Q.1
医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。(第105回)
①静脈内注射
②診断書の交付
③末梢静脈路の確保
④人工呼吸器の設定の変更
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正解:2
- 静脈内注射
静脈内注射や末梢静脈路の確保は平成14年(2002年)の厚生労働省医政局長通知において「医師又は歯科医師の指示の下に保健師、助産師、看護師及び准看護師が行う静脈注射は、保健師助産師看護師法第5条に規定する診療の補助行為の範疇として取り扱うものとする」という行政解釈が出され、医師の指示の下で看護師が行えるようになった。禁止されてはいない。 - 診断書の交付
医師法により、医師に死亡診断書を含む診断書一般と死体検案書等の文書の交付義務を規定している。看護師が行ってはならない。 - 末梢静脈路の確保
選択肢[1]の解説と同様、医師の指示の下で看護師が行えるようになった。禁止されてはいない。 - 人工呼吸器の設定の変更
人工呼吸器の設定の変更は医師の指示のもとで行う場合のみ可能で、診療の補助行為である。なお、看護師が行える特定行為のなかに、侵襲的陽圧換気の設定の変更・非侵襲的陽圧換気の設定の変更がある。
看護師は、診療の補助の範疇にある行為であるとみなされた業務に関しては、医師の指示を受けて行うことができる(これを相対的医行為という)。
Q.2
看護師等の人材確保の促進に関する法律に記載されている事項はどれか。(第103回追試)
①資質の向上
②免許証の交付
③労働時間の設定
④育児休業の期間
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正解:1
- 資質の向上
資質の向上について記載されている。 - 免許証の交付
免許証の交付については記載されていない。 - 労働時間の設定
労働時間の設定については記載されていない。 - 育児休業の期間
育児休業の期間については記載されていない。
看護師等の人材確保の促進に関する法律には、看護師等の養成、処遇の改善、資質の向上、就業の促進、ナースセンターの指定などに関する記載がある。また、新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されている。
Q.3
マズロー,A.H.の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。(第109回)
①尊重されたい。
②休息をとりたい。
③他人と関わりたい。
④自分の能力を発揮したい。
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正解:1
- 尊重されたい。
人から尊重されたいと思うのは、承認の欲求である。 - 休息をとりたい。
休息を取りたいと思うのは、生理的欲求である。介入の優先度は生理的欲求が最も高い。 - 他人と関わりたい。
他人と関わりたいと思うのは、所属と愛の欲求である。 - 自分の能力を発揮したい。
自分の能力を発揮したいと思うのは、自己実現の欲求である。
マズローの欲求の階層について覚えておこう。低次の欲求から①生理的欲求、②安全の欲求、③所属と愛の欲求、④承認の欲求、⑤自己実現の欲求となっており、①②が基本的欲求、③④⑤が社会的欲求とされる。
Q.4
出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。(第103回)
①足踏み反射
②パラシュート反射
③Moro〈モロー〉反射
④Babinski〈バビンスキー〉反射
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正解:3
- 足踏み反射
足踏み反射(自動歩行反射)は生後1~2か月で消失する。 - パラシュート反射
パラシュート反射は原始反射ではない。生後6~7か月ころから出現する。 - Moro〈モロー〉反射
モロー反射は、乳児の頭部を支え、急に下げたり体位を変えたりすると、上肢を広げて抱きつくような動作のことをいい、生後3か月ころに消失する。 - Babinski〈バビンスキー〉反射
バビンスキー反射は原始反射で、1歳くらいまでに消失する。それ以降に陽性となるのは錐体路障害が疑われる。
出生時からみられる反射を原始反射という。
Q.5
母乳に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。(第108回)
①IgA
②IgE
③IgG
④IgM
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正解:1
- IgA
粘膜からの分泌液に多く含まれ、局所免疫を担う。母乳に多く含まれ、摂取した児の消化管の免疫として働く。血中の基準値は110~410mg/dLである。 - IgE
肥満細胞にIgEが付着し、そのIgEに抗原(アレルゲン)が結合すると肥満細胞からヒスタミンが放出されアレルギーが生じる。母乳に最も多い抗体ではない。 - IgG
血液中に最も多く含まれ、液性免疫の中心として働く。胎盤通過性があるため、出生後3か月程度生まれた児を感染から守る。母乳に最も多い抗体ではない。 - IgM
抗原が侵入すると最初につくられる抗体である。胎盤は通過しない。母乳に最も多い抗体ではない。
免疫グロブリンの機能や特徴を整理しておこう。
Q.6
乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。(第104回)
①生後1~2か月
②生後6~8か月
③生後18~24か月
④生後36~42か月
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正解:2
- 生後1~2か月
生後1~2か月ではない。 - 生後6~8か月
選択肢の中ではこれが最も近い。 - 生後18~24か月
生後18~24か月ではない。 - 生後36~42か月
生後36~42か月ではない。
視覚が発達し、人の顔を見分けられるようになるのは6~7か月ころである。
Q.7
初経を発来させるホルモンはどれか。(第96回)
①卵胞ホルモン
②抗利尿ホルモン
③副腎皮質ホルモン
