Q.1
嚥下障害のある患者の食事の開始に適しているのはどれか。(第105回)
①白湯
②味噌汁
③ゼリー
④煮魚
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正解:3
嚥下のメカニズムには、口腔期→咽頭期→食道期の段階がある。嚥下障害は、特に咽頭期に障害があることからむせが生じやすい。咽頭期とは、嚥下反射によって食塊を食道へ送り込む動きをしている。咽頭期は送り込みやすい形状のもの(適度な水分とまとまりのある物:プリン、ゼリー、卵豆腐など)が誤嚥を起こさず安全である。誤嚥を起こしやすい形状としては、サラサラした液体、口腔内でまとまりにくい物、水分がなくパサパサした物、粘りの強い物、硬い物などが挙げられる。
Q.2
乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。(第100回)
①生後2~3か月
②生後6~12か月
③生後18~24か月
④生後36~42か月
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正解:2
生後4か月を過ぎると、特定の声や顔を識別できるようになる。そしてボウルビーによれば、生後6か月を過ぎる頃から、特定の人への愛着が形成されるとしている。通常特定の人は母親であることが多く、母親の姿を探したり後を追うようになる。そのため、見知らぬ人に対して顔をこわばらせて泣くなどの人見知りが始まる。
Q.3
インスリン療法で正しいのはどれか。(第89回)
①インスリンを長期保存するときは冷凍庫で保存する。
②やや多めの量から始めて徐々に減量する。
③ケトアシドーシスの治療に持続型インスリンの点滴静脈内注射を行う。
④導入時は中間型インスリンを用いる。
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正解:4
- インスリン製剤は高温や直射日光、凍結に注意して保存する。未使用のインスリン製剤は冷蔵、使用中のインスリン製剤は室温にて保存する。
- やや少なめの量から始めて、徐々に増量する。
- ケトアシドーシスの治療には、速効型インスリンの点滴静脈内注射を行う。
- 以前は導入時には中間型インスリンを用いることが多かったが、現在は持効型と超速効型インスリンを組み合わせて使用されることが多い。インスリン分泌は食事に応じた追加分泌と24時間にわたる基礎分泌から成立している。糖尿病におけるインスリン治療はインスリンの補充であり、生理的なパターンに近付けるようにする。中間型インスリンはインスリンの基礎分泌の補充として用いられる。
Q.4
精神疾患における神経伝達で正しいのはどれか。(第94回)
①シナプス後膜の受容体が消失する。
②シナプス間隙の伝達物質の種類が変わる。
③うつ病はアセチルコリンと関係が深い。
④統合失調症はドーパミンと関係が深い。
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正解:4
- 精神疾患によって受容体が変容することはない。
- 精神疾患によって伝達物質の種類が変わることはない。
- うつ病はアセチルコリンが関係するのではなく、セロトニンが不足すると考えられている。
- 統合失調症はアドレナリン、ノルアドレナリンの前駆物質であるドパミンの過剰により生じると考えられている。
Q.5
自力で動けない人の他動運動の目的で適切なのはどれか。(第99回)
①心筋酸素消費量の抑制
②消化管運動の抑制
③関節の拘縮予防
④肥満の予防
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正解:3
- 他動運動を行うと心筋酸素消費量は増加する。
- 消化管運動の抑制が起こるのは、食後に他動運動を行った場合などである。骨格筋への血液の需要が高まるため、消化活動が妨げられる。他動運動の目的ではない。
- 関節の拘縮予防のために行う。
- 自力で動けない場合の肥満予防は、食事摂取のコントロールが重要である。
Q.6
ハヴィガースト,R.J. による発達課題のうち、老年期の発達課題はどれか。(第105回)
①健康の衰退に適応する。
②大人の余暇活動を充実する。
③個人としての自立を達成する。
④大人の社会的な責任を果たす。
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正解:1
ハヴィガーストとは、個人が健全な発達を遂げるために発達のそれぞれの時期で果たさなければならない課題があると述べている。老年期の発達課題には以下の6つがある。
ハヴィガーストの老年期の発達課題
- ①肉体的な力や健康の衰退に適応すること。
- ②引退と収入の減少に適応すること。
- ③配偶者の死に適応すること。
- ④自分と同世代の人々と明るく親密な関係を結ぶこと。
- ⑤社会的・市民的義務を引き受けること。
- ⑥肉体的な衰退に伴う生活を満足して送れるよう準備すること。
- 老年期の発達課題である。
- 中年期の発達課題である。
- 青年期の発達課題である。
- 青年期の発達課題である。
Q.7
精神科病棟におけるケースカンファレンスの目的で適切でないのはどれか。(第89回)
①見方の異なる患者像を統合する。
②看護の一貫性を保つ。
③病棟の秩序の維持を図る。
④患者の対人関係を理解する。
