Q.1
嚥下困難のある患者への嚥下訓練において連携する職種で最も適切なのはどれか。(第104回)
①歯科技工士
②言語聴覚士
③義肢装具士
④臨床工学技士
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正解:2
- 歯科技工士
咀嚼に問題がある場合には歯科医師や歯科技工士との連携が必要なこともあるが、嚥下障害では言語聴覚士との連携が適切である。 - 言語聴覚士
言語聴覚士が嚥下障害についてのリハビリテーションに関わるため、連携するには最も適切である。 - 義肢装具士
義肢装具士は義肢・装具を製作し適合させるのが業務である。嚥下障害に関して義肢装具士との連携は必要ない。 - 臨床工学技士
臨床工学技士は医師の指示のもとで、生命維持管理装置の操作、保守点検を行う。嚥下障害に関して臨床工学技士との連携は必要ない。
言語を発する器官と咀嚼や嚥下をつかさどる器官が共通することから、言語聴覚士が嚥下障害についてのリハビリテーションを行う。
Q.2
レスパイトケアの目的はどれか。(第109回)
①介護者の休息
②介護者同士の交流
③介護者への療養指導
④療養者の自己決定支援
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正解:1
- 介護者の休息
療養者から一時的に離れることで、介護者が休息をとることができる。 - 介護者同士の交流
介護者同士の交流を目的としたものではない。 - 介護者への療養指導
介護者への療養指導を目的としたものではない。 - 療養者の自己決定支援
療養者の自己決定支援を目的としたものではない。
レスパイトケアは、家族が社会資源(短期入所等)などを利用して療養者から一時的に離れる時間を確保することで、介護者の介護負担を軽減するものである。
Q.3
チーム医療で適切なのはどれか。(第110回)
①他施設との間で行うことはできない。
②チームメンバー間で目標を共有する。
③チームリーダーは看護師に固定する。
④経験年数が同等の者でチームを構成する。
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正解:2
- 他施設との間で行うことはできない。
必要であれば病院スタッフ以外に、ほかの施設の専門職種や退院後のケアに関わるケアワーカーなども参加することができる。 - チームメンバー間で目標を共有する。
目標は患者やその家族の希望も取り入れながら、チームメンバー全員で決定し共有する。 - チームリーダーは看護師に固定する。
リーダーとなる職種は看護職に固定されない。患者の状況に合わせて最適な医療専門職がリーダーシップをとる。 - 経験年数が同等の者でチームを構成する。
専門多職種でチームを構成するが、経験年数は関係がない。
チーム医療では異なる専門職でチームを構成する。それぞれ役割をもって連携し、患者に対してよりよいケアの提供を目的に協働する。
Q.4
伴性劣性遺伝病<X連鎖劣性遺伝病>はどれか。(第100回)
①血友病
②ダウン症候群
③先天性風疹症候群
④フェニルケトン尿症
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正解:1
- 血友病
血友病Bや赤緑色覚異常は伴性劣性遺伝病(X連鎖劣性遺伝病)である。 - ダウン症候群
ダウン症候群は21番染色体の数の異常によって起こる。多くは3本(正常は2本)あるトリソミーの形式となる。 - 先天性風疹症候群
先天性風疹症候群は遺伝によるものではなく、母体が風疹に感染することによって胎児に障害が起こる。症状は難聴、白内障、先天性心疾患などである。 - フェニルケトン尿症
フェニルケトン尿症は常染色体劣性遺伝の形式をとる。症状は精神発達遅滞や小頭症、赤毛などである。新生児マススクリーニングなどで早期に発見して特殊ミルクなど食事療法を行うことで、フェニルケトンの摂取を制限し体内のフェニルケトンとその代謝産物の蓄積を抑制して症状の出現を防ぐ。
優性遺伝/劣性遺伝は顕性遺伝/潜性遺伝という表現に置き換わりつつあるので注意する。伴性劣性遺伝病とは性染色体上の遺伝子の異常が伝わることである。性染色体は2本あるので異常のある染色体が2つ揃ったときにのみ発症するのを劣性遺伝(潜性遺伝)、1つだけで発症するのを優性遺伝(顕性遺伝)という。また性染色体はXとYの2つなのでX連鎖遺伝形質とY連鎖遺伝形質がある。
Q.5
白血球の働きはどれか。(第97回)
①生体防御
②血液凝固
③酵素の運搬
④ホルモンの運搬
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正解:1
- 生体防御
