Q.1
血液のpH調節に関わっているのはどれか。2つ選べ。(第110回)
①胃
②肺
③心 臓
④腎 臓
⑤膵 臓
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正解:2、4
- 胃
胃は取り入れた飲食物の消化と吸収および殺菌や胃液・ホルモンの分泌に働き、血液のpH調節には関与しない。 - 肺
動脈血の二酸化炭素分圧は肺の呼吸によって調節されるため、肺はpH調節に関与している。 - 心 臓
心臓は血液循環やホルモン分泌に働き、血液のpH調節には関与しない。 - 腎 臓
腎臓は尿の組成を変化させ、炭酸水素イオン濃度を調節しているため、pH調節に関与している。 - 膵 臓
腎臓は尿の組成を変化させ、炭酸水素イオン濃度を調節しているため、pH調節に関与している。
血液のpHが調節されることを酸塩基平衡と呼ぶ。pHは炭酸水素イオン濃度と動脈血の二酸化炭素分圧によって決まり、肺と腎臓によって調節される。
Q.2
全肺気量の計算式を示す。( )に入るのはどれか。(第101回)
*肺活量+( )=全肺気量
①残気量
②予備吸気量
③1回換気量
④予備呼気量
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正解:1
- 残気量
残気量は、肺活量の測定で最大限の呼息を行っても肺内に残っている空気のことで、肺活量に残気量をプラスした量が全肺気量となる。 - 予備吸気量
予備吸気量は、正常の吸息後にさらに努力して吸い込むことのできる空気量をいう。 - 1回換気量
1回換気量は、1回の呼吸で出入りする空気の量をいう。 - 予備呼気量
予備呼気量は、正常の呼息後にさらに努力して吐き出すことのできる空気量をいう。
全肺気量は、1回換気量・予備吸気量・予備呼気量・残気量・機能的残気量・肺活量のように分類される。
Q.3
縦隔に含まれるのはどれか。(第106回)
①肺
②胸 腺
③副 腎
④甲状腺
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正解:2
- 肺
肺は縦隔の左右の壁であり、縦隔には含まれない。 - 胸 腺
胸腺は胸骨の後ろ側にあり、心臓に出入りする大血管の前にあり、縦隔内に位置している。 - 副 腎
副腎は左右の腎臓の上に接していて、横隔膜より下方の腹部にある臓器である。縦隔には位置していない。 - 甲状腺
甲状腺は気管上部の前面、つまり頸部にある。縦隔内には位置していない。
縦隔とは、胸腔の中央部で左右の肺に挟まれた部分をいい、腹側は胸骨に、背側は胸椎に、下方は横隔膜に囲まれている。
Q.4
呼吸で正しいのはどれか。(第97回)
①横隔膜は吸気時に収縮する。
②睡眠時の呼吸は随意運動である。
③最大呼気時の機能的残気量は0になる。
④動脈血酸素分圧は肺胞内酸素分圧に等しい。
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正解:1
- 横隔膜は吸気時に収縮する。
横隔膜は、収縮すると下方に移動する。下方に移動すると胸腔を拡大することになり、吸息を行うことになる。 - 睡眠時の呼吸は随意運動である。
呼吸は意識しなくても、呼吸中枢の周期的な興奮により行われる。睡眠時の無意識状態でも同じで、随意運動ではない。 - 最大呼気時の機能的残気量は0になる。
最大呼気を行っても肺内に残っているのが残気量である。機能的残気量とは、予備呼気量と残気量を合わせた値なので、最大呼気で予備呼気量がなくなっても残気量分が残り0とはならない。 - 動脈血酸素分圧は肺胞内酸素分圧に等しい。
気管支静脈と肺静脈の合流などがあるので、動脈血酸素分圧(PaO2)は肺胞内酸素分圧より低い。
横隔膜は、胸腔と腹腔を上下に隔てている骨格筋で、体壁の腰椎・肋骨・胸骨から起こり、胸腔内にドーム状に入って中央で腱が集まり、腱中心として停止する。収縮すると腱中心が下がる。
Q.5
吸息時に収縮する筋はどれか。2つ選べ。(第104回)
①腹直筋
②腹横筋
③横隔膜
④外肋間筋
⑤内肋間筋
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正解:3、4
- 腹直筋
腹直筋は腹圧を高め呼息のために働く。 - 腹横筋
