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国家試験対策問題
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第104回 国家試験対策過去問題

国家試験

看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。(第110回)

①20歳未満の者
②海外に居住している者
③罰金以上の刑に処せられた者
④伝染性の疾病にかかっている者 

  1. 20歳未満の者
    20歳未満の者という欠格事由はない。
  2. 海外に居住している者
    海外に居住している者という欠格事由はない。
  3. 罰金以上の刑に処せられた者
    罰金以上の刑に処せられた者は相対的欠格事由に相当する。
  4. 伝染性の疾病にかかっている者
    伝染性の疾病にかかっている者という欠格事由はない。

欠格事由とは免許を取得する場合に備えていてはならない要件のことである。現在は相対的欠格事由のみが規定され、国家試験合格後に個別に判断される。

マズローの基本的欲求階層で最上位の欲求はどれか。(第97回)

①安 全
②自 尊
③所 属
④自己実現

  1. 安 全
    安全の欲求は上から4番目の階層である。
  2. 自 尊
    自尊の欲求は上から2番目の階層である。
  3. 所 属
    所属の欲求は上から3番目の階層である。
  4. 自己実現
    自己実現の欲求は最上位の階層である。

一般的なマズローの欲求階層は5段階で、最上位が自己実現の欲求、最下位が生理的欲求である。

日本版デンバー式発達スクリーニング検査で90%の乳児の首がすわる月齢基準はどれか。(第95回)

①2か月
②4か月
③6か月
④8か月

  1. 2か月
    日本版デンバー式発達スクリーニング検査で2か月までに90%の乳児ができるようになるのは「正中線まで追視」などである。
  2. 4か月
    日本版デンバー式発達スクリーニング検査で90%の乳児の首がすわるのは4か月である。
  3. 6か月
    日本版デンバー式発達スクリーニング検査で6か月において90%の乳児ができるようになるのは「寝返り」や「玩具を取ろうとする」である。
  4. 8か月
    日本版デンバー式発達スクリーニング検査で8か月において90%の乳児ができるようになるのは「5秒以上座れる」である。

使われているのは改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査で、対象は0~6歳で4つの領域についてみる。日本版デンバー式発達スクリーニング検査で90%の乳児の首がすわるのは4か月である。

思春期に特徴的にみられるのはどれか。(第103回)

①愛着行動
②分離不安
③自己同一性の確立
④基本的信頼関係の確立

  1. 愛着行動
    愛着行動はアタッチメントとも呼ばれ、親子間における泣く・抱く・微笑む・目を合わせるなどの相互作用によってはぐくまれ、乳幼児期に特徴的にみられるものである。
  2. 分離不安
    乳児が親をはじめとする愛着をもっている人と離ればなれになることを極端に恐れ、母親の後を追う・母親がそばを離れると泣くなどの行動で示されるのが分離不安で、乳幼児期に特徴的にみられるものである。
  3. 自己同一性の確立
    自己同一性(アイデンティティ)の確立はエリクソンによる青年期の発達課題であり、思春期に特徴的にみられる。
  4. 基本的信頼関係の確立
    空腹や不快感で泣いたら養護者が世話をしてくれるという信頼感は、エリクソンによると新生児・乳児期の発達課題である。

心理・社会的側面の発達については、エリクソンの考え方が参考になる。

患者が自己採血で簡単に測定できるのはどれか。(第105回)

①血 糖
②カリウム
③カルシウム
④アルブミン  

  1. 血 糖
    血糖は患者が簡易に測定が可能である。自己血糖測定(SMBG)は穿刺して血液で測定、flash glucose monitoring(FGM)とcontinuous glucose monitoring(CGM)は毎回の穿刺なしで皮下の間質液中のグルコース濃度を測定することができる。
  2. カリウム
    カリウムは生化学検査であり、一定量の血液を採血し医療機関や検査機関にある機械で測定する必要がある。
  3. カルシウム
    カルシウムは生化学検査であり、一定量の血液を採血し医療機関や検査機関にある機械で測定する必要がある。
  4. アルブミン
    アルブミンは生化学検査であり、一定量の血液を採血し医療機関や検査機関にある機械で測定する必要がある。

専用の器具で患者自身が測定できるのは血糖である。

呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。(第107回)

①下肢を挙上する。
②胸骨圧迫を行う。
③回復体位をとる。
④自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。

