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国家試験対策問題
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第13回 国家試験対策過去問題

国家試験

老年期の体温調節で正しいのはどれか。2つ選べ。(第99回)

①温めると容易に体温が上昇する。
②暑さ・寒さに対する感受性が高い。
③発汗にはより高い体温が必要である。
④骨格筋が減少して熱産生能が低下する。
⑤末梢血管収縮反応が亢進し熱が逃げにくい。

  1. 高齢者は変化に適応する能力が低下するため、温めても体温の上昇は容易ではない。
  2. 体温調節能の低下とともに、暑さや寒さに対する感受性は鈍くなる。
  3. 暑さや寒さに対する感受性が鈍いので、少しくらいの体温の上昇では発汗しないことが多い。
  4. 加齢により骨格筋の減少、脂肪割合の増加が起こり、熱産生能力が低下する。また水分の貯蔵庫としての筋組織の減少で脱水や電解質異常を起こしやすい。
  5. 自律神経反射が低下するため、末梢血管収縮反応は減弱し、熱が逃げやすい。

統合失調症のAさんは、看護師に促されるまで入浴しようとしない。身体は自分で洗うが、いつも洗い残しがみられ、看護師が洗い残しがあることを伝えても、Aさんの行動に変化はみられない。看護師の対応で最も適切なのはどれか。(第101回)

①洗い残しの部位を詳細に指摘する。
②洗い残しによる感染のリスクを説明する。
③入浴時に困っていることはないか尋ねる。
④できるようになるまで看護師が全身を洗う。

  1. 詳細に指摘しても自立にはつながらず、入浴拒否につながる可能性もある。
  2. 洗い残しがあっても感染のリスクはさほど上がらない。
  3. 洗い残しの部分には洗い残しの理由がある可能性がある。まずはそれを聞く。
  4. できるところは自分で、が看護の基本である。

腎臓疾患患者の食事療法で正しいのはどれか。(第98回)

①浮腫、乏尿および高血圧がある場合は脂質を制限する。
②慢性腎不全の代償性多尿期ではナトリウム制限はない。
③血中の尿素窒素値が上昇している場合はカルシウムを制限する。
④急性腎不全の乏尿期の水分摂取量は前日の尿量+500㎖以内とする。

  1. 腎臓疾患患者の食事療法は通常蛋白制限である。また浮腫、乏尿、高血圧がある場合は合わせて水分と塩分を制限する。
  2. 代償期であってもナトリウム制限は行う。
  3. カルシウムは制限しない。むしろ不足しがちのため、必要に応じてカルシウム製剤による補給が行われる。
  4. 尿量+300~500㎖以内とする。(急性腎不全の経過:発症期(1~3日)→乏尿期(数日~2週間)→利尿期→回復期)

不妊症とその原因の組合せで正しいのはどれか。(第101回)

①卵管の疎通性障害 ─ 骨盤腹膜炎
② 子宮形態異常 ─ 子宮内膜症
③ 造精能の障害 ─ 勃起不全
④ 受精障害 ─ エストロゲン分泌不良

  1. 性感染症から骨盤腹膜炎を起こすと、卵管が狭窄して疎通障害を起こす。
  2. 子宮内膜症は子宮の外側や卵管などに子宮内膜細胞が増殖し、月経周期と同様に出血して溜まっていく疾患である。子宮形態異常とは関連がない。
  3. 造精能の障害とは精子を作る機能が障害されている状態をいう。原因は下垂体疾患、長期間続く高熱や停留睾丸など多岐にわたるが、勃起不全とは関連はない。
  4. 受精障害とは精子・卵子に外見上の変化がないが、受精に至らない状態をいう。エストロゲンの分泌不良とは関連がない。

身体の計測値とその評価目的の組合せで正しいのはどれか。(第99回)

①身長 ─ 脳の発育
②体重 ─ 栄養状態
③腹囲 ─ 内臓の発育
④座高 ─ 筋肉の機能

  1. 身長と脳の発育に関連はない。
  2. 正しい。
  3. 内臓の発育と腹囲に関連はない。
  4. 座高と筋肉の機能に関連はない。

エリクソンによる幼児前期の発達課題はどれか。(第98・95・92回)

①基本的信頼
②自律性
③勤勉性
④親密性

  1. 基本的信頼は乳児期の発達課題である。
  2. 自律性は幼児前期の発達課題である。
  3. 勤勉性は学童期の発達課題である。
  4. 親密性は成人初期の発達課題である

ファロー四徴症で通院中の1歳児が入院した。体重を把握する方法で最も適切なのはどれか。(第95回)

①泣いている児を単独で体重計に乗せて測定する。
②母親が抱いて測定し、値から母親の体重を引く。
③母親から児の体重を聞く。
④1か月前の受診時に測定した値を用いる。

  1. 泣いている1歳児ひとりを乗せての体重測定は不正確になる。
  2. 適した方法である。
  3. 現在の正確な情報として信頼性は低い。
  4. 現在の正確な情報として信頼性は低い。

次の文を読み問題に答えよ。(第105回)

Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。

入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。

①Aさんの大学の出席状況
②両親がAさんと同居する可能性
③Aさんの子ども時代の両親の育て方
④Aさんの入院に対する両親の受け止め方

統合失調症は、主として思春期~青年期に発症する原因不明の頻度の高い精神疾患、幻覚、妄想、自我障害などの陽性症状、感情鈍麻、自発性の消失などの陰性症状を呈する。有病率は1,000人中2~4人と推定される。有病率に性差はみられないが、男性は女性に比べ発症年齢が若い傾向があるといわれている。

  1. 入院時の状況などから推測すると、発症する前から大学へは行くことができない精神状態であったと予測できる。現時点で最も優先度が高いとは考えられない。
  2. 入院治療が必要な状況なので、退院後両親と同居するかどうかは優先度として高くない。
  3. 統合失調症は、環境なども発症に影響することはあっても、育て方が原因ではない。それに対し両親に詳しく尋ねることは、育て方に問題があったと思わせてしまう可能性がある。
  4. 両親は息子が統合失調症の診断を受けて衝撃的だったに違いない。中には育て方に問題があったのではないかと後悔し、抑うつ的になる人もいる。入院に至るまでに疲労困憊し、無気力感が強まったり、病気に対する不安や恐怖、息子の将来などを考えさまざまな葛藤が生じていると思われる。まずは家族の辛い気持ちを十分理解し、両親の気持ちを確認するのはとても重要だといえる。

妊娠38週の妊婦。胎位は第2頭位である。胎児心音の聴取部位を図に示す。最も適切な聴取部位はどれか。(第101回)★

13-9

子宮口に対し、先進部が頭の場合を頭位とし、下半身の場合を骨盤位としている。さらに第1と第2に分類される。第1頭位は、母体の左上前腸骨棘と臍を結んだ臍棘線上の中点で胎児心音が良好に聴取される。第2頭位では、右臍棘線中点で最も良く心音が聴取できる。

食道について正しいのはどれか。(第103回)

①厚く強い外膜で覆われる。
②粘膜は重層扁平上皮である。
③胸部では心臓の腹側を通る。
④成人では全長約50cmである。

  1. 食道壁は、粘膜・筋層・外膜の3層構造となっており、外膜は薄い膜である。
  2. 食道の粘膜は、縦走するヒダをつくり、角化しない重層扁平上皮によって覆われている。
  3. 食道は、縦隔内にあり、気管と心臓の後方を下行し、横隔膜の食道裂孔を貫いて胃の噴門につながる。
  4. 食道は全長約25cm、直径1~2cmほどの扁平な筋性の管である。

介護保険サービスについて正しいのはどれか。 (第102回)

①福祉用具の貸与は無償で受けられる。
②要支援の高齢者は介護老人保健施設に入所できる。
③小規模多機能型居宅介護では泊まり(ショートステイ)は提供しない。
④認知症対応型共同生活介護(グループホーム)ではユニットケアを実施している。

  1. 福祉用具の貸与は、区分支給限度額内に含まれ1割自己負担で受けられる。
  2. 要支援であれば介護老人保健施設(看護・リハビリ)に入る必要はない。また要介護でないと入所できない。
  3. 小規模多機能型居宅介護でもショートステイは提供する。
  4. 従来の施設での集団ケアを10人程度の居室と共通スペースで1つのユニットを単位として展開する方式をいう。グループホームも定員は5~9人で、ユニットケアに該当する。

髄液検査のための腰椎穿刺を受ける患者への対応で適切なのはどれか。(第100回)

①穿刺時の患者の体位は背すじを伸ばした側臥位にする。
②穿刺時は患者に上肢のしびれがないかを尋ねる。
③検査後は患者の頭痛や吐き気に注意する。
④検査後30分が過ぎたら自由に動いてよいと話す。

  1. 腰椎穿刺時の体位は、背すじを丸めた側臥位にして椎間を広げる。
  2. 穿刺時にしびれる可能性があるのは下肢である。
  3. 髄液を採取することによって、検査後に髄圧が変動して頭痛や吐き気をもよおすことがある。これを低髄液圧症候群という。予防するためには、枕をはずして水平仰臥位にする。
  4. 検査後は枕を使用せずに2時間程度の安静を保つ。

躁状態の患者にみられる特徴的な訴えはどれか。(第91回)

① 「脳が伝達装置に置き換えられた」
② 「考えが次々と外から吹き込まれてくる」
③ 「思考が抜き取られていく感じだ」
④ 「思考が競争しているような状態だ」

  1. これは体性幻覚といって、統合失調症にみられる症状である。
  2. これは思考吹入といって、統合失調症にみられる症状である。
  3. これは思考奪取といって、統合失調症にみられる症状である。
  4. これは思考奔逸といって、躁状態の症状の1つである。

退院直前の咽頭培養で、患者からMRSAが検出された。発熱や咳、痰などの呼吸器症状は観察されていない。退院後、訪問看護師の感染予防行動として適切なのはどれか。(第93回)