腹横筋は腹圧を高め呼息のために働く。 - 横隔膜
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる骨格筋で、収縮すると下降して(それにより胸腔は広がって)吸息が行われる。 - 外肋間筋
外肋間筋は、吸息時に収縮して肋骨を挙上し、胸腔を広げる。 - 内肋間筋
内肋間筋が収縮するのは呼息時である。収縮により肋骨が沈下し、胸腔を狭める。
呼吸運動には、胸式呼吸と腹式呼吸がある。胸式呼吸は、肋骨の挙上・下降によって吸息・呼息が行われる。腹式呼吸は、横隔膜および腹筋によって吸息・呼息が行われる。
Q.6
食道について正しいのはどれか。(第103回)
①厚く強い外膜で覆われる。
②粘膜は重層扁平上皮である。
③胸部では心臓の腹側を通る。
④成人では全長約50cmである。
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正解:2
- 厚く強い外膜で覆われる。
食道の外膜は、筋層の外側にある疎性結合組織のみの薄い層である。 - 粘膜は重層扁平上皮である。
食道の粘膜は、摩擦に抵抗を示す重層扁平上皮である。 - 胸部では心臓の腹側を通る。
食道は胸部、胸腔内では縦隔の後壁に沿って、胸椎の前方で気管と心臓の後方(背側)を下行している。 - 成人では全長約50cmである。
食道は喉頭の輪状軟骨下縁の高さ(第6頸椎位)で咽頭に続きはじまり、長さは25cmほどである。
食道は咽頭から胃につながる筋性の管で、胸部では縦隔内を下行して横隔膜を貫いて腹部に至り、胃の噴門へとつながる。
Q.7
漿膜はどれか。(第98回)
①腹 膜
②結 膜
③髄 膜
④滑 膜
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正解:1
- 腹 膜
腹膜・胸膜・心膜は漿膜である。漿膜には、器官の表面を覆う臓側葉と体壁内面を覆う壁側葉とがある。 - 結 膜
結膜は視覚における副眼器で、眼瞼の内面を覆う眼瞼結膜と眼球を覆う眼球結膜とがあるが、両者はつながって移行している。 - 髄 膜
髄膜は脳と脊髄を包む結合組織性の膜で、硬膜・くも膜・軟膜からなる。 - 滑 膜
滑膜は関節腔などの内面を覆い、滑液を分泌する。滑液包や腱鞘の内面も覆っている。
漿膜は、体腔とその内部にある器官の表面を覆い漿液を分泌する膜である。外界につながる中空性器官の内腔を覆い粘液を分泌する膜を粘膜という。
Q.8
嚥下で正しいのはどれか。(第95回)
①嚥下運動は不随意運動である。
②食塊は口腔→喉頭→食道と移動する。
③軟口蓋は気管と食道との交通を遮断する。
④食塊は蠕動運動によって食道内を移送される。
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正解:4
- 嚥下運動は不随意運動である。
嚥下運動は随意運動である。 - 食塊は口腔→喉頭→食道と移動する。
食塊は口腔から喉頭ではなく咽頭を通って食道へと移動する。 - 軟口蓋は気管と食道との交通を遮断する。
軟口蓋は鼻腔に続く咽頭鼻部と口腔に続く咽頭口部との間の交通を遮断する。 - 食塊は蠕動運動によって食道内を移送される。
食塊は食道壁の筋層(内輪走筋と外縦走筋)による蠕動運動によって食道内を移送される。
口腔で咀嚼された食物は、咽頭に運ばれ飲み下されて食道に入り、胃へと送られる。これを嚥下という。
Q.9
胃の主細胞で分泌されるのはどれか。(第103回追試)
①塩 酸
②内因子
③ガストリン
④ペプシノゲン
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正解:4
- 塩 酸
塩酸は胃酸ともいわれ、壁細胞から分泌され、胃での殺菌作用や不活性体のペプシノゲンを活性体のペプシンに変える働きをもつ。 - 内因子
内因子は胃腺の壁細胞から放出される糖蛋白質で、ビタミンB12はこの内因子と結合することではじめて吸収される。 - ガストリン
ガストリンは消化管ホルモンで、胃の幽門腺から分泌され、胃底腺に作用して胃酸の分泌を促進する。 - ペプシノゲン
胃壁にある胃液を分泌する胃腺(胃底腺)は、主細胞、壁細胞、副細胞と3種類の細胞を有している。主細胞はペプシノゲン、壁細胞は塩酸、副細胞は粘液と、それぞれ異なった物質を分泌している。
