Q.1
嚥下障害の患者に食事を再開する場合の開始食で適切なのはどれか。（第99回）
①プリン
②こんにゃく
③野菜きざみ食
④コンソメスープ
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正解：１
- のど越しのよいプリンが適している。
- こんにゃくは気管に入ったときに窒息の可能性があるため適さない。
- 食細かい刻み食は口の中でばらばらになるので誤嚥しやすい。
- スープは液状なので誤嚥しやすい。液体にはとろみをつけるとよい
Q.2
胃癌についての組合せで正しいのはどれか。（第103回）
①腎臓転移 ─ Wilms〈ウィルムス〉腫瘍
②肝臓転移 ─ Schnitzler〈シュニッツラー〉転移
③卵巣転移 ─ Krukenberg〈クルッケンベルグ〉腫瘍
④胃周囲リンパ節転移 ─ Virehow〈ウィルヒョウ〉転移
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正解：３
- ウィルムス腫瘍は転移ではなく、腎臓で発生する悪性腫瘍（腎芽腫）である。
- 胃癌のダグラス窩転移をシュニッツラー転移という。
- 胃癌の卵巣転移をクルッケンベルグ腫瘍という。
- 胃癌の左鎖骨上窩リンパ節転移をウィルヒョウ転移という。
Q.3
上行結腸癌の術後に考えられる合併症はどれか。（第100回）
①便失禁
②腸閉塞
③排尿障害
④勃起不全
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正解：２
- 便失禁は腹圧性・機能性・切迫性・溢流性とあり、それぞれに原因がある。結腸右半切除術後の合併症としては関連しない。
- 大腸癌手術後の合併症として腸閉塞を生じやすいので、排ガスの停止や腹部膨満感をアセスメントする。また、縫合不全も多くみられる。
- 直腸癌手術の合併症として可能性があるが、上行結腸癌では可能性はない。
- 直腸癌手術の合併症として可能性があるが、上行結腸癌では可能性はない。
Q.4
イレウスと原因の組合せで正しいのはどれか。（第101回）
①絞扼性イレウス ─ 粘液水腫
②単純性イレウス ─ 腸捻転症
③麻痺性イレウス ─ 脊髄損傷
④けいれん性イレウス ─ モルヒネの内服
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正解：３
- 絞扼性イレウス（複雑性イレウス）の原因は、腸管の絞扼・ヘルニアの嵌頓・腸重積・腸捻転などである。
- 単純性イレウス（閉塞性イレウス）の原因は、開腹術後の腸管癒着によるものが多く、他に腫瘍・胆石・クローン病などである。
- 麻痺性イレウスの原因は、開腹術後・低カリウム血症・糖尿病・脊髄損傷などである。
- けいれん性イレウスの原因は、鉛中毒・ヒステリーなどである。
Q.5
Ａさん（43歳、男性）は、胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療が行われている。翌日実施した血液検査の項目でＡさんに生じている合併症を判断できるのはどれか。（第105回）
①アミラーゼ
②アルブミン
③クレアチニン
④クレアチンキナーゼ
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正解：１
- 検査後の重症な合併症として急性膵炎がある。原因は、十二指腸乳頭部への機械的刺激による腫脹や造影剤による膵臓への直接作用などが考えられている。検査後は背部痛や発熱などの自覚症状とともに、血清アミラーゼ値の観察が重要である。
- 血漿タンパク質で、浸透圧の調整などに関与する。
- 筋肉の収縮に必要なクレアチンの最終代謝産物である。
- 骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに含まれる酵素で、それらの部位が損傷すると血中に出ていくため、心筋梗塞発症などで上昇する。
Q.6
外胆汁瘻造設患者の看護で適切なのはどれか。（第88回）
①a，b
②a，d
③b，c
④c，d
a．電解質バランスを観察する。
b．脂肪の摂取を勧める。
c．黒色便になると説明する。
d．瘻周辺のびらんを予防する。
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正解：２
a.○ 胆汁の排泄に伴う電解質異常を観察する。
b.× 胆汁を体外に誘導しているため、脂肪の消化吸収を助ける胆汁の機能が働かないので、脂肪は避ける。
c.× 胆汁が便の色のもとなので、体外に胆汁を出していると灰白色便になる。
d.○ 胆汁により皮膚がびらんをきたしやすいので予防する。
Q.7
意識混濁を伴う劇症肝炎患者にラクツロースを投与する目的で、最も重要なのはどれか。（第91回）
①プロトロンビン時間の延長
②アルブミン合成の亢進
③アンモニアの吸収抑制
④排便の促進
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正解：３
