ、血圧を急速に上昇させる働きをもつ。
  2. インスリン
    インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがある。
  3. カルシトニン
    カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンで、血中カルシウム濃度を低下させる働きをもつ。
  4. ソマトスタチン
    ソマトスタチンは成長ホルモン抑制ホルモンとして視床下部から分泌される。また、膵臓の膵島のD(δ)細胞から分泌されるホルモンで、膵島のA(α)細胞からのグルカゴンとB(β)細胞からのインスリンの分泌を抑制する働きがある。
  5. ノルアドレナリン
    ノルアドレナリンは副腎髄質から分泌されるホルモンで、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる働きがある。

ホルモンの中には血管を収縮させて血圧を上昇させる、または血管を拡張させて血圧を下げるなどの働きをするものもある。

ホルモンとその作用の組合せで正しいのはどれか。(第104回)

①バソプレシン ― 利尿の促進
②オキシトシン ― 乳汁産生の促進
③テストステロン ― タンパク合成の促進
④アルドステロン ― ナトリウムイオン排泄の促進

  1. バソプレシン ― 利尿の促進
    バソプレシンは抗利尿ホルモンとも呼ばれ、下垂体後葉から分泌され、腎臓の集合管に作用して水の再吸収を促進して尿量を減少させる。
  2. オキシトシン ― 乳汁産生の促進
    オキシトシンは下垂体後葉から分泌され、成熟した乳腺に作用して乳汁の排出を促進する射乳作用がある。乳腺に働き乳汁産生の促進をするのは、下垂体前葉から分泌されるプロラクチンである。
  3. テストステロン ― タンパク合成の促進
    テストステロンは精巣から分泌される男性ホルモンで、第二次性徴の発現や精子形成を促進する。蛋白質合成の促進も行い骨格筋の発達を促す。
  4. アルドステロン ― ナトリウムイオン排泄の促進
    アルドステロンは副腎皮質から分泌される電解質コルチコイドで、腎臓の集合管に作用してナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進する。

卵巣と精巣は生殖細胞(卵子・精子)をつくる器官であるが、女性ホルモンと男性ホルモンを産生する細胞も含んでいる。

血中カルシウム濃度を上昇させるホルモンを分泌する器官はどれか。(第102回)

①副甲状腺
②甲状腺
③下垂体
④副 腎

  1. 副甲状腺
    血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺よりパラソルモンが分泌されて破骨細胞を刺激し、骨から血中へのカルシウム放出を促進させて血中カルシウム濃度を上昇させる。
  2. 甲状腺
    甲状腺から分泌されるカルシトニンは、破骨細胞を抑制させて骨形成を促進することにより、血中カルシウム濃度を低下させる。
  3. 下垂体
    血中カルシウム濃度を調節する働きを持ったホルモンは、下垂体からは分泌されない。
  4. 副 腎
    血中カルシウム濃度を調節する働きをもったホルモンは、副腎からは分泌されない。

パラソルモンが血中カルシウム濃度を上昇させ、カルシトニンが血中カルシウム濃度を低下させて、血中カルシウム濃度の調節が行われる。

日本の令和2年(2020年)における主要死因別にみた死亡率が最も高いのはどれか。(第103回改変)

①肺炎
②心疾患
③悪性新生物
④脳血管疾患

  1. 肺 炎
    日本の令和2年(2020年)における主要死因別にみた死亡率(人口10万対)では肺炎は63.6であった。
  2. 心疾患
    日本の令和2年(2020年)における主要死因別にみた死亡率(人口10万対)では心疾患は166.7であった。
  3. 悪性新生物
    日本の令和2年(2020年)における主要死因別にみた死亡率(人口10万対)では悪性新生物は307.0で最も高かった。
  4. 脳血管疾患
    日本の令和2年(2020年)における主要死因別にみた死亡率(人口10万対)では脳血管疾患は83.5であった。

日本の主要4死因として、肺炎、心疾患、悪性新生物、脳血管疾患の4つの推移が発表されている。

消化管の腫瘍で正しいのはどれか。(第95回)

①腺腫は非上皮性腫瘍である。
②大腸の腺腫は癌化しない。
③癌腫は上皮性腫瘍である。
④平滑筋腫は上皮性腫瘍である。

  1. 腺腫は非上皮性腫瘍である。
    腺腫は上皮性である。
  2. 大腸の腺腫は癌化しない。
    大腸の腺腫は癌化する。
  3. 癌腫は上皮性腫瘍である。
    消化管の主な癌腫(食道癌、胃癌、大腸癌)はすべて上皮性である。
  4. 平滑筋腫は上皮性腫瘍である。
    平滑筋種は非上皮性である。