① 衛生学的手洗いを行う。
② 長袖のガウンを着用する。
③ サージカルマスクを着用する。
④ 部屋の換気を行う。

  1. MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は常在菌であり、特に医療従事者の皮膚や鼻腔に存在することがある。在宅療養者は保菌者であり発症はしていないと読み取れるが、感染予防には手洗いが基本である。すでに療養者が持っている常在菌にガウンやマスクは必要ない。
  2. 1と同じ
  3. 1と同じ
  4. 部屋の換気は適切にする必要があるが、MRSAの感染予防には関連性はない。

乳児の髄膜炎などを抑制するため、平成25年(2013年)に定期接種に導入されたのはどれか。(第105回)★

①日本脳炎ワクチン
②ロタウイルスワクチン
③インフルエンザワクチン
④麻しん風しん混合ワクチン
⑤Hib(Haemophilus influenzae type b)ワクチン

  1. 日本脳炎はコガタアカイエカを媒介して感染する。潜伏期は7~10日で、発熱や頭痛・嘔吐によって発症し、髄膜刺激症状などを呈する。定期予防接種(A類)の日本脳炎不活化ワクチンによって予防できる。
  2. ロタウイルス感染症は、冬期の乳幼児急性下痢症の主な原因である。経口感染で感染力が強いため、学校や施設などで集団感染を引き起こす。予防のためのワクチンはあるが、定期予防接種ではなく自己負担で受ける任意予防接種に含まれる。
  3. インフルエンザウイルスの予防のためのワクチンは、高齢者(「65歳以上の者」「60歳以上65歳未満であって心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障害を有する者として厚生労働省令に定める者」)では定期接種(B類)の対象と規定されている。
  4. 麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は、麻しん、風しんの予防のために1歳から受けることができる定期接種(A類)に含まれる。
  5. Hib(インフルエンザ菌b型)は細菌性髄膜炎の60%を占めており、年間1,000人程の罹患者がいる。そのうち2~5%が死亡していたため、日本では諸外国に比べて取り組みが遅れたが、2013年から定期接種(A類)となり、生後2か月になったら早期に接種するよう推奨されている。

意識レベルが低下した片麻痺の患者の口腔ケアを在宅で実施する家族への説明で正しいのはどれか。(第101回)

① 「舌苔には触れないでください」
② 「口腔ケアは肺炎の予防になります」
③ 「入れ歯は装着したままでいいですよ」
④ 「麻痺側を下にした横向きでケアをしましょう」

  1. 舌苔は舌粘膜に細菌などが付着したもの。口腔ケア時に優しく除去する。
  2. 口腔ケアは口腔内・呼吸器・消化器への感染防御が目的の1つである。
  3. 義歯をはずして口腔内のケアを行い、さらに義歯も洗う。
  4. 誤嚥予防のため、麻痺側は上にする。

生活保護法の扶助に含まれないのはどれか。(第92回)

①医療
②出産
③住宅
④療育

  1. 医療扶助(生活保護法第15条)にある。
  2. 出産扶助(同法第16条)にある。
  3. 住宅扶助(同法第14条)にある。
  4. 療育扶助という規定はない。

基礎体温について正しいのはどれか。(第85回)

①毎朝目覚めたら排尿し、直後に測定する。
②体温の陥落した日が排卵日である。
③体温の上昇はプロゲステロンの作用による。
④36.7℃以上を高温期という。

  1. 朝目覚めたら、臥床したままの状態で測定する。
  2. 体温の陥落した日の前後2日間が排卵期である。
  3. 黄体ホルモンのプロゲステロンは体温上昇作用があるので、黄体期は高温相になる。
  4. 低温相と高温相の境界は、決められた体温ではなく、個々の体温の差により導かれる。

妊娠中の食事について適切なのはどれか。(第101回)

①鉄の付加量は授乳期よりも少ない。
②塩分摂取量は10g/日を目標とする。
③葉酸は妊娠初期の摂取が重要である。
④エネルギーは妊娠中期の付加量が最も多い。
⑤カルシウムは20歳代女性の平均摂取量の約3倍の摂取が望ましい。

  1. 付加量は妊娠初期2.5mg、妊娠中期・末期15mgである。授乳期の付加量は2.5mgで、鉄の付加量は妊娠中の方が多い。
  2. 妊娠中の塩分摂取量は7.5g/日未満である。
  3. 近年、葉酸摂取によって神経管閉鎖障害の発症リスクを軽減することが明らかになっている。妊娠前から妊娠3か月までの間は、特に必要度が高い。
  4. エネルギー付加量は妊娠初期+50kcal、中期+250kcal、末期+450kcalで妊娠後期が最も多い。
  5. 妊娠中のカルシウム付加量の設定はない。

介護保険の第1号被保険者について正しいのはどれか。(第103回)

①予防給付対象者は要介護1である。
②保険料は所得段階別の定額である。
③医療保険者が保険料を徴収する。
④対象は60歳以上である。

  1. 予防給付の対象者は要支援1・要支援2である。
  2. 介護保険料は、所得により9段階の定額になっている。
  3. 医療保険者が徴収するのは第2号であり、第1号被保険者は市町村が徴収する。
  4. 第1号被保険者は65歳以上である。第2号被保険者は40歳以上65歳未満である

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