白血球は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃して生体防御を担う。 - 血液凝固
血液凝固は血小板や血液凝固因子による連鎖反応である。白血球は関与しない。 - 酵素の運搬
白血球をはじめとする血球に酵素の運搬機能はない。 - ホルモンの運搬
ホルモンは血液に含まれて全身に運ばれるが白血球はホルモンの運搬には関与しない。
白血球は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃して生体防御を担う。特に好中球と単球は貪食作用(食作用)を持つ。
Q.6
前腕の図を示す。矢印で示す骨はどれか。(第99回)

①腓 骨
②橈 骨
③脛 骨
④尺 骨
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正解:2
- 腓 骨
腓骨(ひこつ)は下肢の骨で、脛骨(けいこつ)とともに膝から下を構成する。前腕にはない。 - 橈 骨
橈骨は上肢の骨で、尺骨とともに肘よりも末梢の部分を構成する。図で示されているのは母指側の橈骨である。 - 脛 骨
脛骨は下肢の骨で、腓骨とともに膝よりも末梢の部分を構成する。前腕にはない。 - 尺 骨
尺骨は上肢の骨で、橈骨とともに肘よりも末梢の部分を構成するが、図で示されているのは母指側の橈骨である。
図で示されているのは橈骨(とうこつ)である。
Q.7
日本の令和元年(2019年)における総人口に最も近いのはどれか。(第102回改変)
①1億人
②1億3千万人
③1億6千万人
④1億9千万人
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正解:2
- 1億人
国勢調査に基づく推計人口によると、総人口が1億人を超えたのは昭和42年(1967年)で、以後1億人を割り込んだことはない。 - 1億3千万人
平成5年(1993年)に四捨五入して1億3,000万人に達し、この値が続いている。令和元年(2019年)もおよそ1億3,000万人であった。 - 1億6千万人
総人口が1億6,000万人に達したことはない。国勢調査に基づく推計人口によると、最も多かったのは平成22年(2010年)の1億2805万7,000人であった。 - 1億9千万人
選択肢[3]と同様に、総人口が1億9,000万人に達したことはない。
日本の人口に関する基本的な問いである。近年の人口推移についても押さえておこう。
Q.8
日本の主要死因別にみた死亡率の推移を図に示す。悪性新生物の推移はどれか。(第101回改変)

①A
②B
③C
④D
⑤E
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正解:1
- A
Aの曲線である悪性新生物は昭和56年(1981年)以降、日本の死亡率の第1位である。 - B
Bの曲線は死亡率の第2位の心疾患である。平成7年(1995年)に目立つ低下を表しているのは死亡診断書の死亡原因として「疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全を書かない」よう改正された影響である。 - C
Cの曲線は死亡率で第5位の肺炎である。平成29年(2017年)に厚生労働省が人口動態統計において肺炎から誤嚥性肺炎を独立して集計するようになったため、減少した形になっている。 - D
悪性新生物が第1位となるまでは脳血管疾患の死亡率が最も高かったことや、近年緩やかな減少傾向にある特徴をとらえてDが脳血管疾患であると判断する。 - E
Eの曲線は不慮の事故である。平成23年(2011年)にみられた上昇は東日本大震災の影響である。
最も多いのが悪性新生物であることがわかれば正答にたどり着ける。
Q.9
運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。(第100回)
①体脂肪率の増加
②最大換気量の減少
③基礎代謝量の増加
④1回心拍出量の減少
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正解:3
- 体脂肪率の増加
適切な運動習慣は筋肉量を増やし、体脂肪率を減少させる。 - 最大換気量の減少
適切な運動習慣は最大換気量・肺活量・ガス交換の増加につながる。 - 基礎代謝量の増加
適切な運動習慣により消費エネルギー量が増加するため、基礎代謝量は増加する。 - 1回心拍出量の減少
適切な運動習慣により、心臓の筋肉が鍛えられ、1回心拍出量が増加する。
他の運動習慣の影響として、血圧の正常化、体温の上昇、インスリン抵抗性改善などがある。
Q.10
