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国家試験対策問題
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第68回 国家試験対策過去問題

国家試験

Ménière〈メニエール〉病で正しいのはどれか。(第109回)

①伝音性難聴を伴う。
②めまいは回転性である。
③発作期に外科治療を行う。
④蝸牛の機能は保たれている。

  1. 伝音性難聴を伴う。
    メニエール病では伝音性難聴ではなく感音性難聴となる。
  2. めまいは回転性である。
    メニエール病では回転性のめまいが生じる。
  3. 発作期に外科治療を行う。
    外科治療は薬物療法の効果がない、聴力の悪化がみられる場合に行う。術式は内リンパ囊開放術や前庭神経切断術などである。
  4. 蝸牛の機能は保たれている。
    蝸牛は音の振動を感知する部分で、膜迷路として内リンパをもつ。メニエール病では膜迷路内に内リンパ水腫ができるので、蝸牛の機能が低下する。

メニエール病の3徴は回転性めまい、感音性難聴、金属性の耳鳴である。

コンタクトレンズの使用に関連して起こり得るのはどれか。(第97回改変)

①白内障
②緑内障
③ぶどう膜炎
④アメーバ性角膜炎

  1. 白内障
    白内障は水晶体に混濁が生じる疾患で、加齢に伴う老人性白内障が多い。
  2. 緑内障
    緑内障は眼圧上昇などによって視神経が障害されることで起こる。
  3. ぶどう膜炎
    ぶどう膜炎はぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)に炎症が生じる疾患で、自己免疫や感染などの原因により生じる。
  4. アメーバ性角膜炎
    アメーバ性角膜炎(アカントアメーバ角膜炎)は、コンタクトレンズの不十分な消毒などの不適切使用によって生じる。

コンタクトレンズは角膜に直接矯正レンズを装着して視力矯正を行う器具である。角膜炎や結膜炎などの合併症が生じることがある。

55歳の男性。会社員。自家用車で通勤し、仕事ではパーソナルコンピュータを常時使用している。突然、左眼の視野欠損を生じ、眼科を受診した。診察の結果、左眼裂孔原性網膜剝離のため手術が必要であり、3日後に入院するよう説明された。入院までの生活指導で適切なのはどれか。(第97回)

①車の運転は問題ない。
②転倒しないよう階段はゆっくり昇降する。
③仕事は通常どおり行ってよい。
④右側は見えにくいので注意する。

  1. 車の運転は問題ない。
    視野欠損があるため、車の運転は控えたほうがよい。
  2. 転倒しないよう階段はゆっくり昇降する。
    視野欠損があるため、歩行時の転倒・転落には注意が必要である。階段は足下をよく見ながらゆっくりと昇降する必要がある。
  3. 仕事は通常どおり行ってよい。
    裂孔原性網膜剝離の原因である近視の状況を避けるため、パーソナルコンピュータを常時使用する仕事は控えたほうがよい。
  4. 右側は見えにくいので注意する。
    左眼に網膜剝離が生じているため、見えにくいのは左側と考えられる。左側に注意するように指導するのが適切である。

仕事でパーソナルコンピュータを常時使用していることから、近視によって裂孔原性網膜剝離が生じたと考えられる。

Aさん(48歳、男性)は、右眼の視野に見えにくい部位があることに気付き眼科を受診した。暗い部屋で見えにくいことはない。頭痛や悪心はない。Aさんの疾患を診断するのに必要な検査はどれか。2つ選べ。(第106回)

①脳波検査
②色覚検査
③眼圧測定
④眼底検査

  1. 脳波検査
    脳波検査は不要である。
  2. 色覚検査
    色覚検査は不要である。
  3. 眼圧測定
    緑内障は眼圧が上がって視神経を圧迫、障害することで発症するため、眼圧測定は必須である。
  4. 眼底検査
    緑内障は眼圧が上がって視神経を圧迫、障害することで発症するため、眼底検査は必要である。
  5. 眼球運動検査
    眼球運動検査は不要である。

緑内障と視野欠損について理解しておくとよい。視野欠損の原因は、緑内障、圧迫性視神経症、脳腫瘍などがある。視野欠損が緑内障によるものの場合は眼圧検査、隅角検査、眼底検査、光干渉断層計、視野検査が行われる。

上腕骨顆上骨折の早期合併症で注意が必要なのはどれか。(第100回)

