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第79回

尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。(第109回)

①肝硬変
②糖尿病
③尿路感染症
④ネフローゼ症候群

  1. 肝硬変
    肝硬変では陽性にはならない。
  2. 糖尿病
    糖尿病で陽性になる。
  3. 尿路感染症
    尿路感染症では陽性にはならない。
  4. ネフローゼ症候群
    ネフローゼ症候群では陽性にはならない。

絶食・飢餓・糖尿病によって細胞内のグルコースが不足したときに、肝臓でのクエン酸回路が十分に機能せず、代わりに脂肪酸が分解されて大量のアセチルCoAができ、これがケトン体となる。血中のケトン体はやがて尿中へと排泄され検出できる。尿ケトン体の基準値は陰性(-)で、陽性(+)の場合は、糖尿病や糖尿病ケトアシドーシスが考えられる。

糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。(第105回)

①総ビリルビン
②総コレステロール
③グリコヘモグロビン
④クレアチニンクリアランス

  1. 総ビリルビン
    総ビリルビンは寿命を終えた赤血球からつくられた間接ビリルビンと、間接ビリルビンから肝臓でグルクロン酸抱合を受けてできた直接ビリルビンの合計である。2mg/dL以上で黄疸の指標となる。
  2. 総コレステロール
    総コレステロールはLDLコレステロールやHDLコレステロールなどの血液中のコレステロールの総量である。脂質異常症の指標となる。
  3. グリコヘモグロビン
    グルコース(ブドウ糖)が赤血球のヘモグロビンと結合したものがグリコヘモグロビン(HbA1c)である。グリコヘモグロビンの比率を調べることで、血糖コントロールの指標となる。糖尿病患者の合併症予防では6.9%以下に保つことが指標である。
  4. クレアチニンクリアランス
    クレアチニンクリアランス(Ccr)は腎機能を反映する。血清クレアチニンは糸球体を通り再吸収されずに全量が排泄されるので、血液中と尿中のクレアチニンを比較すれば糸球体濾過量(GFR)が推測できる。

各検査値の意義と目的を整理しよう。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉に有効な薬はどれか。(第102回)

①バンコマイシン塩酸塩
②セファゾリンナトリウム
③ストレプトマイシン硫酸塩
④ベンジルペニシリンカリウム

  1. バンコマイシン塩酸塩
    バンコマイシン塩酸塩はグリコペプチド系の抗菌薬でMRSAに有効な薬である。
  2. セファゾリンナトリウム
    セファゾリンナトリウムはセフェム系第一世代の抗菌薬であるため、MRSAに有効ではない。
  3. ストレプトマイシン硫酸塩
    ストレプトマイシン硫酸塩はアミノグリコシド系の抗菌薬であるため、MRSAに有効ではない。
  4. ベンジルペニシリンカリウム
    ベンジルペニシリンカリウムはβラクタム系(ペニシリン系)の抗菌薬であるため、MRSAに有効ではない。

現在では、メチシリン耐性とはβラクタム系(ペニシリン系やセフェム系が含まれる)、アミノグリコシド系、マクロライド系など多くの抗菌薬に対し耐性をもつことを意味する。

ニトログリセリンの副作用はどれか。(第100回)

①多 尿
②易感染
③血圧の低下
④消化管からの出血

  1. 多 尿
    多尿は起こらない。
  2. 易感染
    易感染は起こらない。
  3. 血圧の低下
    血圧の低下はニトログリセリンの副作用の1つである。
  4. 消化管からの出血
    消化管からの出血は起こらない。

ニトログリセリンは、血管平滑筋内で一酸化窒素を放出して平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる作用がある。ニトログリセリンの副作用は血圧低下、頭痛、動悸などである。

昇圧作用があるのはどれか。(第101回)

①インスリン
②ワルファリン
③アドレナリン
④ニトログリセリン

  1. インスリン
    インスリンに昇圧、つまり血圧を上昇させる作用はない。インスリンは血糖を降下させる。
  2. ワルファリン
    ワルファリン(ワルファリンカリウム)に昇圧、つまり血圧を上昇させる作用はない。ワルファリンは抗凝固薬である。
  3. アドレナリン
    アドレナリンはショック時などに昇圧のために使用される。なお、注射薬の形態しかない。
  4. ニトログリセリン
    ニトログリセリンは血管を拡張させるので、昇圧とは反対の血圧を下げる作用をもつ。

