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国家試験対策問題
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第93回 国家試験対策過去問題

国家試験

空気感染を予防するための医療者の個人防護具で適切なのはどれか。(第110回)

①手 袋

②N95マスク
③シューズカバー
④フェイスシールド

  1. 手 袋
    手袋は接触感染の防止に用いる。
  2. N95マスク
    N95マスクは空気感染の防止に用いる。
  3. シューズカバー
    シューズカバーは湿性生体物質に靴が汚染されるおそれがある場合(接触感染の防止)に用いる。
  4. フェイスシールド
    フェイスシールドは飛沫感染の防止に用いられる。

感染経路別予防策には、飛沫感染予防策、空気感染予防策、接触感染予防策がある。

経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法はどれか。(第103回追試)

①挿入した経鼻胃管の長さの確認

②口腔内の観察
③胃液の吸引
④水の注入

  1. 挿入した経鼻胃管の長さの確認
    経鼻胃管が誤挿入されている場合には、長さが適切であっても胃内に胃管が到達していないことがある。挿入した長さで確認することはできない。
  2. 口腔内の観察
    経鼻胃管が誤って口腔内へ侵入していることがあるので、これを確認するには役に立つが、口腔内に胃管が侵入していないことが胃内に胃管が到達している証ではない。
  3. 胃液の吸引
    選択肢の中で最も確実な方法は胃液の吸引である。液体が引けたことだけで胃内に胃管があると判断せず、胃液であるかどうかpHを確認し、5.5未満(制酸剤が与薬されていない患者の場合)であることを確かめる。
  4. 水の注入
    胃管が気管に誤挿入されていたり、消化管の壁を突き破ってしまっている場合に水を注入することは禁忌である。これらの可能性を考え、水を注入しない。また、注射器で空気を送り、その音を胃部で聴取する方法も不確実であるため注意する。

日常的に行うことは難しいが、胃管はX線撮影で確認できるようにつくられているため、X線撮影で確認するのが最も確実である。ただし、選択肢にはX線撮影がないため、別の方法を選択する必要がある。

薬物の効果発現が最も速い与薬方法はどれか。(第97回)

①皮下注射
②経口与薬
③直腸内与薬
④静脈内注射

  1. 皮下注射
    皮下注射は最も速い方法ではない。
  2. 経口与薬
    経口与薬は肝臓での代謝を経るため最も遅い方法である。
  3. 直腸内与薬
    正しく挿入されていることが前提であるが、直腸内与薬(坐薬の使用)により薬物は直腸の静脈内へと吸収される。静脈内与薬の次に薬物血中濃度の上昇速度が速い。
  4. 静脈内注射
    静脈内注射は最も薬物血中濃度の上昇速度が速い。

薬物血中濃度の上昇速度の原則は覚えておく。静脈内与薬>直腸内与薬>筋肉内注射>皮下注射>皮内注射>経口与薬の順である。薬物血中濃度の上昇速度が速いということは効果発現が速いことに関係する。

死の三徴候に含まれるのはどれか。(第109回)

①筋の弛緩
②角膜の混濁
③呼吸の停止
④呼名反応の消失

  1. 筋の弛緩
    筋の弛緩は死の三徴候ではない。筋肉は死後硬直し、その後、硬直がとける。
  2. 角膜の混濁
    角膜の混濁は死の三徴候に含まれない。
  3. 呼吸の停止
    呼吸の停止は死の三徴候に含まれる。
  4. 呼名反応の消失
    呼名反応の消失は死の三徴候に含まれない。意識障害の判定に用いる。

死の三徴候とは、心臓(心拍動)の停止、自発呼吸の停止、瞳孔散大および対光反射の消失である。

死の三徴候に基づいて観察するのはどれか。(第107回)