④甲状腺刺激ホルモン
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正解:1
- 卵胞ホルモン
思春期に視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン・下垂から性腺刺激ホルモンが分泌されるようになると、性ホルモンが分泌される。女性の場合には卵巣からエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、特にエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用で初経が発来する。 - 抗利尿ホルモン
抗利尿ホルモンではない。 - 副腎皮質ホルモン
副腎皮質ホルモンではない。 - 甲状腺刺激ホルモン
甲状腺刺激ホルモンではない。
特に女性の性ホルモンには別名があり、正確に覚える必要がある。
Q.8
思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。(第108回)
①教師
②祖父母
③友人
④両親
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正解:3
- 教 師
権威である教師に対してはアンビバレント(両価的)な感情をもつ。 - 祖父母
両親・祖父母といった保護者に対してはアンビバレント(両価的)な感情をもつ。 - 友 人
思春期では友人とは秘密を共有するなど親密な関係を求める。 - 両 親
両親・祖父母といった保護者に対してはアンビバレント(両価的)な感情をもつ。
思春期は自己同一性の確立を目指す時期であり、両親・祖父母といった保護者や権威である教師に対しては反抗し独立しようとするが、依存や甘えもあるアンビバレント(両価的)な感情をもつ。
Q.9
乳歯で最初に生えるのはどれか。(第103回追試)
①切歯
②犬歯
③小臼歯
④大臼歯
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正解:1
- 切 歯
乳歯は6~8か月ころに正中線に最も近い中切歯、次にその隣の側切歯から生える。よって答えは切歯である。 - 犬 歯
切歯の奥にある犬歯は16~20か月ころに生える。最初ではない。 - 小臼歯
正中線から見て切歯-犬歯-小臼歯-大臼歯と奥に位置するが、乳歯には小臼歯はない。永久歯にのみ存在する。 - 大臼歯
正中線から見て切歯-犬歯-小臼歯-大臼歯と奥に位置するが、乳歯には大臼歯はない。永久歯にのみ存在する。
歯には乳歯と永久歯があるが、性別や歯の種類によって萌出の時期が異なる。
Q.10
世界保健機関〈WHO〉が平成12年(2000年)に提唱した「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」はどれか。(第111回)
①健康寿命
②健康余命
③平均寿命
④平均余命
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正解:1
- 健康寿命
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間は健康寿命である(0歳における健康余命)。 - 健康余命
平均余命のうち、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を健康余命という。 - 平均寿命
0歳における平均余命を平均寿命という。 - 平均余命
各年齢において、それ以降に平均して生存する期間を、平均余命という。
健康寿命・平均寿命・平均余命は、保健福祉水準の総合的な指標としてよく用いられる。言葉の意味の違いを覚えておこう。
Q.11
乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。(第102回)
①16本
②20本
③24本
④28本
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正解:2
- 16本
16本ではない。 - 20本
生えそろうと20本となる。 - 24本
24本ではない。 - 28本
13歳ごろに永久歯が28本生えそろい、30歳ころまでに智歯(親知らず)が生えれば32本となる。28本は13歳ころに生えそろう永久歯の数である。
乳歯は2~3歳ころ20本生えそろい、6歳ころから抜け始める。
Q.12
高齢者の転倒による骨折で最も多い部位はどれか。(第100回)
①尾骨
②肋骨
③頭蓋骨
④大腿骨
⑤肩甲骨
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正解:4
- 尾 骨
尾骨ではない。 - 肋 骨
肋骨ではない。 - 頭蓋骨
頭蓋骨ではない。 - 大腿骨
大腿骨が該当する。 - 肩甲骨
肩甲骨ではない。
老年看護学で最もよく扱う大腿骨の骨折を想起すればよい。転倒による骨折の状況の公的な統計はないが、高齢者に多い骨折部位には下部胸椎~腰椎、前腕骨、上腕骨、大腿骨(頸部が多い)であることから選択肢の中では大腿骨が該当する。
Q.13
これまでに獲得した知識を統合して物事に対処する能力はどれか。(第103回追試)
①記銘力
②想起力
③結晶性知能
④流動性知能
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正解:3
- 記銘力
記銘力や想起力は記憶に関係する能力である。記銘力は新しいことを記憶する力をいう。個人差はあるが加齢によって損なわれやすい。 - 想起力
記銘力や想起力は記憶に関係する能力である。想起力は持っている記憶を必要なときに思い出す力のことである。個人差はあるが加齢によって損なわれやすい。 - 結晶性知能
結晶性知能は学習や経験などから得た知識を統合して対処する能力である。加齢によって損なわれにくい能力である。 - 流動性知能
結晶性知能と対をなすのが流動性知能である。流動性知能は積み重ねられた知識を使わず、新しい問題に柔軟に対処する能力である。個人差はあるが加齢によって損なわれやすい。
記憶や知能に関する能力は、加齢によって損なわれやすいものと、加齢によって損なわれにくいものがある。
Q.14