昇圧薬にはカテコラミン(カテコールアミン)系のノルアドレナリンとアドレナリン、非カテコラミン系のエチレフリン塩酸塩などがある。

インスリン製剤に使用される単位はどれか。(第99回)

①モル(mol)
②単位(U)
③キロカロリー(kcal)
④マイクログラム(μg)

  1. モル(mol)
    インスリン1単位は約6nmol(ナノモル)に相当し、モルで表わせないわけではないが、濃度ではなく単位で投与量を決める。
  2. 単位(U)
    日本におけるインスリンのバイアル製剤(一部のペン型製剤は異なるため注意)の力価は100単位/mLに統一されており1単位(U)は0.01mLであるが、通常は体積や重量ではなく単位で投与量を決める。
  3. キロカロリー(kcal)
    キロカロリー(kcal)はエネルギーの単位で、1Lの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーが1kcalである。インスリンの単位ではない。
  4. マイクログラム(μg)
    マイクログラム(μg)は重量の単位である。なお、1000μg=1mgである。

インスリンや代表的な検査値の単位が出題されることがあるため、学習の際には注意を払っておく。

ステロイド薬の副作用(有害事象)はどれか。(第105回)

①便 秘
②口内炎
③低血圧
④骨粗鬆症

  1. 便 秘
    抗コリン薬、一部の経口血糖降下薬、一部の抗精神病薬、麻薬性鎮痛薬(モルヒネ)などの副作用として便秘が挙げられる。
  2. 口内炎
    抗癌薬の副作用として口内炎が挙げられる。抗癌薬の口内炎には、細胞の増殖を阻害する作用からくるものと、骨髄抑制による防御機能の低下からくるものがある。
  3. 低血圧
    狭心症治療薬(ニトログリセリン)、一部の中枢神経作用薬、抗炎症薬・解熱鎮痛薬などの副作用として血圧低下が挙げられる。
  4. 骨粗鬆症
    副腎皮質ステロイド薬の有害事象の1つとして骨粗鬆症が挙げられる。

副腎皮質ステロイドの長期投与の際の有害事象には骨粗鬆症のほか、満月様顔貌(ムーンフェイス)、動脈硬化病変、脂質異常症などが挙げられる。

モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。(第107回)

①出 血
②便 秘
③高血圧
④粘膜障害

  1. 出 血
  2. 便 秘
  3. 高血圧
  4. 粘膜障害

モルヒネ塩酸塩水和物は代表的な麻薬性鎮痛薬である。

ジギタリスの副作用(有害事象)はどれか。(第107回)

①難 聴
②悪 心
③易感染
④低血糖

  1. 難 聴
    難聴はアミノグリコシド系の抗菌薬、シスプラチン、フロセミドの副作用である。
  2. 悪 心
    悪心はジギタリス製剤の副作用の1つである。
  3. 易感染
    易感染が副作用にある薬剤は副腎皮質ステロイド薬や抗癌薬である。
  4. 低血糖
    低血糖が副作用にある薬剤はインスリンや経口血糖降下薬である。

強心薬であるジギタリス製剤は心不全の治療に用いられる。副作用に徐脈などの不整脈、消化器症状(悪心・嘔吐、下痢など)、視覚異常などがある。

看護過程における看護上の問題で正しいのはどれか。(第99回)

①問題の原因は1つにしぼる。
②原因が不明な事象は問題でない。
③危険性があることは問題になる。
④優先度は問題解決まで変更しない。

  1. 問題の原因は1つにしぼる。
    問題の原因や関連因子は1つにしぼれるとは限らない。いくつかある中で1つにしぼることによって問題の解決につながらない可能性があり、適切な看護診断ではない。
  2. 原因が不明な事象は問題でない。
    問題の原因が不明な場合でも看護上の問題として挙げる。原因にアプローチできなくても問題に対処する方法があることもある。また後に原因が明らかになる可能性もある。
  3. 危険性があることは問題になる。
    危険性があることも看護上の問題となる。例として「転倒・転落のリスク」がある。
  4. 優先度は問題解決まで変更しない。
    優先度を決定しても状況に応じて変更してよいし、あらかじめ設定した評価日に変更してもよい。問題解決まで変更してはならないということはない。

看護上の問題(看護問題)を明らかにすることは看護診断のプロセスに含まれる。

ループ利尿薬について正しいのはどれか。(第110回)