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正解:3
- カンファレンスの目的の1つは、スタッフ間で異なる見方の患者像を統合することである。
- カンファレンスによって情報を共有し、看護の一貫性を保つことが重要である。
- 病棟の秩序の維持を図ることは管理の問題であり、ケースカンファレンスの目的とは異なる。
- 接する場面が異なれば対人関係の見方も異なるので、ケースカンファレンスの目的として適切である。
Q.8
思春期の性の特徴で誤っているのはどれか。(第93回)
①突発的な性行動がみられる。
②接触欲は男子より女子の方が強い。
③性行為実行率は近年増加傾向にある。
④同性間で性体験を比較しやすい。
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正解:2
- 思春期には突発的な性行動がみられる。
- 女子より男子の方が接触欲が強い。
- 思春期の性行為実行率は近年増加傾向にあり、それに伴う望まない妊娠・性感染症の若年化の問題が生じている。
- 思春期では性の成熟・性のめざめ以外に、自我の確立も進行するため、自己顕示性も高まる。
Q.9
A君(8歳、男児)は、先天性内反足の手術後、両下腿のギプス固定を行う予定である。手術前にA君に対してギプス固定後の日常生活に関する説明をすることになった。A君に対する看護師の説明で適切なのはどれか。(第104回)
①「シャワー浴はやめておきましょう」
②「ギプスの部分を高くしておきましょう」
③「足のゆびを動かさないようにしましょう」
④「ギプスを外すまでベッド上で過ごしましょう」
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正解:2
- ギプス固定中であってもギプスや包帯を濡らさないように保護すればシャワー浴は可能である。
- 下肢からの静脈還流量を促すために下肢を挙上する。
- 静脈血栓を予防するために足趾の運動を積極的に行うよう促す。また、腓骨神経麻痺の観察のためにも適宜運動の確認を行う。
- 車椅子に乗って行動することが可能である。
Q.10
ある組織では、リーダーの支援の下でグループ討議を経て方針を決定している。リーダーは、具体的な作業手順の決定を部下に委任している。このリーダーシップの型はどれか。(第100回)
①権力型
②民主型
③放任型
④専制型
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正解:2
- メンバーの意向には関係なく自分の考えや規制を押し付けるタイプ。
- メンバーを完全に信頼し、意思決定は各部署で行い、かつ全体としては統合されているスタイル。
- リーダーとしての役割を完全に放棄しているスタイル。
- メンバーに対する信頼が低く、意思決定にメンバーが参加することなく、すべてリーダーが行うスタイル。
Q.11
次の文を読み問題1に答えよ。
Aさん(47歳、男性)は、統合失調症で20年間精神科病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。
問題:
Aさんは物を捨てられず、ベッドの周囲には私物やゴミの入った大きなビニール袋が足の踏み場もないほど積み上げられている。Aさんがこのような状況にある原因で、可能性が低いのはどれか。(第100回)
①作業療法による疲労
②病状に伴う意欲の低下
③長期入院による施設症
④向精神薬の副作用による倦怠感
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正解:1
- 作業療法による疲労週に2回程度の作業療法が疲労をきたすとは考えにくい。
- 病状に伴う意欲の低下病状は安定しているが、20年以上も入院していることから、あらゆる意欲が低下していると思われる。
- 長期入院による施設症施設が作り出す障害を施設症と呼び、陰性症状をさらに悪化させることがある。
- 向精神薬の副作用による倦怠感20年間薬物療法を受け続けており、副作用による倦怠感が生じている可能性は大きい。
Q.12
正常な月経周期に伴う変化で正しいのはどれか。(第104回)
①排卵期には頸管粘液が増量する。
②月経の直後は浮腫が生じやすい。
③黄体から黄体形成ホルモン〈LH〉が分泌される。
④基礎体温は月経終了後から徐々に上昇して高温相になる。
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正解:1
- 排卵期は受精しやすい環境を作るため、頸管粘液の分泌量を増加し、精子の運動をスムーズにする。
- 排卵から月経開始までの黄体期には黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌される。黄体ホルモンには体内の細胞や組織に余分な水分を貯留させるはたらきがあり、浮腫などの月経前症候群が引き起こされるといわれている。
- 黄体から分泌されるホルモンは黄体ホルモン(プロゲステロン)で、黄体形成ホルモン(LH)は下垂体前葉から分泌されるホルモンである。
- 基礎体温の上昇は、黄体期のプロゲステロンの作用によるもので、排卵後に高温相となる。
Q.13
33歳の女性のAさんが、上口唇の水疱と痛みとを主訴に来院した。数年前から年に1、2回、同様の症状を繰り返している。上口唇の写真を示す。看護師がAさんに行う説明で適切なのはどれか。(第100回)