  1. 下肢を挙上する。
    仰臥位で下肢を挙上した体位は脳血流が低下したときに下肢からの静脈還流の増加を目的として用いるが、血圧上昇の効果は一時的であるとされる。下肢を挙上したほうがよいと判断するには情報が少ない。
  2. 胸骨圧迫を行う。
    呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられるという情報だけで胸骨圧迫は行えない。呼吸がない場合や死戦期呼吸など呼吸はあるが普段どおりではない場合は人工呼吸よりも胸骨圧迫を優先する。
  3. 回復体位をとる。
    正常に呼吸しているものの反応がない傷病者の場合、選択肢の中では回復体位をとることが最も優先度が高い。側臥位回復体位にするのは、吐物などの誤嚥を防ぐためである。ただし頸椎損傷が疑われる場合には回復体位にはしない。
  4. 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。
    呼吸をしていない、あるいは死戦期呼吸のある傷病者に対して、自動体外式除細動器(AED)が到着するまで胸骨圧迫を行う流れとなっている。

一次救命処置の流れを、日本蘇生協議会「JRC蘇生ガイドライン2020」などで確認しておこう。

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。(第106回)

①発 露
②排 臨
③胎盤の娩出
④児頭の娩出
⑤子宮口の全開大 

  1. 発 露
    発露は陣痛間欠期にも陰裂間に児頭が見えたままになる現象で、第2期に起こる。
  2. 排 臨
    排臨は陣痛発作時に陰裂間に児頭が見えて陣痛間欠期には見えなくなる現象で、第2期に起こる。
  3. 胎盤の娩出
    胎盤の娩出は第3期に起こる。
  4. 児頭の娩出
    児頭の娩出は第2期の発露後に起こる。
  5. 子宮口の全開大
    選択肢の中で最初に起こるのは第1期の子宮口の全開大である。 

分娩は第1期~第4期まである。第1期は分娩が開始し、子宮口が全開大するまでである。第2期は子宮口全開大から始まり、排臨→発露を経て胎児が娩出するまでである。第3期では児が娩出され胎盤や胎児付属物が娩出されるまでをいう。第4期は胎盤娩出から2時間が経過するまでである。

ペニシリンの分類はどれか。(第103回追試)

①抗癌薬
②抗菌薬
③抗炎症薬
④抗ウイルス薬

  1. 抗癌薬
    抗癌薬ではない。抗癌薬には大きく分けてアルキル化薬、プラチナ製剤、抗癌性抗生物質、代謝拮抗薬などがある。
  2. 抗菌薬
    ペニシリンは抗菌薬である。
  3. 抗炎症薬
    抗炎症薬ではない。抗炎症薬の代表は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のインドメタシンや酸性抗炎症薬のアスピリンなどがある。
  4. 抗ウイルス薬
    抗ウイルス薬ではない。代表的な抗ウイルス薬にはアシクロビル、ジドブジン、オセルタミビルリン酸塩などがある。

ペニシリンはβラクタム系の抗菌薬である。ベンジルペニシリンカリウムが代表的である。

ワルファリンカリウム服用時に避けた方がよい食品はどれか。(第95回)

①緑 茶
②納 豆
③チーズ
④グレープフルーツ  

  1. 緑 茶
    緑茶はビタミンKを含有するものの、一般的には問題とならない。フマル酸第一鉄(鉄剤)は濃い緑茶について避けるよう添付文書に記載されている。
  2. 納 豆
    ワルファリンカリウムの持つビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害作用と拮抗するのがビタミンKである。したがってビタミンKを含む食品を避ける。納豆、クロレラ食品、青汁が添付文書に挙げられている。納豆は正しい。
  3. チーズ
    チーズはビタミンKの含有量が少ないため問題とならない。チーズが問題となる薬物にはイソニアジドがある。
  4. グレープフルーツ
    グレープフルーツはビタミンKの含有量が少ないため問題とならない。グレープフルーツが問題となる薬物には免疫抑制薬(シクロスポリンなど)、脂質異常症治療薬(シンバスタチンなど)、カルシウム拮抗薬(ニフェジピン、フェロジピンなど)がある。

薬剤との併用が問題となる食品の代表が納豆とグレープフルーツである。

薬機法による毒薬の表示はどれか。(第96回改変)