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医薬機器等法〉による毒薬の表示を別に示す。正しいのはどれか。(第109回)

①A
②B
③C
④D
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正解:4
- A
白地・赤枠・赤字で記載するのは、劇薬である。 - B
白地・黒枠・黒字ではない。 - C
赤地・白枠・白字ではない。 - D
黒地・白枠・白字が、毒薬の表示である。
毒薬は、黒地に白枠、白字で「毒」と記載する。専用の鍵のかかる保管庫に貯蔵する。
Q.11
牛海綿状脳症<BSE>に対する食品安全対策の目的はどれか。(第100回)
①A型肝炎の予防
②鳥インフルエンザの予防
③サルモネラによる食中毒の予防
④クロイツフェルト・ヤコブ病の予防
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正解:4
- A型肝炎の予防
A型肝炎の予防が目的ではない。 - 鳥インフルエンザの予防
鳥インフルエンザの予防が目的ではない。 - サルモネラによる食中毒の予防
サルモネラによる食中毒の予防が目的ではない。 - クロイツフェルト・ヤコブ病の予防
ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病であり、プリオン病と総称される。なお、平成21年(2009年)2月以降国内で感染したウシは確認されておらず、これまで行われてきた健康なウシのBSE検査は平成29年(2017年)4月に廃止された。
ウシがかかる牛海綿状脳症(狂牛病)は他のウシの汚染された肉骨粉を再利用した配合飼料により伝播した。ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病として発症する。
Q.12
要介護認定の申請先はどれか。(第110回)
①市町村
②診療所
③都道府県
④介護保険審査会
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正解:1
- 市町村
要介護認定は市町村が行うため、申請先も市町村である。一次判定はコンピュータで、二次判定は介護認定審査会で行う。 - 診療所
診療所ではない。 - 都道府県
市町村であり、都道府県ではない。 - 介護保険審査会
介護保険審査会は、介護保険に関する行政処分に対する不服申立ての審理・裁決を行う第三者機関で、都道府県に設置されている。
要介護の状態にあるかどうか・要介護状態にあるとすればどの程度であるかを確認する要介護認定は頻出の内容である。
Q.13
胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。(第101回)
①右心房と左心房の間
②右心室と左心室の間
③大動脈と肺動脈の間
④門脈と下大静脈の間
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正解:1
- 右心房と左心房の間
卵円孔は右心房と左心房の間のシャントである。 - 右心室と左心室の間
右心室と左心室の間に生理的なシャントはない。 - 大動脈と肺動脈の間
大動脈と肺動脈の間のシャントは動脈管(ボタロー管)である。 - 門脈と下大静脈の間
門脈と下大静脈の間のシャントは存在しない。肝臓下面で臍静脈と下大静脈をつなぐのは静脈管(アランチウス管)である。臍静脈血の一部は門脈へ流れ、残りの臍静脈血は静脈管を経由して、肝臓を通過せず直接下大静脈に注ぐ。
胎児循環には卵円孔、動脈管、静脈管の3つのシャント(短絡)が存在するが、出生後に機能が停止する。
Q.14
発達遅滞を疑うのはどれか。(第99回)
①3か月でスプーンが持てない。
②1歳でスキップができない。
③3歳で両親の名前が言えない。
④5歳で2本の線の長い方が選べない。
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正解:4
- 3か月でスプーンが持てない。
スプーンが持てるようになるのは4か月ころで、3か月では発達遅滞を疑う状態ではない。 - 1歳でスキップができない。
スキップができるようになるのは5歳ころで、1歳では発達遅滞を疑う状態ではない。 - 3歳で両親の名前が言えない。
両親の名前を言えるようになるのは4歳ころで、3歳では発達遅滞を疑う状態ではない。 - 5歳で2本の線の長い方が選べない。
2本の線の長い方を選べるようになるのは4歳ころなので、5歳でできないと発達遅滞の可能性がある。この選択肢がやや難しいため消去法で正答にたどり着けるとよい。
必要な知識を身につけたうえで考えさせる問題である。
Q.15