① 歯磨きは控える。
② 他の身体部位には生じない。
③ストレスが発症の誘因になる。
④ 他者への感染の危険性はない。
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正解:3 この写真は、口唇ヘルペスである。
- 感染性があるため、口腔ケアを行い清潔に保つ。
- 全身の皮膚や粘膜等に感染する。
- 単純ヘルペスウイルスの初感染後、神経節に潜伏感染したものが、ストレスや免疫力低下により発症をきたす。
- 感染性があるため、水疱に触らないよう潰さずに自分専用のタオルを使用する。
Q.14
2歳6か月の幼児で正常な発達と判断されるのはどれか。(第101回)
①前後上下の空間認識ができる。
②手掌全体で2cm角の積み木をつかむ。
③2~3か月前から二語文を話している。
④半年前から手を引かなくても歩けるようになった。
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正解:3
- 大脳の発達に伴って空間や時間の認識が広がってくるのは、4歳を過ぎてからである。
- 手掌全体で触れたものをつかむのは5~6か月である。
- 正常な発達過程では、2歳になると二語文を話すようになる。
- 通常1歳半で一人歩きができるようになり、2歳では走れるようになる。
Q.15
滅菌パックの開封の仕方で正しいのはどれか。(第95回)
①

②

③

④

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正解:4
- 紙製の滅菌袋はシールしている内側をシール部分に沿って開封する必要がある。
- 鑷子を滅菌袋から取り出すときは、鑷子の先端を下に向け把持部分から開ける。上下が逆になっている。
- はさみを入れている部分が滅菌物に触れており不潔である。
- 滅菌されたはさみを把持する部分から、シールしている内側をシール部分に沿って開封しており、この開封の仕方が正しい。
Q.16
世界保健機関〈WHO〉が定義する健康の概念で正しいのはどれか。(第101回)
①万人の有する基本的権利である。
②健康と不健康とは不連続である。
③身体的健康が最も重要である。
④病気や障害がないことである。
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正解:1
WHO憲章には「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱でないという状態ではない。到達しうる最高水準の健康を享受することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の1つである」と定義されている。なお、健康と不健康は連続するものである。
Q.17
次の文を読み問題に答えよ。
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHgと尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値でIgA腎症が疑われ入院した。(第105回)
問題:
AさんはIgA腎症と診断され、塩分1日6 gの減塩食が開始された。入院前は塩辛いものが好物で外食が多かったAさんは「味が薄くて食べた気がしない。退院後も続けられるかな」と話している。このときの対応で最も適切なのはどれか。
①「つらいですが慣れてきます」
②「最初に甘いものを食べてください」
③「各食事で均等に塩分を摂取しましょう」
④「酸味や香味を利用するとよいでしょう」
⑤「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」
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正解:4
- 患者の不安や訴えに寄り添い、支持する言葉がけとはいえない。
- 食事(献立)の内容にもよるので、本質的な解決策といえない。
- 運送会社勤務という職業柄、3食、塩分を均等に摂取するのは難しい。
- 食事に酸味や香辛料による香味を添えると、味にメリハリが生じ、薄味でも食べやすくなる。
- 市販のレトルト食品はむしろ塩分が強いので、活用は控えたほうが良い。
Q.18
Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経と診断された。今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。(第106回)
①血糖値
②骨吸収
③体脂肪率
④エストロゲン
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正解:2
Aさんは大幅な体重減少に伴って、脳の視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が減少する。そのため下垂体前葉からの性腺刺激ホルモンが減少し、さらに卵巣ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンの分泌が減少することによる、体重減少性無月経をきたしていると考えられる。また、エストロゲンが長期にわたって不足することで骨吸収が促進し、骨粗鬆症の原因となる。
- 低栄養状態であるため血糖値の上昇は考えにくい。
- 骨吸収の促進から骨粗鬆症をきたす可能性がある。
- 体重の減少や現在のBMI(15.6)から体脂肪率は減少していると考えられる。
- 無月経をきたしていることからエストロゲンは減少していると考えられる。
Q.19
会社員のAさんは、うつ病の診断で精神科クリニックに通院している。これまでも外来での診察中に、自責的な発言を繰り返していた。ある日、Aさんから外来看護師に自殺念慮の訴えがあった。外来看護師からAさんへの声かけで、最も適切なのはどれか。(第100回)
①「自殺はしてはいけないことです」
②「あまり深く考え過ぎないほうがいいですよ」
③「Aさんよりもつらい状況の人もいるのですよ」
④「死にたくなるくらいつらい気持ちでいるのですね」
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正解:4
うつ病の患者に対しては、患者を励ましたり叱咤するのではなく、患者の辛い気持ちを受容し、あたたかく支援的な態度で対応する。
Q.20
乳幼児のアタッチメント(愛着)の成立に必要な関わりはどれか。(第99回)
①就寝前にビデオを見せる。
②泣いているときに抱っこをする。
③けんかのときの謝り方を教える。
④危ないことをしていたら注意する。
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正解:2
アタッチメントとは、乳幼児と特定(主に母親)の人物との間に形成される情緒的な絆のこと。乳幼児が泣いたり笑ったりしたときに、きちんと応じることで形成される相互作用である。