①偽関節
②習慣性脱臼
③腕神経叢麻痺
④フォルクマン拘縮

  1. 偽関節
    偽関節は骨折後6~8か月で生じる恐れのある合併症である。
  2. 習慣性脱臼
    習慣性脱臼は繰り返す脱臼のことで、上腕骨顆上骨折では生じにくいと考えられる。
  3. 腕神経叢麻痺
    腕神経叢麻痺は上肢や頭頸部に強い牽引力が生じることで起こる。上腕骨顆上骨折では生じにくいと考えられる。
  4. フォルクマン拘縮
    フォルクマン拘縮は、前腕のコンパートメント症候群などで生じる不可逆性の阻血性拘縮である。上腕骨顆上骨折で行う外固定はフォルクマン拘縮の原因である前腕の筋肉の血流不足を生じさせることがある。

上腕骨顆上骨折は小児に多い骨折で、神経損傷やフォルクマン拘縮、内反肘などの合併症が生じやすい。

膝関節を含むギプス固定で起こりやすいのはどれか。(第95回)


  1. 足関節は伸展位(背屈位)であり、下垂足ではない。

  2. 足関節は中間位であり、下垂足ではない。

  3. 第1趾は伸展位であり、下垂足ではない。

  4. 足関節が屈曲位(底屈位)であり、下垂足である。

膝関節を含むギプス固定では、腓骨神経麻痺を起こすリスクが高い。腓骨神経麻痺が生じると足関節の伸展(背屈)ができなくなる下垂足が生じる。

高齢者の看護に活用できる理論とその説明の組合せで正しいのはどれか。(第101回)

①離脱理論 ― 高齢者の活動の権利を擁護する。
②生涯発達理論 ― 高齢者が生産活動に関与することで老化に適応する。
③ストレングスモデル ― 高齢者の強みを援助者が見出す。
④マズローのニード論 ― 高齢者が人生を振り返り意味を発見する。

  1. 離脱理論 ― 高齢者の活動の権利を擁護する。
    離脱理論は老化に関する社会学的理論で、属する社会から離れると、他者との相互作用が減少し、健康や身体機能を失うという理論である。
  2. 生涯発達理論 ― 高齢者が生産活動に関与することで老化に適応する。
    生涯発達理論は人生は一生を通して変化し発達するという理論である。
  3. ストレングスモデル ― 高齢者の強みを援助者が見出す。
    ストレングスモデルは高齢者の本来の強みに着目し、援助に活かすことである
  4. マズローのニード論 ― 高齢者が人生を振り返り意味を発見する。
    高齢者が人生を振り返り意味を発見するのはライフレビューであり、マズローのニード論は基本的欲求の5段階のことである。

老年看護学に関連する理論はさまざまに活用されるようになってきたので、ストレングスモデル、コンフォート理論、老化に関する社会学的理論などの内容まで学習する必要がある。

高齢者のエイジズムについて正しいのはどれか。(第103回)

①高齢者の価値を認めるものである。
②高齢者の権利を擁護するものである。
③高齢者を生活環境の違いで区別するものである。
④高齢者という理由で不当な扱いをするものである。

  1. 高齢者の価値を認めるものである。
    高齢者の価値を認めるものではない。
  2. 高齢者の権利を擁護するものである。
    高齢者の権利を擁護するものではない。
  3. 高齢者を生活環境の違いで区別するものである。
    高齢者を生活環境の違いで区別するものではない。
  4. 高齢者という理由で不当な扱いをするものである。
    高齢者のエイジズムは、高齢者という理由で不当な扱いをするものである。

エイジズムは年齢による差別のことで、特に高齢者差別のことをいう。高齢者の権利擁護については「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)に定められている。

高齢者における肺炎の三次予防はどれか。(第106回)

①口腔内の衛生管理
②肺炎球菌ワクチンの接種
③呼吸リハビリテーション
④健康診断での胸部エックス線撮影

  1. 口腔内の衛生管理
    口腔内の衛生管理は肺炎にならないための行動で、一次予防に該当する。
  2. 肺炎球菌ワクチンの接種
    肺炎球菌ワクチンの接種は肺炎にならないための行動で、一次予防に該当する。
  3. 呼吸リハビリテーション
    呼吸リハビリテーションは肺炎を起こした後の再発予防行動で、三次予防に該当する。
  4. 健康診断での胸部エックス線撮影
    健康診断での胸部エックス線撮影は肺炎を早期発見・早期治療につなげるための行動で、二次予防に該当する。

一次予防とは病気にならないための取り組み、二次予防とは健康診断など早期発見・早期治療のための取り組み、三次予防とはリハビリテーションによる社会復帰や再発防止のための取り組みのことである。