Q.10
蛋白質で正しいのはどれか。(第104回)
①アミノ酸で構成される。
②唾液により分解される。
③摂取するとそのままの形で体内に吸収される。
④生体を構成する成分で最も多くの重量を占める。
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正解:1
- アミノ酸で構成される。
蛋白質はアミノ酸が結合してできている。 - 唾液により分解される。
唾液に含まれるのはアミラーゼ(プチアリン)で、炭水化物の分解酵素である。アミラーゼは、デンプンをマルトース(麦芽糖)まで分解する。 - 摂取するとそのままの形で体内に吸収される。
蛋白質は摂取されるとアミノ酸まで分解される。蛋白質分解酵素としては、胃液中のペプシン、膵液中のトリプシンやキモトリプシンなどがある。 - 生体を構成する成分で最も多くの重量を占める。
人体を構成する最大の要素は、体重の約60%を占める体液の水分である。
蛋白質は人体固形成分の半分前後を占めている。
Q.11
栄養素と消化酵素の組合せで正しいのはどれか。(第99回)
①炭水化物 ― リパーゼ
②蛋白質 ― トリプシン
③脂 肪 ― マルターゼ
④ビタミン ― アミノペプチダーゼ
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正解:2
- 炭水化物 ― リパーゼ
リパーゼは、膵液や腸液中に含まれる脂肪の消化酵素である。 - 蛋白質 ― トリプシン
トリプシンは、膵液中に含まれる蛋白質の消化酵素である。 - 脂 肪 ― マルターゼ
マルターゼは、腸液中に含まれる炭水化物(糖質)の消化酵素である。 - ビタミン ― アミノペプチダーゼ
アミノペプチダーゼは、腸液中に含まれる蛋白質の消化酵素である。
各栄養素の消化酵素として、炭水化物(糖質)にはアミラーゼ・ラクターゼ・マルターゼ・スクラーゼなどが、蛋白質にはペプシン・トリプシン・アミノペプチターゼなどが、脂肪にはリパーゼがある。
Q.12
脂肪分解の過剰で血中に増加するのはどれか。(第99回)
①尿素窒素
②ケトン体
③アルブミン
④アンモニア
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正解:2
- 尿素窒素
尿素窒素は、蛋白質の分解によって血中に増加する。 - ケトン体
グルカゴンが脂肪細胞に作用して、脂肪が分解されることによりケトン体が生成される。 - アルブミン
アルブミンは血漿蛋白質の一種で、脂肪分解とは関係ない。 - アンモニア
アンモニアは蛋白質の分解で生じ、肝細胞によって尿素に変えられる。
インスリンとグルカゴンは膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンで、栄養素の合成や分解をする働きがある。グルカゴンはグリコーゲンに作用してグルコースを生成する。また、脂肪細胞に作用して脂肪からケトン体を生成する。
Q.13
ナトリウムイオンが再吸収される主な部位はどれか。(第102回)
①近位尿細管
②Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉下行脚
③Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉上行脚
④遠位尿細管
⑤集合管
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正解:1
- 近位尿細管
ナトリウムイオンは、近位尿細管でその約80%が再吸収される。 - Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉下行脚
ヘンレのループ下行脚では、主に水の再吸収が行われる。 - Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉上行脚
ヘンレのループ上行脚ではナトリウムイオンが再吸収されるものの、近位細尿管と比べると少なく、主な部位とは言えない。 - 遠位尿細管
遠位尿細管ではナトリウムイオンが再吸収されるものの、近位細尿管と比べると少なく、主な部位とは言えない。 - 集合管
最終的に残ったナトリウムイオンは集合管にて再吸収されるが、主な部位とは言えない。