①作用発現が速い。
②眠前の服用が望ましい。
③抗不整脈薬として用いられる。
④副作用〈有害事象〉に高カリウム血症がある。

  1. 作用発現が速い。
    ループ利尿薬(フロセミド)は、作用発現が速いという特徴がある。一方、作用時間は短い。
  2. 眠前の服用が望ましい。
    眠前に服用すると利尿により夜間の睡眠が妨げられるおそれがあり、望ましくない。1日1回で朝の内服が一般的である。
  3. 抗不整脈薬として用いられる。
    ループ利尿薬は、おもにうっ血性心不全による浮腫の改善などに用いられるが、降圧薬としても用いられる。抗不整脈薬としては用いられない。
  4. 副作用〈有害事象〉に高カリウム血症がある。
    副作用には、高カリウム血症ではなく、低カリウム血症がある。

利尿薬の種類と特徴を覚えておこう。ループ利尿薬は、利尿薬の第一選択薬で、名前のとおり、おもにヘンレループ(係蹄)に作用する。

経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。(第110回)

①胃
②肝 臓
③小 腸
④腎 臓


  1. 胃では主に摂取した薬物が崩壊する。胃で吸収されるのはアルコールや少量の水などわずかな物質だけである。吸収された物質は門脈を経て肝臓へと運ばれる。
  2. 肝 臓
    初回通過効果は肝臓で行われる。
  3. 小 腸
    小腸では、主に薬物の吸収が行われる。吸収された物質は門脈を経て肝臓へと運ばれる。
  4. 腎 臓
    腎臓では、体内の薬物を尿として排泄する。

経口摂取した薬物が主に小腸から吸収され、門脈を通って肝臓に入り、その一部が代謝を受けることを初回通過効果という。

冷凍保存する血液製剤はどれか。(第101回)

①アルブミン

②グロブリン
③血小板
④血 漿

  1. アルブミン
    静注用アルブミン製剤は室温保存である。
  2. グロブリン
    グロブリン製剤は種類によって保存の温度が異なるが、蛋白質のため、凍結させると失活するので注意する。
  3. 血小板
    血小板製剤には濃厚血小板があり、保存温度は20~24℃で、水平振盪する必要がある。
  4. 血 漿
    血漿製剤には新鮮凍結血漿(FFP)があり、-20℃以下で保存する必要がある。

この問題では問われていないが、赤血球製剤は2~6℃で保存するのであわせて覚えておく。

緑内障で禁忌なのはどれか。(第98回)

①アトロピン
②インスリン
③フロセミド
④ジゴキシン

  1. アトロピン
    アトロピンは抗コリン薬であり、鎮痛・鎮痙・散瞳の作用を持つ。緑内障のある人に使うと、散瞳によって虹彩が隅角方向に寄り、眼圧が上昇するため禁忌である。また、前立腺肥大症の人には尿閉をきたすため禁忌である。
  2. インスリン
    緑内障とインスリンの間に関連はない。
  3. フロセミド
    緑内障と利尿薬のフロセミドの間に関連はない。
  4. ジゴキシン
    緑内障と強心薬のジゴキシンの間に関連はない。

抗コリン薬の有害作用は抗コリン作用の過剰であり、口渇・目のかすみ・心拍数の増加・尿閉・便秘などである。

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。(第100回)

①否定的感情の表出を受けとめる。
②正確に伝えるために専門用語を多く使う。
③会話の量と信頼関係の深まりとは比例する。
④患者の表情よりも言語による表現を重視する。

  1. 否定的感情の表出を受けとめる。
    否定的な感情の表出がされたら、それを否定せず受け止めることが適切である。
  2. 正確に伝えるために専門用語を多く使う。
    専門用語は患者には理解できない可能性が高いため、適宜言い換えたり、使う場合には説明したりしながらコミュニケーションをとる。
  3. 会話の量と信頼関係の深まりとは比例する。
    会話の量と信頼関係の深まりは比例するとは限らない。意思の交流や感情的共感、会話の目的が果たされたことなどによって信頼関係は深まる。
  4. 患者の表情よりも言語による表現を重視する。
    患者の非言語的表現より言語的表現を重視すべきとはいえない。どちらも重要であり、状況に応じて判断する。

患者とのコミュニケーションの際には、傾聴や共感的な態度が重要である。患者の話を聞くときだけでなく、患者に伝えるときにも工夫が必要である。

意識レベルを評価するのはどれか。(第99回)