無尿時に原則として投与が禁忌なのはどれか。(第103回追試)

①マグネシウム
②ナトリウム
③カリウム
④クロール

  1. マグネシウム
    無尿を含む腎機能障害がある患者、便秘症の患者などでは高マグネシウム血症を起こすおそれがあるが、カリウムよりは緊急性が低い。
  2. ナトリウム
    ナトリウムも尿から排泄されるので無尿時にナトリウムが与薬されると高ナトリウム血症となる可能性はあるが、カリウムよりは緊急性が低い。無尿時の輸液ではナトリウムを含まない内容にするのが原則である。
  3. カリウム
    血清カリウムの基準値は3.5~5.0mEq/Lと範囲が狭く、高カリウム血症によって致死性の不整脈や心停止のおそれがある。カリウムイオンの90%は尿へと排泄されるため、無尿状態ではカリウム投与によって血清カリウム値が上昇しやすい。無尿時と同様に予備力の低い乳幼児、高齢者などにも注意が必要である。
  4. クロール
    クロールも尿から排泄されるので無尿時にクロールが与薬されると高クロール血症となる可能性はあるが、カリウムよりは緊急性が低い。

無尿などの腎機能障害のある患者で最も注意すべき電解質を考えよう。

介護老人福祉施設で正しいのはどれか。(第103回追試)

①介護保険施設の1つである。
②入所は市町村長の措置による。
③施設の定員規模は10人以下である。
④在宅復帰に向けたリハビリテーションを行うことを目的とする。

  1. 介護保険施設の1つである。
    介護老人福祉施設は介護保険施設の1つである。
  2. 入所は市町村長の措置による。
    介護保険法では措置はない。原則要介護3以上の認定を受けた人の希望による入所である。
  3. 施設の定員規模は10人以下である。
    介護老人福祉施設の定員は30人以上である。また、定員29人以下で運営される地域密着型介護老人福祉施設もある。
  4. 在宅復帰に向けたリハビリテーションを行うことを目的とする。
    在宅復帰に向けたリハビリテーションを行うことを目的とするのは介護老人保健施設である。

介護保険法の介護老人福祉施設は寝たきりや認知症などで、常に介護が必要で自宅での生活が難しい人のための施設で、原則要介護3以上の認定を受けた人が入所できる。老人福祉法では、特別養護老人ホームと呼ばれる。

日常生活動作が自立している後期高齢者への入院当日の対応で最も適切なのはどれか。(第97回)

①病棟内をともに歩き場所の確認をする。
②活動は必要最小限とし行動を制限する。
③寝衣や着替えは看護師が整理し収納する。
④預金通帳は患者と看護師で確認し病棟で預かる。

  1. 病棟内をともに歩き場所の確認をする。
    環境変化への適応が容易でない高齢者の場合、患者が入院生活を送るうえで必要な場所を実際に見ながら説明することで不安軽減・せん妄予防のケアにもなる。
  2. 活動は必要最小限とし行動を制限する。
    不用意な活動制限は、高齢者の自立を妨げ、不活動による弊害をもたらす恐れがある。
  3. 寝衣や着替えは看護師が整理し収納する。
    過度の干渉や援助は自立を妨げることにつながる。
  4. 預金通帳は患者と看護師で確認し病棟で預かる。
    日常生活が自立していた患者であれば、金銭管理も自分で行うことができると考えられる。

入院は誰もが不安を感じる経験であるが、高齢者では適応力の低下から、より環境の変化の影響が大きい。入院する高齢者の不安を取り除くケアを考えたい。

78歳の男性。自宅で突然倒れ救急車で来院した。体温36.5℃、呼吸数14/分、脈拍数80/分、血圧180/100mmHg、ジャパン・コーマ・スケールⅢ-100であった。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存療法を行うことになった。意識レベルを判断したときの患者の状態はどれか。(第95回)

①声かけすると覚醒する。

②呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する。
③痛み刺激で払いのける動作がみられるが、開眼しない。
④痛み刺激に反応しない。

  1. 声かけすると覚醒する。
    声かけで開眼するのは、Ⅱ-10である。
  2. 呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する。
    繰り返し呼びかけて開眼するのは、Ⅱ-30である。
  3. 痛み刺激で払いのける動作がみられるが、開眼しない。
    痛み刺激で払いのけ動作がみられるが開眼しないのは、Ⅲ-100である。
  4. 痛み刺激に反応しない。
    痛み刺激で反応しないのは、Ⅲ-300である。