腎臓内の腎小体の糸球体にて、1日約160Lの原尿がボウマン囊に濾過される。その約99%がボウマン囊に続く尿細管にて毛細血管に再吸収されるため、排出されるのは約1.5Lの尿量となる。尿細管は、ボウマン囊に続く近位尿細管、ヘンレループ(ヘンレ係蹄、下行脚・上行脚)、遠位尿細管となり、合流して集合管となる。
Q.14
腎臓について正しいのはどれか。(第105回)
①腹腔内にある。
②左右の腎臓は同じ高さにある。
③腎静脈は下大静脈に合流する。
④腎動脈は腹腔動脈から分かれる。
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正解:3
- 腹腔内にある。
腎臓は後腹壁の壁側腹膜の後方に位置していて、腹膜後器官に属する。 - 左右の腎臓は同じ高さにある。
それぞれ脊柱の左右に位置するが、右腎臓は肝臓の右葉によって圧迫されるため、左腎臓よりも半~1椎体だけ低く位置している。 - 腎静脈は下大静脈に合流する。
腎門から出てきた腎静脈は、左右とも下大静脈に合流する。なお、下大静脈は脊椎前面を走行する腹大動脈の右脇を上行しており、左腎静脈は腹大動脈を乗り越えて正中より右にある下大静脈に至るため右腎静脈より長い。 - 腎動脈は腹腔動脈から分かれる。
腎動脈は腹大動脈の臓側枝として、上腸間膜動脈の下方1~2cm・第2腰椎の高さで両方向へ分岐する。
腎臓は有対の器官で、脊柱の両側にあり、後腹壁の上前面にそれぞれ位置する。右腎臓の上部は肝臓の右葉と接している。内側縁中央にある陥凹を腎門といい、腎動脈・腎静脈・尿管・リンパ管・神経が出入りする。
Q.15
体温の調節機構で正しいのはどれか。(第100回)
①体温の調節中枢は脳幹にある。
②体温が上昇すると、骨格筋は収縮する。
③体温が上昇すると、汗腺は活性化される。
④体温が低下すると、皮膚の血流は増加する。
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正解:3
- 体温の調節中枢は脳幹にある。
体温の調節中枢は間脳の視床下部にある。脳幹とは中脳・橋・延髄をいい、間脳は含まれない。 - 体温が上昇すると、骨格筋は収縮する。
体温が上昇すると、骨格筋は弛緩して熱産生量を抑える。骨格筋が収縮するのは、熱産生量を増加させるときである。 - 体温が上昇すると、汗腺は活性化される。
体温が上昇すると、汗腺は活性化され発汗が起き、気化熱として体内の熱を放散する。 - 体温が低下すると、皮膚の血流は増加する。
体温が低下すると、皮膚の血管を収縮して血流を減少させ熱放散量を減らして体温調節をする。
体温の調節は、熱産生と熱放散が等しく釣り合うように行われる。熱産生は代謝活動で行われ、特に身体活動では骨格筋に由来する。熱放散には呼吸や体表面からの伝導・放射、発汗に伴う蒸発などがある。
Q.16
咀嚼で正しいのはどれか。
①唾液にはムチンが含まれている。
②咀嚼筋の不随意的収縮で行われる。
③舌の運動は三叉神経によって支配される。
④顎関節を形成するのは下顎骨と頬骨である。
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正解:1
- 唾液にはムチンが含まれている。
唾液は水溶液だが、ムチンやα-アミラーゼ(プチアリン)などの有機物も含む。 - 咀嚼筋の不随意的収縮で行われる。
咀嚼筋は、咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4種の骨格筋よりなる随意筋で、咀嚼は随意的収縮である。 - 舌の運動は三叉神経によって支配される。
舌の運動は、舌本体の内舌筋と舌骨舌筋などの外舌筋によって行われ、舌下神経に支配されている。 - 顎関節を形成するのは下顎骨と頬骨である。
顎関節は、下顎骨関節突起の下顎頭と側頭骨の下顎窩との間の関節である。
咀嚼とは、上顎の歯と下顎の歯による食物の噛みきりやすりつぶしである。その際、舌で食塊を移動し唾液と混ぜたりする。
Q.17
嚥下運動に伴って起こるのはどれか。2つ選べ。
①声門の開放
②舌根の沈下
③甲状腺の挙上
④後鼻孔の閉鎖
⑤耳管咽頭口の開口
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正解:4、5