①腹壁反射
②輻輳反射
③対光反射
④深部腱反射

  1. 腹壁反射
    腹壁反射とは、腹壁の皮膚を外側から内側に向かって軽く擦ると、腹壁筋が収縮する反射である。上位運動ニューロン障害によってこの反射が消失するので、診察の際に利用される。
  2. 輻輳反射
    輻輳反射は、眼前の物体を見るとき、両眼の視軸がその物体に集まるように左右の眼球が内転し、縮瞳する反射である。
  3. 対光反射
    対光反射を観察する。なお、脳死の判定には脳幹反射の消失があり、その詳細は対光反射・角膜反射・毛様脊髄反射・眼球頭反射・前庭反射・咽頭反射・咳反射である。いずれにしても対光反射の消失が含まれる。
  4. 深部腱反射
    深部腱反射は、腱や骨の突端を急に叩くことによって引き起こされる神経疾患の診断に重要な反射である。全身性の末梢神経障害などで、深部腱反射の消失がみられる。

死の三徴候は頻出の内容である。死の三徴候とは、①心臓停止、②呼吸停止、③瞳孔散大および対光反射の消失をいう。

胃潰瘍の患者にみられる少量の吐血の特徴はどれか。(第97回)

①泡沫状
②アルカリ性
③アンモニア臭
④コーヒー残渣様

  1. 泡沫状
    胃潰瘍の出血では泡沫状にはならない。泡沫状なのは喀血の特徴である。
  2. アルカリ性
    胃潰瘍の出血は胃酸の影響で酸性である。血液そのものは弱アルカリ性であるため、呼吸器からの喀血は胃酸などの影響は受けずアルカリ性となる。
  3. アンモニア臭
    胃潰瘍の出血にアンモニア臭はない。
  4. コーヒー残渣様
    胃酸の影響で血液中のヘモグロビンが塩酸ヘマチンになる。塩酸ヘマチンは黒褐色なので、コーヒー残渣様が少量の吐血の場合の特徴となる。ただし大量出血の場合に胃酸の影響を受ける時間がなければ鮮血色となる。

吐血と喀血の特徴を区別しておきたい。

空腹時の腹痛を特徴とする疾患はどれか。(第97回改変)

①虫垂炎
②胆石症
③腸閉塞
④十二指腸潰瘍

  1. 虫垂炎
    虫垂の内部に細菌が感染し、炎症が生じた状態である虫垂炎は、初期の心窩部痛や、触診による右下腹部の圧痛などが特徴である。空腹時の腹痛が特徴的であるとはいえない。
  2. 胆石症
    胆石症は食後、特に脂肪の多い食事を摂った後に腹痛が起こりやすい。空腹時の腹痛が特徴的であるとはいえない。
  3. 腸閉塞
    腸閉塞は、何らかの原因によって腸管内容物の肝門側への通過が障害された状態である。原因によって症状は異なるが、空腹時の腹痛が特徴的であるとはいえない。
  4. 十二指腸潰瘍
    十二指腸潰瘍は空腹時に腹痛が起こりやすい

十二指腸潰瘍は空腹時に、胃潰瘍は食後に腹痛が起こりやすいことを覚えておきたい。

全身性のけいれん発作時の対応で優先するのはどれか。(第101回)

①血圧測定
②四肢の固定
③気道の確保
④静脈路の確保

  1. 血圧測定
    全身性のけいれん発作の最中に血圧を測定することは困難であり、危険でもある。けいれん発作が治まってから行う。
  2. 四肢の固定
    全身性のけいれん発作の最中に四肢は固定せず、頭部を中心に身体をどこかにぶつけたりしないように保護する。その他、咬舌を予防しようとして口腔内に物や手を入れようとするのも不適切である。
  3. 気道の確保
    全身性のけいれん発作によって呼吸筋もけいれんしている可能性があり、けいれん自体によって脳における酸素消費が増えるので低酸素血症に陥りやすい。したがって気道の確保を最優先にする。視点を変えて、全身性のけいれんの原因となる脳血管疾患などが呼吸機能に及ぼす影響も考える。
  4. 静脈路の確保
    全身性のけいれん発作の最中に静脈路を確保することは困難であり、危険でもある。けいれん発作が治まってから行う。