意識レベルの評価には、ジャパン・コーマ・スケール(JCS)とグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)がある。特徴や状態を知っておこう。

90歳の男性。1人暮らし。肺癌末期で病状の説明はされている。食欲不振と呼吸困難とで1週前に入院し、酸素2L/分と塩酸モルヒネを投与したが、食事がとれなくなり傾眠状態が続いていた。本日朝、脈拍100/分、血圧80/46mmHg、動脈血酸素飽和度(SpO2)85%となった。弟への対応で適切でないのはどれか。(第98回)

①今後の見込みを説明する。
②ケアに参加できるように支援する。
③誰か会わせたい人がいるか尋ねる。
④安静のために静かに見守るよう指導する。

  1. 今後の見込みを説明する。
    臨死期に起こりうる呼吸変化や意識の低下などの身体的変化が自然な症状であることを家族に説明し、看取るうえで生じる不安や動揺をできるだけ少なくするケアが大切である。
  2. ケアに参加できるように支援する。
    看取りにおいては、家族が患者のためにやってあげられたという満足感を持つことも大切である。できるケアを共に行うことを勧める。
  3. 誰か会わせたい人がいるか尋ねる。
    最後の別れができるよう連絡を取ることも、患者のために家族ができる役割の1つである。
  4. 安静のために静かに見守るよう指導する。
    死に近づくと患者自身の意識は低下し、話しかけても反応できないことがあるが声掛けやスキンシップを取り、患者への親しみを表現することは可能である。

臨死期では精神的に不安定になる家族への支援も重要である。家族が感情を表出できるような支援を考える。

88歳の男性。慢性閉塞性肺疾患を長年患っている。他に慢性疾患の既往はなく日常生活動作はほぼ自立している。1週前から息苦しさが増強し、昨日から38.0℃の発熱があって受診した。経皮的動脈血酸素飽和度2>82%。動脈血ガス分析(room air):PaO2 45Torr、PaCO2 50Torr。胸部エックス線撮影の結果、右肺上葉に陰影を認め肺炎と診断された。このときの所見でみられる可能性が高いのはどれか。(第99回)

①胸部の打診での過共鳴音
②吸気と呼気との長さの比がほぼ2:1
③右胸の下肺野付近の皮膚に皮下気腫
④胸郭の前後径と左右径との比がほぼ1:2

  1. 胸部の打診での過共鳴音
    COPDでは、肺の過膨張のため打診では過共鳴音が聴取される。
  2. 吸気と呼気との長さの比がほぼ2:1
    COPDでは、末梢気道の狭窄や閉塞により、空気を呼出しづらくなるため、吸気より呼気のほうが長くなる。
  3. 右胸の下肺野付近の皮膚に皮下気腫
    皮下気腫は気胸や縦郭気腫などによって生じる。
  4. 胸郭の前後径と左右径との比がほぼ1:2
    通常胸郭は前後径:横径=1:1.5~2であるが、COPDでは前後径が増大し横径とほぼ同じ1:1になる。

COPDは主にタバコの煙の吸入などにより、不可逆的な気流の制限をきたす疾患である。

人工乳と比べた母乳栄養の利点で誤っているのはどれか。(第101回)

①消化吸収しやすい。
②感染防御作用がある。
③母子相互作用を高める。
④ビタミンK含有量が多い。
⑤アレルギーを生じる可能性が低い。

  1. 消化吸収しやすい。
    母乳による母乳栄養は、乳児にとって消化・吸収がよく、代謝の負担が少ないので正しい。
  2. 感染防御作用がある。
    母乳による母乳栄養は各種の免疫物質などが含まれ、乳児への感染防御作用があるので正しい。
  3. 母子相互作用を高める。
    母乳を与えることによる母子の触れ合いで、母子相互作用が高まるため正しい。
  4. ビタミンK含有量が多い。
    母乳にはビタミンKがほとんど含まれていない。ビタミンK には血液凝固作用があるため、不足すると出血傾向になることがある。
  5. アレルギーを生じる可能性が低い。
    母乳は乳児にとって抗原性が低く、母乳によってアレルギー反応を生じる可能性は低い。ただし、小児期のアレルギー疾患発症を予防する効果はない。

母乳による母乳栄養と人工乳それぞれの利点、欠点について理解しておこう。

フォローアップミルクで正しいのはどれか。(第110回)