- 声門の開放
声門は閉じて、食物が気道に入るのを防ぐ。 - 舌根の沈下
舌は挙上し食物を口腔内上部の軟口蓋に押しつけて口峡より咽頭へと送り出す。 - 甲状腺の挙上
喉頭蓋で喉頭口を蓋するために、甲状舌骨筋で甲状軟骨を引き上げ喉頭を上昇させるが、甲状腺は挙上されない。 - 後鼻孔の閉鎖
軟口蓋が後上方に押し上げられ咽頭後壁に押しつけられ、鼻腔と咽頭との連絡は断たれる。つまり鼻腔の後ろの口である後鼻孔が閉鎖されたことになる。 - 耳管咽頭口の開口
咽頭と鼓室の間の耳管は、通常ほとんど閉ざされたようになっているが、嚥下運動を行うと口蓋帆張筋が収縮し、耳管を開口して空気を鼓室に出入りさせる。
口腔内にて咀嚼された食物は、咽頭を通って飲み下されて食道へと運ばれる。咽頭は気道と消化管の共同の通り道であるので、この嚥下運動において、口腔と咽頭、鼻腔と咽頭、咽頭と喉頭の間をふさいで食物が呼吸路に入ることを防いでいる。
Q.18
小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。
①糖 質
②蛋白質
③電解質
④中性脂肪
⑤水溶性ビタミン
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正解:4
- 糖 質
糖質は、グルコース・フルクトース・ガラクトースとして腸絨毛の毛細血管網にて吸収され、門脈を通って輸送される。 - 蛋白質
蛋白質はアミノ酸として腸絨毛の毛細血管網にて吸収され、門脈を通って輸送される。 - 電解質
電解質(ナトリウム・カリウム・カルシウムなど)は腸絨毛の毛細血管網にて吸収され、門脈を通って輸送される。 - 中性脂肪
中性脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解され、胆汁酸の作用によってミセルを形成し、脂肪滴(カイロミクロン)となって腸絨毛内のリンパ管に吸収される。その後乳び槽に運ばれ、胸管を通って左静脈角で静脈中へと輸送される。 - 水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは小腸上部で腸絨毛中の毛細血管網にて吸収され、門脈を通って輸送される。
小腸での栄養素の吸収は、小腸内壁粘膜に密生する小突起、腸絨毛にて行われる。糖質・蛋白質・脂肪の分解産物や水、電解質、ビタミンなども腸絨毛内の毛細血管網や毛細リンパ管(乳び管)に吸収される。
Q.19
胃底腺の主細胞の分泌物に由来するタンパク分解酵素はどれか。
①アミラーゼ
②キモトリプシン
③トリプシン
④ペプシン
⑤リパーゼ
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正解:4
- アミラーゼ
アミラーゼは、デンプンをマルトース(麦芽糖)に分解する酵素で、唾液や膵液に含まれる。 - キモトリプシン
キモトリプシンはタンパク質分解酵素であるが膵液に含まれるものである。 - トリプシン
トリプシンはタンパク質分解酵素であるが膵液に含まれるものである。 - ペプシン
ペプシンはタンパク質分解酵素である。胃底腺の主細胞から分泌される不活性体のペプシノゲンが、胃酸の作用で活性体のペプシンとなる。 - リパーゼ
リパーゼは脂肪分解酵素で、膵液に含まれている。
胃液を分泌する胃底腺には、3種類の分泌細胞があり、それぞれ異なった物資を分泌する。主細胞はペプシノゲンを、壁細胞は塩酸を、副細胞は粘液を分泌する。
Q.20
脂肪の合成を促進するのはどれか。
①インスリン
②グルカゴン
③アドレナリン
④テストステロン
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正解:1
- インスリン
インスリンは、脂肪細胞にグルコースを取り込ませて脂肪を合成するはたらきがある。 - グルカゴン
グルカゴンは脂肪の合成ではなく、脂肪からケトン体を生成するはたらきがある。 - アドレナリン
アドレナリンはグリコーゲン分解を促進するはたらきがある。 - テストステロン
テストステロンは蛋白質同化作用がある。
インスリンとグルカゴンは膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンで、栄養素の合成や分解をするはたらきがある。