消化管の主な悪性腫瘍(食道癌、胃癌、大腸癌)はすべて上皮性である。

急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。(第106回)

①好中球浸潤
②CRPの上昇
③リンパ球浸潤
④形質細胞の浸潤
⑤血管透過性の亢進

  1. 好中球浸潤
    好中球浸潤は急性炎症に特徴的な所見である。
  2. CRPの上昇
    急性炎症でも慢性炎症でもCRP値は上昇するので、急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的とはいえない。
  3. リンパ球浸潤
    リンパ球浸潤は慢性炎症に特徴的な所見である。
  4. 形質細胞の浸潤
    形質細胞の浸潤は慢性炎症に特徴的な所見である。
  5. 血管透過性の亢進
    血管透過性の亢進は急性炎症に特徴的な浮腫の原因である。

結核、梅毒、リンパ肉芽腫のような慢性炎症では細胞浸潤はリンパ球、形質細胞が主体である。

開放性損傷はどれか。2つ選べ。(第106回)

①切 創

②打撲傷
③擦過創
④皮下出血
⑤内臓損傷

  1. 切 創
    切創は開放性創傷に含まれる。一般的に「創」は開放性損傷を、「傷」は非開放性損傷を意味する。皮膚損傷の有無がポイントである。
  2. 打撲傷
    打撲は皮膚が破れることはないので非開放性創傷である。
  3. 擦過創
    擦過創は摩擦などにより表皮が削り取られた創傷である。創は真皮に達するので開放性損傷である。
  4. 皮下出血
    皮下出血では皮膚が破れることはないので非開放性損傷である。
  5. 内臓損傷
    内臓損傷は皮膚が破れることはないので非開放性損傷である。

一般的に「創」は開放性損傷を、「傷」は非開放性損傷を意味する。皮膚損傷の有無がポイントである。

疾病発生の外的要因のうち物理的要因はどれか。(第100回)

①細 菌
②紫外線
③一酸化炭素
④メチルアルコール

  1. 細 菌
    細菌は生物学的要因である。
  2. 紫外線
    代表的な物理的要因は紫外線と放射線である。
  3. 一酸化炭素
    一酸化炭素は化学的要因である。
  4. メチルアルコール
    メチルアルコールは化学的要因である。

外的要因は栄養障害、物理的要因、化学的要因、生物学的要因に大別される。主な物理的要因は気圧、音波、温度、電気、紫外線、放射線などである。

炎症の4徴候に含まれるのはどれか。2つ選べ。(第110回)

①壊 疽
②腫 脹
③膿 瘍
④発 赤
⑤浮 腫

  1. 壊 疽
    壊疽は炎症の4徴候に含まれない。
  2. 腫 脹
    腫脹は炎症の4徴候に含まれる。
  3. 膿 瘍
    膿瘍は炎症の4徴候に含まれない。
  4. 発 赤
    発赤は炎症の4徴候に含まれる。
  5. 浮 腫
    浮腫は炎症の4徴候に含まれない。

炎症の4徴候は腫脹、疼痛、発赤、発熱である。機能障害を加えて5徴候と呼ぶこともある。

レンサ球菌が主要な常在細菌叢として存在するのはどれか。2つ選べ。(第98回)

①口腔内
②上気道
③大腸内
④腟 内
⑤皮 膚

  1. 口腔内
    口腔内にはレンサ球菌群が常在する。口腔フローラ中で最も大きな比率を占めているため、口腔フローラに生息するレンサ球菌は口腔レンサ球菌とも呼ばれる。
  2. 上気道
    上気道(鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭)のうち鼻腔と咽頭にはフローラがある。ここのメインは肺炎球菌などのレンサ球菌群である。
  3. 大腸内
    大腸フローラにはレンサ球菌が少ない。
  4. 腟 内
    腟内フローラのメインは乳酸産生能を持つ桿菌群である。デーデルライン桿菌群とも呼ばれる。
  5. 皮 膚
    皮膚にもレンサ球菌はいる。しかし、常在細菌叢の主流派ではない。