老年期にみられる身体的な変化はどれか。(第109回)
①血管抵抗の増大
②消化管の運動の亢進
③水晶体の弾性の増大
④メラトニン分泌量の増加
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正解:1
- 血管抵抗の増大
老年期には、血管抵抗が増大し、収縮期血圧の上昇に関与する。 - 消化管の運動の亢進
老年期には、消化管運動は減弱する。 - 水晶体の弾性の増大
老年期には、水晶体の弾力性は低下し、老視となる。 - メラトニン分泌量の増加
老年期には、メラトニンの分泌量は減少し、睡眠障害が起こる。
老年期にみられる加齢による変化を覚えておこう。
Q.16
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。(第107回改変)
①同居の父母
②別居の家族
③同居の配偶者
④同居の子の配偶者
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正解:3
- 同居の父母
同居の父母は0.6%で最も多い続柄ではない。 - 別居の家族
別居の家族は13.6%で最も多い続柄ではない。 - 同居の配偶者
同居の配偶者が23.8%で最も多い。 - 同居の子の配偶者
同居の子の配偶者は7.5%で最も多い続柄ではない。
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのは同居の配偶者で、別居も含む全体の23.8%を占め、次いで同居の子が20.7%、別居の家族等13.6%、事業者12.1%、同居の子の配偶者7.5%となっている。
Q.17
健常な成人の体重における水分の割合に最も近いのはどれか。(第102回)
①20%
②40%
③60%
④80%
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正解:3
- 20%
20%ではない。 - 40%
40%は成人の水分以外つまり骨などの固形成分の割合である。 - 60%
60%である。 - 80%
80%ではない。
体重における水分の割合は、成人60%、高齢者50~55%である。
Q.18
細胞外液に比べて細胞内液で濃度が高いのはどれか。(第101回)
①カルシウム
②ナトリウム
③カリウム
④クロール
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正解:3
- カルシウム
カルシウムイオンは細胞外液に比べて細胞内液の濃度が低い。細胞外液である血漿で5mEq(ミリ当量)/L程度、細胞内液で遊離している分は1mEq/L程度である。 - ナトリウム
ナトリウムイオンは細胞外液に比べて細胞内液の濃度が低い。細胞外液である血漿で145mEq/L程度、細胞内液では15mEq/L程度である。 - カリウム
カリウムイオンは細胞外液に比べて細胞内液の濃度が高い。細胞外液である血漿で4mEq/L程度、細胞内液では150mEq/L程度である。 - クロール
クロールイオンは細胞外液に比べて細胞内液の濃度が低い。細胞外液である血漿で105mEq/L程度、細胞内液では1mEq/L程度である。
基本の知識として、細胞の中と外をイメージし、外側から「な・か(中)の細胞」と覚える。「な・か」で細胞の外にナトリウムイオンが、細胞の中にカリウムイオンが多いという意味である。また、この他に細胞内液のほうが濃度が高いイオンにはマグネシウムイオンがある。
Q.19
外分泌器官はどれか。(第100回)
①副 腎
②胸 腺
③涙 腺
④甲状腺
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正解:3
- 副 腎
副腎は内分泌器官で、電解質コルチコイド(アルドステロン)・糖質コルチコイド・性ホルモンを分泌する。 - 胸 腺
胸腺はリンパ球を成熟・分化させて血中に放つ内分泌器官である。 - 涙 腺
涙腺は涙液を分泌する外分泌器官である。涙液は角膜の表面を覆い乾燥を防ぐ。 - 甲状腺
甲状腺は甲状腺ホルモンとカルシトニンを分泌する内分泌器官である。
内分泌機能と外分泌機能を区別する。
Q.20
正常な胃液のpHはどれか。(第103回)
①pH 1~2
②pH 4~5
③pH 7~8
④pH 10~11
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正解:1
- pH 1~2
胃液はpH 1~2の強酸性である。 - pH 4~5
pH 4~5ではない。 - pH 7~8
pH 7~8ではない。 - pH 10~11
pH 10~11ではない。
胃体部にある壁細胞が塩酸を分泌し、pH 1~2の胃液が働く。