ラクツロースは高アンモニア血症に伴う精神神経障害や、排ガス・排便促進・アンモニア産生菌の増殖を抑制する作用があり、結果としてはアンモニアの体内への吸収を抑制する。
Q.8
食道静脈瘤破裂をきたしたとき、一時的な止血に使用するのはどれか。（第101回）
①胃管
②腹腔内ドレーン
③Swan-Ganz〈スワン-ガンツ〉カテーテル
④S-B（Sengstaken-Blakemore〈ゼングスターケン-ブレークモア〉）チューブ
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正解：４
- 全身麻酔などの影響から腸管麻痺をきたした場合に、内容物が胃に貯留するため、それを体外に排液する目的で行う。また食事を摂取できない患者に、栄養物や内服液の投与を行う場合に用いる管である。
- 腹水が貯留した場合、腹腔外に排出する目的で行われたり、術後の出血や縫合不全などの徴候を早期発見する目的で挿入する。
- 心機能を連続的に測定する右心カテーテルのことである。
- ゼングスターケン‐ブレークモアチューブは、カテーテルについた風船を膨らませて、食道静脈瘤破裂の際に出血部位を圧迫止血するものである。
Q.9
眼底検査が必要なのはどれか。２つ選べ。（第105回）
①中耳炎
②糖尿病
③麦粒腫
④高血圧症
⑤筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉
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正解：２、４
瞳孔の奥の眼底の血管、網膜、視神経を調べるのが眼底検査である。目の病気以外にも眼底の血管は身体の中で唯一直接的に血管を観察できる部位であるため、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの検査としても有用である。
Q.10
２型糖尿病の生活指導で正しいのはどれか。（第92回）
①インスリン療法の補助と知って食事療法を行う。
②夜間の水分補給を制限する。
③運動療法は食後に行う。
④アルコールは１日５単位を限度とする。
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正解：３
- ２型の基本的な治療は食事療法、運動療法である。進行した場合にインスリン依存状態となる。
- 夜間の水分補給を制限すると脱水をきたしやすい。
- 運動療法は食後１時間以内に行うと効果が高くなる。また、内服やインスリン治療中の場合は食後の方が低血糖のリスクを抑えられる。
- 原則禁酒とされる。ただし、血糖コントロールが良好であるなどのいくつかの条件を満たせば１日２単位までの摂取は許容範囲とされることもある。アルコールは１g７kcalである。
Q.11
痛風で正しいのはどれか。（第94回）
①血清尿酸値が３mg/㎗以上をいう。
②疼痛部位は手関節が最も多い。
③食事の摂取エネルギー制限をする。
④若年女性に多い。
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正解：３
- 高尿酸血症は血清尿酸値7.0mg/㎗以上である。血清尿酸値7.0mg/㎗以上となると、尿酸が結晶になる傾向がある。
- 痛風の症状は母趾の第１中足趾節関節に好発する。
- 原因は尿酸代謝の異常であるが、摂取カロリーの超過、特に蛋白質（プリン体）の過剰摂取は大きな要因となる。
- 成人男性に多い。
Q.12
内耳とともに平衡覚に関与するのはどれか。（第98回）
①聴覚
②嗅覚
③視覚
④味覚
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正解：３
- 聴覚も平衡覚と同じ内耳でその感覚は受容しているが、平衡覚への関与はない。
- 嗅覚によって体の傾きを知覚することはできない。
- 平衡覚は正しい姿勢を維持したり、回転や加速度を知覚する感覚である。内耳の情報が最も重要であるが、視覚や深部感覚、眼球運動や小脳系とも密接に関わっている。
- 味覚によって体の傾きを知覚することはできない。
Q.13
見当識障害の評価として適切なのはどれか。（第96回）
①「何を食べたいですか」
②「目を閉じてください」
③「今日は何月何日ですか」
④「10から３を引いてください」
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正解：３
見当識とは、ここはどこか、今はいつなのかなど、空間・時間の認識のことをいう。
Q.14
頭蓋内圧亢進の代償期にある患者にみられるバイタルサインの特徴はどれか。（第101回）
①呼吸数の増加
②体温の低下
③脈圧の増大
④頻脈
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正解：３
- 頭蓋内圧亢進の代償期では、徐呼吸がみられる。
- 頭蓋内圧亢進により視床下部の体温調節中枢が刺激されると、体温が上昇する場合がある。