筋肉の発作性の不随意的な収縮をけいれんという。全身性のけいれんの場合、呼吸筋のけいれんや筋肉のけいれんによる血液循環への影響、けいれん自体によって脳における酸素消費が増えることなどを念頭に置いて対処する。

最も緊急性の高い不整脈はどれか。(第104回)

①心房細動
②心室細動
③Ⅰ度房室ブロック
④完全右脚ブロック

  1. 心房細動
    心房細動は心房から不規則な電気信号が発生して、心房全体が細かく震える動きとなり、心房のまとまった収縮と弛緩が失われた状態である。心房内でできる血栓のために脳梗塞のリスクが高くなる。最も緊急性が高いとはいえない。
  2. 心室細動
    心室細動は心室の心筋細胞の同期性が失われ、細胞が秩序なく興奮している状態である。そのため心室全体としての収縮と拡張ができなくなり、血液を送り出せなくなる。心停止の危険性が高く除細動が必要となる。最も緊急性が高い。
  3. Ⅰ度房室ブロック
    Ⅰ度房室ブロックは洞結節からの興奮が房室結節内を伝わる時間であるPQ時間が延長する。特別な治療を必要としないことが多い不整脈である。
  4. 完全右脚ブロック
    心臓の刺激伝導系では、刺激は脚束として右脚と左脚に分かれて左右の心室に伝達される。完全右脚ブロックは右心室内の脚束の伝導異常である。基礎疾患がない場合には特別な治療を必要としないことが多い不整脈である。

不整脈は正常洞調律以外の調律と定義される。

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。(第106回)

①診察券
②お薬手帳
③健康保険証
④ネームバンド

  1. 診察券
    名前のほかに診察券(IDカード)で確認する医療機関もあるが、患者の身体から離れているものであり、ほかの患者のものと間違う可能性がゼロではないため、患者の身体につけたネームバンドのほうが確実である。
  2. お薬手帳
    設問は入院患者についてなので、与薬のたびにお薬手帳を確認するのは現実的ではない。患者の身体につけたネームバンドのほうが確実である。
  3. 健康保険証
    設問は入院患者についてなので、与薬のたびに健康保険証を確認するのは現実的ではない。患者の身体につけたネームバンドのほうが確実である。
  4. ネームバンド
    ネームバンドにより、入院患者の与薬時の誤認を防止する。

医療行為や与薬における本人確認では、患者にフルネームで名乗ってもらうこと(生年月日を加えるとさらによい)、患者の身体につけたネームバンド(患者識別バンド)で確認することが最も確実である。

日和見感染症はどれか。(第98回)

①麻 疹
②インフルエンザ
③マイコプラズマ肺炎
④ニューモシスチス肺炎

  1. 麻 疹
    麻疹は健康な状態でも感染するため、日和見感染はしない。ただし、麻疹の感染後に感染防御機能が大きく低下することがあり、日和見感染を引き起こす可能性はある。
  2. インフルエンザ
    インフルエンザは健康な状態でも感染するため、日和見感染はしない。
  3. マイコプラズマ肺炎
    マイコプラズマ肺炎は健康な状態でも感染するため、日和見感染はしない。
  4. ニューモシスチス肺炎
    日和見感染となるのは、ニューモシスチス肺炎のほか、多剤耐性緑膿菌感染症、カンジダ症、サイトメガロウイルス感染症、トキソプラズマ症などがある。

感染防御機能が低下しているときに、健康な状態であれば感染しない微生物に感染することを日和見感染という。

骨髄抑制が出現するのはどれか。(第96回)