医療法において、病院とは( )人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。( )に入るのはどれか。(第102回)
①10
②20
③50
④100
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正解:2
- 10
10人以上ではない。 - 20
20人以上と規定されている。 - 50
50人以上ではない。 - 100
100人以上ではない。
医療法第1条の五で『「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう』と規定されている。
Q.15
訪問看護ステーションの管理者となることができるのはどれか。(第101回)
①医師
②看護師
③薬剤師
④管理栄養士
⑤社会福祉士
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正解:2
- 医 師
医師は管理者になれない。 - 看護師
選択肢の中では看護師が該当する(介護保険法の指定を受ける場合には、助産師のみの免許をもつ者は管理者になれない)。 - 薬剤師
薬剤師は管理者になれない。 - 管理栄養士
管理栄養士は管理者になれない。 - 社会福祉士
社会福祉士は管理者になれない。
訪問看護ステーションの管理者、常勤職員数、サービスが提供できる職種は頻出の知識である。「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」は「指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師、助産師または看護師でなければならない」と規定している。
Q.16
医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれか。(第110回)
①診療所
②特定機能病院
③地域医療支援病院
④臨床研究中核病院
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正解:2
- 診療所
医療法で「医師または歯科医師が、公衆または特定多数人のため医業または歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と規定されている。 - 特定機能病院
医療法で「高度の医療を提供する能力を有すること」「高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること」と規定されている。 - 地域医療支援病院
医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と規定されている。 - 臨床研究中核病院
医療法で「特定臨床研究に関する計画を立案し実施する能力を有すること」「特定臨床研究の実施の主導的な役割を果たす能力を有すること」と規定されている。
選択肢はすべて医療法に規定された医療機関である。そのうち特定機能病院は高度の医療の提供、高度の医療技術の開発、高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院である。
Q.17
一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者【 】人に対して看護師及び准看護師1人と法令で定められている。【 】に入るのはどれか。(第107回)
①2
②3
③4
④6
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正解:3
- 2
2:1ではない。 - 3
3:1と定められている。 - 4
4:1ではない。 - 6
6:1ではない。
医療法第21条で「病院や療養病床を有する診療所は、厚生労働省令で定める員数の医師、歯科医師、看護師等を有しなければならない」と規定されている。厚生労働省令では一般病床の看護配置について3:1と定めている。なお、療養病床と療養病床を有する診療所は4:1、特定機能病院は2:1である。
Q.18
成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。(第105回)
①20滴
②40滴
③60滴
④80滴
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正解:1
- 20滴
20滴/mLは成人用の輸液セットである。 - 40滴
40滴という輸液セットはない。 - 60滴
60滴/mLは小児用の輸液セットである。 - 80滴
80滴という輸液セットはない。
平成21年(2009年)4月1日以降は20滴/mLおよび60滴/mL以外の輸液セットおよび輸血セットの販売はできなくなった〔平成17年(2005年)3月25日厚生労働省告示第112号〕。同時に輸液ポンプも20滴および60滴以外の滴数のセットの使用はできなくなった。20滴/mLは成人用で、60滴/mLは小児用の輸液セットである。
Q.19
湿性罨法はどれか。(第103回)
①氷枕
②冷パップ
③湯たんぽ
④電気あんか
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正解:2
- 氷 枕
氷枕は乾性冷罨法である。 - 冷パップ
冷パップ、冷湿布は湿性冷罨法である。 - 湯たんぽ
湯たんぽは乾性温罨法である。 - 電気あんか
電気あんかは乾性温罨法である。
罨法は温熱刺激か寒冷刺激か、また濡れた状態か濡れていない状態かにより、湿性温罨法・湿性冷罨法・乾性温罨法・乾性冷罨法に分けられる。
Q.20
酸素吸入中に使用を禁止するのはどれか。(第103回)
①携帯電話
②ライター
③電動歯ブラシ
④磁気ネックレス
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正解:2
- 携帯電話
携帯電話の使用は禁止されない。 - ライター
ライターの使用はできない。 - 電動歯ブラシ
電動歯ブラシの使用は禁止されない。 - 磁気ネックレス
磁気ネックレスの使用は禁止されない。
酸素は燃焼を助ける助燃性をもっており、酸素吸入中は酸素供給源から2m以内は火気厳禁とする。使用によって火花や静電気が生じる電化製品なども同様である。