①母乳の代替品である。
②鉄分が添加されている。
③離乳食を食べる直前に与える。
④離乳食開始の時期から与え始める。

  1. 母乳の代替品である。
    離乳食の補完のためであり、母乳の代替品ではない。
  2. 鉄分が添加されている。
    離乳食だけでは不足するカルシウムやミネラルなどの栄養素を補うため、鉄分が添加されている。
  3. 離乳食を食べる直前に与える。
    離乳食の栄養の補完のため、食後に与えるほうがよい。
  4. 離乳食開始の時期から与え始める。
    離乳食の牛乳代用品のため、フォローアップミルクの適用は9か月ころからである。離乳食の開始の時期から与え始めることは正しくない。

フォローアップミルクは、離乳食の補完として、離乳食だけでは摂れないカルシウムやミネラルなどの栄養素を補うことができる離乳食期のミルクのことである。

離乳の開始で正しいのはどれか。(第108回)

①離乳食は1日2回から開始する。
②人工乳はフォローアップミルクにする。
③哺乳反射の減弱が開始時の目安のひとつである。
④離乳食は歯ぐきでつぶせる硬さのものから始める。

  1. 離乳食は1日2回から開始する。
    離乳食は、1日1回1さじずつから始める。
  2. 人工乳はフォローアップミルクにする。
    フォローアップミルクは、離乳食の栄養不足を補うために飲むミルクのことであり、離乳食だけでは摂れないカルシウムやミネラルなどの栄養素を摂ることができる。使用する場合は食事が1日3回となった生後9か月以降に栄養の補助として使用する。
  3. 哺乳反射の減弱が開始時の目安のひとつである。
    通常生後5~6か月ころ、哺乳反射が弱まっていく過程で、スプーンが口に入ることも受け入れられていくため、離乳開始の目安の1つとなる。
  4. 離乳食は歯ぐきでつぶせる硬さのものから始める。
    離乳の開始では、なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与える。生後5~6か月ころが適切とされている。

成長・発達段階にあった無理のない離乳食の進め方をおさえておく。なお、最新の知見や授乳・離乳を取り巻く社会環境などの変化を踏まえ、平成31年(2019年)3月に「授乳・離乳の支援ガイド」が改定されている。

思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。(第106回)

①自我同一性の獲得
②心理的離乳
③愛着形成
④探索行動
⑤母子分離

  1. 自我同一性の獲得
    自我同一性の獲得とは、他者と比較しながら自分とはなにかを模索し、社会的自己・役割を見直していくことをいう。
  2. 心理的離乳
    心理的離乳とは、思春期に親や家族に反発する第二次反抗期がみられることである。親などから精神的に自立し、友人関係が重要となる。
  3. 愛着形成
    愛着とは、子どもが特定の人に対して特別な愛情を抱くことであり、親子の相互作用が大きく関係する。乳児期、特に生後6~8か月の子どもには愛着形成がみられる。
  4. 探索行動
    探索行動とは、乳幼児にみられる行動である。乳幼児が、知らない物事を理解するために周囲のいろいろな物について探索する行動である。
  5. 母子分離
    母と子どもが離れることをいう。これにより子どもに不安や混乱が生じることがある(分離不安)。また、成長・発達するにつれ、母親のそばを離れても不安がらないようになってくることを母子分離と呼ぶこともある。

思春期は、「自分」への問いを通して、自分自身を形成していく時期であり、自我同一性として自分らしさを確立していく。親や家族に対する反抗期を迎えたり、親子のコミュニケーションが不足しがちな時期である。

子どもへの処置時の対応で適切なのはどれか。(第96回)

①処置の説明は子どもに行わない。
②鎮静薬は使用しない。
③抑制帯を使用する。
④身体の露出は必要最小限にする。

  1. 処置の説明は子どもに行わない。
    子ども自身が納得して処置を受けるためには、発達段階に合わせて子どもが理解できるようにする。処置の目的や体験することを説明することで、子どもが心理的準備を行うことが必要である。
  2. 鎮静薬は使用しない。
    鎮静薬を適切に使用することは、子どもの処置に対する不安を緩和し、苦痛を最小限にするために必要である。
  3. 抑制帯を使用する。
    子どもを抑制する場合は、子どもの協力を得ることが困難で、処置を安全に行うことができない場合だけに限るなど必要最小限にする。
  4. 身体の露出は必要最小限にする。
    身体の露出を必要最小限にすることは、成人同様に必要なため適切である。

子どもにとって検査や処置は、痛みの有無にかかわらず不安や恐怖を伴う体験である。検査や処置を子ども自身ががんばって乗り越えるように、苦痛を最小限にし、安全に実施できるようにしていくことが大切である。

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