①麻 薬
②利尿薬
③抗癌薬
④インスリン製剤

  1. 麻 薬
    麻薬で骨髄抑制は生じない。麻薬では呼吸抑制が生じる。
  2. 利尿薬
    利尿薬で骨髄抑制は生じない。利尿薬は電解質異常や血糖の異常をきたすことがある。
  3. 抗癌薬
    抗癌薬は腫瘍細胞だけでなく、盛んに増殖する正常な細胞にも影響を及ぼすため、骨髄・毛根・消化管上皮などにそれぞれ、骨髄抑制・脱毛・悪心/嘔吐などとして現れる。
  4. インスリン製剤
    インスリン製剤で骨髄抑制は生じない。インスリン製剤の副作用は低血糖である。

骨髄抑制とは赤血球・白血球・血小板の産生が低下することである。

貼付剤として用いられる薬剤はどれか。(第104回)

①フェンタニル

②リン酸コデイン
③モルヒネ塩酸塩
④オキシコドン塩酸塩

  1. フェンタニル
    フェンタニルには貼付剤の形態がある。
  2. リン酸コデイン
    リン酸コデインは内服薬の形態がある。貼付剤はない。なお、容量の小さいコデインリン酸塩散1%は麻薬として扱わない。
  3. モルヒネ塩酸塩
    モルヒネ塩酸塩には内服薬、坐薬、注射薬の形態がある。貼付剤はない。
  4. オキシコドン塩酸塩
    オキシコドン塩酸塩は内服薬、注射薬の形態がある。貼付剤はない。

疼痛緩和のための貼付剤であるフェンタニル貼付剤は1~3日に1回貼り替える。フェンタニルは麻薬性鎮痛薬で、貼付剤のほかには注射薬として用いられる。

⑭医薬品表示を別に示す。劇薬の表示で正しいのはどれか。(第106回)


  1. 黒地に白枠、白字で表すのは毒薬である。

  2. ②は白地に黒枠、黒字であり誤りである。

  3. ③は該当せず誤りである。

  4. 該当するのは④である。

劇薬は、白地に赤枠、赤字で「劇」と記載されていなければならない。

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。(第109回)

①否定的感情の表出を受けとめる。
②沈黙が生じた直後に会話を終える。
③看護師が伝えたいことに重点をおく。
④患者の表情よりも言語による表現を重視する。

  1. 否定的感情の表出を受けとめる。
    コミュニケーションの基本は受容と共感であり、患者の否定的感情の表出を受けとめるのは適切である。
  2. 沈黙が生じた直後に会話を終える。
    状況にもよるが、沈黙の直後に会話を終了するのは適切とはいえない。沈黙の意味などを汲み取って、必要時、患者が思いを表出できるよう関わるなどの必要がある。
  3. 看護師が伝えたいことに重点をおく。
    看護師が伝えたいことばかりに重点をおいては一方的なコミュニケーションとなってしまう。適切ではない。
  4. 患者の表情よりも言語による表現を重視する。
    コミュニケーションには言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションがある。患者の表情にはときに言語外の重要な情報が含まれており、非言語的コミュニケーションの要素も重要である。また、看護師も表情や顔色、視線などの非言語的な表現を活用する。

コミュニケーションの基本は受容と共感であり、面接技術とともに確認しておこう。

主観的情報はどれか。(第103回)

①呼吸数
②飲水量
③苦悶様の顔貌
④息苦しさの訴え

  1. 呼吸数
    呼吸数を含むバイタルサインは観察により得られた数値であり、客観的情報である。
  2. 飲水量
    飲水量は測定により得られた数値であり、客観的情報である。
  3. 苦悶様の顔貌
    苦悶様の顔貌は医療者が観察することで得られた客観的情報である。
  4. 息苦しさの訴え
    患者自身の訴えや説明は主観的情報である。

情報は、主観的情報と客観的情報の2つに分けられる。

意識レベルの観察で最初に行うのはどれか。(第97回)