本問の解答に必要な基礎知識は次の2つである。①人体で最大規模の常在細菌叢(フローラ)は皮膚にあり、表皮ブドウ球菌などのブドウ球菌群がメインであること、②次に大きな規模の常在細菌叢は腸管内にあり、乳酸菌群や大腸菌群がメインであること。これで選択肢[5]と選択肢[3]を除外できれば、正答に近づける。

クロイツフェルト・ヤコブ病で正しいのはどれか。(第95回)

①現時点では根治療法がない。
②性的接触によって感染する。
③病原体はウイルスである。
④項部強直がみられる。

  1. 現時点では根治療法がない。
    クロイツフェルト・ヤコブ病の根本的な治療法はまだ確立されていない。発病すると数年以内に死亡する。
  2. 性的接触によって感染する。
    孤発性CJDは原因不明であり、変異型CJDはウシ海綿状脳症(BSE)のプリオンに汚染された食品からの感染が考えられている。
  3. 病原体はウイルスである。
    病原体は異常プリオンという蛋白質であり、ウイルスではない。
  4. 項部強直がみられる。
    項部硬直はクロイツフェルト・ヤコブ病の診断基準には含まれていない。認知機能障害、運動失調、視覚異常などがみられる。

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は神経系の感染症である。病原体は異常プリオンという蛋白質である。これが脳に蓄積する結果、脳機能が障害される。主な症状は全身の不随意運動と急速に進行する認知症である。

ループ系利尿薬とジギタリス製剤を服用している。最も注意すべき血液検査項目はどれか。(第95回)

①カリウム値
②カルシウム値
③ビリルビン値
④クレアチニン値

  1. カリウム値
    ループ系利尿薬とジギタリス製剤を併用する際の最重要検査項目は血清カリウム濃度である。他の注意点は血圧、脈拍、尿量などである。
  2. カルシウム値
    ジギタリスの強心作用はナトリウムポンプを抑制し間接的に細胞内カルシウム濃度を上げることに起因する。したがって、カルシウム値も重要だが、最重要とはいえない。
  3. ビリルビン値
    血清ビリルビン濃度は肝機能や胆汁排泄機能と密接に関係する検査項目である。
  4. クレアチニン値
    血清クレアチニン濃度も注意すべき検査項目ではあるが、最重要とはいえない。

心不全の薬物療法、あるいは薬物相互作用に関する定番問題であり、出題頻度も高い。血清カリウム濃度が下がりすぎるとジギタリスの作用が促進され、ジギタリス中毒のリスクが高まる。

長期投与すると骨粗鬆症を発症するリスクが高まるのはどれか。(第101回)

①ビタミンD
②ビタミンK
③エストロゲン
④ワルファリン
⑤副腎皮質ステロイド

  1. ビタミンD
    活性化ビタミンDには骨量を増加させる作用があるため、骨粗鬆症の治療薬に用いられる。
  2. ビタミンK
    ビタミンK製剤(例:メナテトレノン)は骨粗鬆症の治療薬である。
  3. エストロゲン
    エストロゲンは骨粗鬆症の治療に用いられる。
  4. ワルファリン
    ワルファリンを長期投与した場合の副作用は出血傾向である。
  5. 副腎皮質ステロイド
    骨粗鬆症は副腎皮質ステロイドを長期投与した場合の代表的な副作用である。

骨粗鬆症は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌不足と関係が深く、閉経後の女性に好発する。骨密度が低下してもろくなるため脊椎、大腿骨頸部、橈骨遠位端など日常生活基本動作に必須な部位が折れやすいのが特徴である。ステロイド薬は骨粗鬆症を促進することで有名である。

ワルファリンとビタミンKとの関係はどれか。(第96回)

①相加作用
②相乗作用
③拮抗作用
④有害作用

  1. 相加作用
    相加作用ではない。
  2. 相乗作用
    相乗作用ではない。
  3. 拮抗作用
    ワルファリンはビタミンKのはたらきを阻害することで血液凝固を抑制する。このような作用形式を「拮抗」と呼ぶ。つまり、ワルファリンはビタミンK拮抗薬であるともいえる。
  4. 有害作用
    ビタミンKの作用を「邪魔」することがワルファリンの薬効なので、互いに邪魔する関係を有害作用とはいえない。

抗凝固薬ワルファリンに関する問題は頻出である。プロトロンビンなどの血液凝固因子は肝臓で合成されるときにビタミンKが必要である。ワルファリンはビタミンKの作用と拮抗することで凝固因子の合成を抑制する。

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