①黒地、白枠、白字
②白地、黒枠、黒字
③黒地、枠なし、白字
④白地、枠なし、黒字

  1. 黒地、白枠、白字
    毒薬は黒地・白枠・白字に、毒の文字を入れるよう規定されている。
  2. 白地、黒枠、黒字
    白地・黒枠・黒字ではない。
  3. 黒地、枠なし、白字
    黒地・枠なし・白字ではない。
  4. 白地、枠なし、黒字
    白地・枠なし・黒字ではない。

薬物の表示は頻出である。毒薬は黒地・白枠・白字に、毒の文字を入れるよう規定されている。なお、劇薬は白地・赤枠・赤文字に劇の文字を入れる。

成人男性に対して一時的な導尿をする際に、カテーテルを挿入する長さはどれか。(第101回)

①4~6cm
②8~10cm
③18~20cm
④28~30cm 

  1. 4~6cm
    成人男性に導尿を行う際のカテーテルの挿入の長さは4~6cmでは短すぎる。短すぎると膀胱まで届かず導尿ができない。
  2. 8~10cm
    成人男性に導尿を行う際のカテーテルの挿入の長さは8~10cmでは短すぎる。
  3. 18~20cm
    成人男性に導尿を行う際のカテーテルの挿入の長さは18~20cmが適切である。男性の尿道の長さが16~18cmなのでそれより少し長めとする。
  4. 28~30cm
    成人男性に導尿を行う際のカテーテルの挿入の長さは28~30cmでは長すぎる。長すぎると膀胱壁を傷つける恐れがある。

成人男性の尿道の長さは16~18cmである。

地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。(第105回)

①酸 素
②水 素
③窒 素
④二酸化炭素

  1. 酸 素
    酸素には温室効果はない。
  2. 水 素
    水素には温室効果はない。
  3. 窒 素
    窒素には温室効果はない。
  4. 二酸化炭素
    二酸化炭素は温室効果ガスの1つである。

人間活動によって温室効果ガスが発生し、大気中に放出され地球温暖化が進行する。温室効果ガスには、二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロンガスがある。地球温暖化を緩やかにするための国際的な取り組みとしては1997年に京都で開かれた第3回条約締約国会議(COP3)で、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づける合意文書(京都議定書)があった。その後、京都議定書の目標は達成されたとして2015年の第21回締約国会議(COP21)でパリ協定が合意され、2020年以降の世界的枠組みが話し合われた。

乳歯がすべて生えそろう年齢はどれか。(第110回)

①0~1歳
②2~3歳
③4~5歳
④6~7歳

  1. 0~1歳
    0~1歳ではない。
  2. 2~3歳
    2~3歳に生えそろう。
  3. 4~5歳
    4~5歳ではない。
  4. 6~7歳
    乳歯は6歳ころから抜け始め、永久歯が生え始める。

乳歯は生後6~8か月ころから生えはじめ、2~3歳ころに20本生えそろう。

ペニシリンの分類はどれか。(第103回追試)

①抗癌薬
②抗菌薬
③抗炎症薬
④抗ウイルス薬

  1. 抗癌薬
    抗癌薬ではない。抗癌薬には大きく分けてアルキル化薬、プラチナ製剤、抗癌性抗生物質、代謝拮抗薬などがある。
  2. 抗菌薬
    ペニシリンは抗菌薬である。
  3. 抗炎症薬
    抗炎症薬ではない。抗炎症薬の代表は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のインドメタシンや酸性抗炎症薬のアスピリンなどがある。
  4. 抗ウイルス薬
    抗ウイルス薬ではない。代表的な抗ウイルス薬にはアシクロビル、ジドブジン、オセルタミビルリン酸塩などがある。

ペニシリンはβラクタム系の抗菌薬である。ベンジルペニシリンカリウムが代表的である。

医薬品に関する禁忌を示すことが定められているのはどれか。(第104回)

①処方箋
②診断書
③看護記録
④添付文書

  1. 処方箋
    処方箋は医師または歯科医師が作成する指示書である。医師は、患者の氏名・年齢・薬名・分量・用法・用量・発行の年月日・使用期間・病院あるいは診療所の名称及び所在地または医師の住所を記載し、記名押印か署名をしなくてはならない。医薬品に関する禁忌は示さない。
  2. 診断書
    診断書に医薬品の禁忌を示す記載の必要が生じる状況は考えにくく、適切ではない。医師法では死亡診断書を含む診断書一般と死体検案書等の文書の交付義務を規定しているが、死亡診断書以外の診断書には法律で規定された書式はない。
  3. 看護記録
    看護記録の様式は法律で定められていないが、基礎情報(データベース)・看護計画・フローシートや経過記録・要約(サマリー)などの様式がある。医薬品に関する禁忌は示さない。ただし、診療記録には特定の患者に対する医薬品の禁忌について記録することはある。
  4. 添付文書
    「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」第52条において、医薬品は添付文書等に用法、用量、取扱い上の必要な注意を記載することとしている。具体的には、通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領」で警告や禁忌などを記載しなくてはならないと規定されている。