①クレペリンテスト
②フェイススケール
③ロールシャッハテスト
④グラスゴー・コーマ・スケール

  1. クレペリンテスト
    クレペリンテスト(クレペリン試験)は、一定の時間内に一桁の計算をすることで評価する心理検査である。わが国では内田クレペリンテストとして普及している。
  2. フェイススケール
    フェイススケールは痛みの評価をするのに使用する。顔の表情のイラストを選んでもらうため、小児でも使用できる。
  3. ロールシャッハテスト
    ロールシャッハテストはインクのしみでできた図柄を使って人格診断を行う心理検査である。
  4. グラスゴー・コーマ・スケール
    グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)は意識レベルを評価する。「開眼」を4段階(1~4点)、「発語」を5段階(1~5点)、「運動」を6段階(1~6点)に分け、3つの最良の応答で評価し、合計点で重症度・緊急度を判断する。点数が低いほど意識レベルは低い。

代表的な意識レベルのスケールはJCS(ジャパン・コーマ・スケール)とGCS(グラスゴー・コーマ・スケール)である。

治療・ケアが疾患別に時系列で示されているのはどれか。(第101回)

①熱型表
②クリニカルパス
③問題志向型叙述記録
④フォーカスチャーティング

  1. 熱型表
    体温記録表のことを熱型表と呼ぶ。経過記録の一種であり、治療やケアは示されていないのが一般的である(体温以外のバイタルサインが含まれていても体温表と呼ぶ医療施設もあるので注意する)。
  2. クリニカルパス
    治療・ケアが疾患や処置別(検査や手術など)に時系列に示されたスケジュール表がクリニカルパスである。
  3. 問題志向型叙述記録
    PONR(問題志向型看護記録)の中にSOAPがあり、これらが叙述的経過記録(あるいは叙述的経過ノートなどという)である。叙述とは物事を順を追って述べることである。SOAPによって主観的情報・客観的情報・アセスメント・計画まで記録されるが、治療やケアが疾患別に時系列で示されてはいない。
  4. フォーカスチャーティング
    フォーカスチャーティングは記録者が注目しているものを記録し、患者の問題や目標にフォーカスを当てる記録方式である。DAR(情報・行為・反応の頭文字)で記述するが、治療やケアが疾患別に時系列で示されてはいない。

代表的な看護記録と、その構成要素について学習しておくこと。

入院中の乳児のバイタルサインで最初に測定するのはどれか。(第98回)

①体 温
②呼 吸
③脈 拍
④血 圧

  1. 体 温
    体温が最初は適切ではない。
  2. 呼 吸
    触らなくても測ることができる呼吸からがよい。
  3. 脈 拍
    脈拍が最初は適切ではない。
  4. 血 圧
    血圧が最初は適切ではない。

乳幼児の測定では準備と環境を整え、ディストラクション(気を紛らわすこと)の工夫をする。乳児は侵襲のないバイタルサインの測定でも怖がってしまうため、最も負担の少ないものから測定していく。したがって触らなくても測ることができる呼吸から始め、脈拍ー体温ー血圧の順で測定するとよい。

成人の安静時における所見で異常なのはどれか。(第104回)

①体温36.2℃
②呼吸数12/分
③脈拍116/分
④血圧128/84mmHg

  1. 体温36.2℃
    腋窩温で基準値は36.0~37.0℃である。36.2℃は基準値内で異常ではない。
  2. 呼吸数12/分
    安静時の呼吸数は12~20回/分である。12/分は異常ではない。
  3. 脈拍116/分
    安静時の成人の脈拍の基準値は60~90/分である。116/分は100/分以上であり頻脈である。
  4. 血圧128/84mmHg
    成人では収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上のどちらか、あるいはいずれも該当すると高血圧症である。したがって128/84mmHgは異常ではない。

バイタルサインの基準値を押さえておこう。

過呼吸で正しいのはどれか。(第109回)

①吸気時に下顎が動く。
②1回換気量が増加する。
③呼吸数が24/分以上になる。
④呼吸リズムが不規則になる。

  1. 吸気時に下顎が動く。
    吸気時に下顎が動く下顎呼吸は、臨死期にみられる異常な呼吸である。
  2. 1回換気量が増加する。
    過呼吸では、1回換気量が増加する。
  3. 呼吸数が24/分以上になる。
    呼吸数が24回/分以上になるのは頻呼吸である。
  4. 呼吸リズムが不規則になる。
    呼吸のリズムの異常には、チェーン・ストークス呼吸やビオー呼吸、クスマウル呼吸などがある。

正常な呼吸と異常な呼吸について基準値などを覚えておこう。過呼吸は、呼吸数は変化しないが、呼吸の深さ(1回換気量)は増加する。

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