- 頭蓋内圧亢進の代償期では、収縮期血圧が上昇するため脈圧（収縮期と拡張期の血圧値の差）は増大する。
- 頭蓋内圧亢進による延髄の圧迫や収縮期血圧の上昇などにより徐脈をきたす。
Q.15
脳腫瘍のためグリセロールの静脈内点滴注射を受けている患者で、生命の危機が疑われる徴候はどれか。（第91回）
①うっ血乳頭
②複視
③心拍数40/分
④噴出性嘔吐
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正解：３
- うっ血乳頭は慢性頭蓋内圧亢進症状のひとつで、さし迫った生命の危機ではない。
- 複視は両眼で見た時に物が二重に見えるもので、外眼筋の麻痺によることが多い。脳腫瘍の初期症状として生じるケースもある。
- 心拍数40/分は異常徐脈であり、脳幹部圧迫の可能性があるので、生命の危機に直結する。
- 噴出性嘔吐は慢性頭蓋内圧亢進症状のひとつで、これのみではさし迫った生命の危機ではない。
Q.16
１か月前に頭部を打撲した60歳の男性が頭痛と嘔吐とを訴えている。最も考えられる疾患はどれか。（第89回）
①脳梗塞
②脳出血
③慢性硬膜下血腫
④クモ膜下出血
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正解：３
外傷後３週間以上かけて血液が貯留することで、頭蓋内圧亢進症状や意識障害をきたすものが慢性硬膜下血腫の特徴である。脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血は、発症とともに症状が出現する。
Q.17
外傷性脳損傷によって軽度記憶障害のある患者への認知リハビリテーションで適切なのはどれか。（第102回）
①簡単な計算を取り入れる。
②毎日新しい行動を試みる。
③暗記の練習のときはメモを取る。
④視覚的なイメージより言葉のほうが記憶しやすい。
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正解：３
- 簡単な計算を繰り返すことは認知症のリハビリではなく、予防につながる方法である。
- 毎日新しい行動を取り入れるのは認知行動療法の一種である。
- 軽度記憶障害の認知リハビリテーションは、メモをとってそれをみる、日記を書いてそれをみる、ボイスレコーダーに録音してそれを聞くなど、代償方法の利用によって改善を試みる。
- 言葉は記憶しづらいので視覚的なイメージを用いる方が記憶に残る。
Q.18
開頭術を受けた患者の看護で適切なのはどれか。（第108回）
①頭部を水平に保つ。
②緩下薬は禁忌である。
③髄膜炎症状の観察を行う。
④手術後１週間は絶飲食とする。
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正解：３
- 術後は脳浮腫改善のため、20～30度頭部を挙上する。
- いきむことによる頭蓋内圧亢進を避けるため、緩下薬を使用し便を緩くすることが必要である。
- 開頭術後に細菌性髄膜炎を合併すると発熱する。発熱により脳への血流量が増すことで脳浮腫となり、頭蓋内圧亢進する可能性がある。そのため、髄膜炎症状の観察を行うことは必須である。
- 術後１日目に誤嚥がないことを確認後、水分摂取が可能となる。その後、全粥食から摂取することができる。
Q.19
筋萎縮性側索硬化症の患者に特徴的な症状はどれか。（第92回）
①皮膚感覚の鈍麻
②睡眠時の尿失禁
③記憶の著明な減退
④嚥下した液体の鼻孔への逆流
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正解：４
- 運動神経の退行変性を起こす疾患なので、感覚障害は起きない。
- 膀胱直腸障害は最後まで現れない。
- 大脳から末梢神経までの運動神経系の障害で、大脳の病変ではないので記憶障害などはきたさない。
- 口蓋筋・咽頭筋などがおかされ、嚥下したものが逆流するなど誤嚥に結びつく危険性が大きい。
Q.20
多発性硬化症で正しいのはどれか。２つ選べ。（第104回）
①脱髄病変が多発する。
②髄液中のIgGは低下する。
③視力低下は網脈絡膜炎による。
④MRIは病変の検出に有用である。
⑤末梢神経が障害されることが多い。
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正解：１、４
- 多発性硬化症は、中枢神経の脱髄疾患である。特に視神経に障害をきたす疾患である。
- 多発性硬化症では、炎症反応により髄液中のIgGが上昇する。
- 症状は多様なものがみられるが、特に球後視神経炎による視力低下や視野欠損がみられる。網脈絡膜炎（網膜ぶどう膜炎）は脈絡膜の炎症で、ベーチェット病やサルコイドーシスなどの主症状である。
- MRIは多発性硬化症の病巣を検出するためには有効であり、経過や治療効果をみる上で重要な指標となる。特に、脳室周囲の楕円形病変が特徴的である。
- 一般的に末梢神経が障害されることはない。