禁忌とは患者の症状や既往歴などから、当該医薬品をその患者に投与すべきでないことを示す。

緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。(第108回)

①コデイン
②アスピリン
③アトロピン
④フェニトイン

  1. コデイン
    コデインには抗コリン作用はなく、緑内障患者への投与は禁忌ではない。
  2. アスピリン
    アスピリンには抗コリン作用はなく、緑内障患者への投与は禁忌ではない。
  3. アトロピン
    アトロピンは抗コリン薬であり、房水の吸収を阻害して眼圧上昇を引き起こすため、緑内障患者への投与は禁忌である。
  4. フェニトイン
    フェニトインには抗コリン作用はなく、緑内障患者への投与は禁忌ではない。

緑内障患者への投与が禁忌の薬剤に、抗コリン薬、三環系抗うつ薬、抗不安薬などがある。

膀胱留置カテーテルの固定用バルーンに入れるのはどれか。(第96回)

①水道水
②エタノール
③滅菌蒸留水
④滅菌グリセリン

  1. 水道水
    固定用バルーンも膀胱内に入るため、内容物が漏れたときのことを考えると滅菌した水でなくてはならない。
  2. エタノール
    エタノールではカテーテルの素材が変質する恐れがある。また、固定用バルーンも膀胱内に入るため、もし漏れたときのことを考えるとエタノールは適さない。
  3. 滅菌蒸留水
    滅菌蒸留水が正しい。選択肢にはないが、生理食塩水では成分が結晶化して固定用バルーンから内容物が抜き取れなくなる恐れがある。
  4. 滅菌グリセリン
    滅菌グリセリンではカテーテルの素材が変質する恐れがある。また、固定用バルーンも膀胱内に入るため、もし漏れたときのことを考えるとグリセリンは適さない。

膀胱内は通常無菌状態であることを考えれば解答にたどり着ける。

成人患者に浣腸を行うときに、患者の体位で適切なのはどれか。(第100回)

①坐 位
②仰臥位
③右側臥位
④左側臥位

  1. 坐 位
    坐位では肛門が一番下に位置するので重力に逆らえず薬液が腸管へと流入しない。
  2. 仰臥位
    仰臥位では薬液を注入することが難しく、さらに肛門が一番下に位置するので重力に逆らえず腸管へと流入しにくい。
  3. 右側臥位
    右側臥位では直腸が下行結腸よりも下になり、薬液が流入しにくい。
  4. 左側臥位
    腸管の走行の点において、左側臥位で行うと薬液が直腸から下行結腸へ流れやすい。最も適切である。

浣腸施行時の体位に関する設問は頻出である。立位での施行は禁忌であることも押さえておこう。

警察庁の「令和2年(2020年)中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。(第104回改変)

①学校問題
②家庭問題
③勤務問題
④健康問題

  1. 学校問題
    学校問題は2.7%であった。
  2. 家庭問題
    2番目の経済・生活問題との差は小さく、家庭問題は3番目に多かった。
  3. 勤務問題
    勤務問題は4番目に多かった。
  4. 健康問題
    健康問題が最も多かった。

警察庁「令和2年中における自殺の状況」によると自殺者の総数は21,081人であった。原因・動機が特定できている者のうち、最も多いのが健康問題で67.4%を占めた。次いで経済・生活問題21.3%、家庭問題20.7%、勤務問題12.7%であった。

日本における令和2年(2020年)の部位別にみた悪性新生物の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。(第108回改変)

①胃
②肝及び肝内胆管
③気管、気管支及び肺
④結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸


  1. 男性で2位、男女計で3位である。
  2. 肝及び肝内胆管
    男性で5位、男女計で5位である。
  3. 気管、気管支及び肺
    男性で1位、男女計でも1位である。
  4. 結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸
    男性で3位、男女計で2位である。

令和2年(2020年)の性・部位別にみた悪性新生物の死亡数では、男性は気管、気管支及び肺、女性は大腸が最も多い。

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