①身体を揺さぶる。
②対光反射をみる。
③患者に呼びかける。
④痛み刺激を与える。

  1. 身体を揺さぶる。
    ジャパン・コーマ・スケールでは、身体を揺さぶると開眼するのはⅡ-20のレベルとなる。選択肢の中で最初に行うことではない。
  2. 対光反射をみる。
    ジャパン・コーマ・スケールには、対光反射をみる項目はない。意識障害があることが判明したら瞳孔の観察を行う。対光反射をみることは選択肢の中で最初に行うことではない。
  3. 患者に呼びかける。
    平易なものでも、自発的にできれば意識レベルは高いことになるので、選択肢の中では患者に呼びかけることを最初に行う。ここで覚醒していればⅠ-1のレベルとなる。
  4. 痛み刺激を与える。
    ジャパン・コーマ・スケールでは、痛み刺激を加えつつ呼びかけるとかろうじて開眼するのはⅡ-30、痛み刺激で払いのける動作をするのはⅢ-100、痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめるのはⅢ-200のレベルとなる。選択肢の中で最初に行うことではない。

意識レベルの評価では、最初に覚醒(開眼)しているかどうかを呼びかけて判断する。ここではジャパン・コーマ・スケールと照らし合わせながら各選択肢を解説する。

自力での摂取が困難な臥床患者の食事介助で適切なのはどれか。(第106回)

①水分摂取の介助を控える。
②仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
③食事内容が見える位置に食器を配置する。
④患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。

  1. 水分摂取の介助を控える。
    どういう状態で自力摂取が困難なのかの情報はないが、誤嚥防止のために水分摂取を控えるは誤りである。水分も自力摂取ができない可能性が高いので、水分が不足していると考えられる。適切な方法で水分摂取の介助をしなくてはならない。
  2. 仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
    臥床患者ということは臥床している時間が長いという意味だと思われる。起床が困難だという情報はないので、安全を確保して可能な限り上半身を起こして食事ができるよう援助する。
  3. 食事内容が見える位置に食器を配置する。
    食事の内容が見えるようセッティングすることは視覚的に食欲に影響する。また自力で摂取できないのでどれを食べたい、どう食べたいなどの希望を患者が伝えるために必要である。
  4. 患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。
    下顎が上がる、つまり頸部が後屈すると誤嚥しやすくなるので上方からスプーンを差し入れることはしない。誤嚥しにくいのは頸部がやや前屈している姿勢である。

食事介助の適切な方法を押さえておこう。

滅菌手袋を使用しなければならないのはどれか。(第95回)

①口腔ケア
②陰部洗浄
③ストーマ装具の交換
④導 尿

  1. 口腔ケア
    口腔内は無菌ではないので、滅菌していない手袋でよい。
  2. 陰部洗浄
    陰部は無菌ではないので、滅菌していない手袋でよい。
  3. ストーマ装具の交換
    ストーマおよび装具は無菌ではないので、滅菌していない手袋でよい。
  4. 導 尿
    感染予防のため、導尿は無菌操作の必要がある。滅菌手袋を装着するとともに、挿入部付近の消毒が必要である。
  1. 本来無菌である部分はどこかを考える。

グリセリン浣腸を実施する際、腸管穿孔の危険性が最も高い体位はどれか。(第106回)

①立 位
②仰臥位
③腹臥位
④左側臥位

  1. 立 位
    立位では肛門部の緊張が強く浣腸のチューブを挿入しにくくなり、チューブを強く押し込みがちになる。肛門部を観察しにくいため盲目的になる上、解剖学的に直腸はカーブしているのにもかかわらずまっすぐに押し込みがちであるなど最も腸管の穿孔の危険性がある。
  2. 仰臥位
    側臥位がとれない患者の場合、やむを得ず仰臥位で行うこともあるが、肛門部にチューブを挿入するときには十分注意し、浣腸液の流出に備えて準備する。
  3. 腹臥位
    腹臥位では腹部が圧迫されるうえに肛門部の緊張が高くなる傾向があるので浣腸のチューブを挿入しにくくなり、チューブを強く押し込みがちになるので避けたほうがよい。
  4. 左側臥位
    最も適切なのは大腸の走行を考慮した左側臥位である。

浣腸を実施する体位について、腸管の解剖学的形態も踏まえて適切な体位を押さえておこう。

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